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第四十八話 お馬さんのエサやり体験です~アイスレモネードで疲労回復~

 セオドア王の話しでは、僕たちが結界を抜けて外に向かった直後、馬たちが走り出そうとしたと言う。


「そこで待っていてくれればすぐに戻ったのに、何で先に進んじゃったんですかね?」

「普段は言うことを聞いてくれるいい子達なんですが、なぜか頑なに進むと言うんですよ」

「キュイ、あのね」


 らんちゃんの通訳によると、ダッシャーが空に飛び立ったことで、『自分たちもそれに従わなければならない』と思った様だ。


 飛び立てないまでも先に進もうとの思いから、安全だった石畳の導きが途切れた、干上がった水路を駆けた。

 しかし川底は脆く崩れ、蹄が沈むたびに砂煙が容赦なく視界を奪う。立ち枯れの木々が行く手を塞ぎ、その度にセオドアとシアンがそれを断ち切っていく。


 ほんの少しの距離だったが、その道のりは厳しく、改めてダッシャーの、あの石畳を軽々と出現させた力にすっかり惚れこんでしまったそうだ。


「らんちゃん、『惚れこむ』ってなぁに?」

「らんちゃんわかんない。聞いてみるね。キュイキュ?」


「大好きなんだって。らんちゃんもママに『惚れこむ』の」

「ふぁ~可愛いこと言ってくれてママ嬉しいよ。ママもだぁい好き」

「キュキュゥキュッ」「チリリチリン」


 らんちゃんとベルちゃんをギュッと抱きしめて、スリスリしていたらみんなの視線をチクチク感じた。


「えっと、では、お疲れの様ですしティータイムにしましょうか?」

「えぇ、お願いします」

「私も助かります。何も用意しておりませんので、お言葉に甘えさせていただきます」


(何が良いかな。疲労回復か、前にもこんなことがあったな。よし、あれの冷たいのにしょう)



~【アイスレモネード】~

■材料(グラス1杯分)

・レモン果汁:大さじ2

・ガムシロップ:2個

・冷水:150ml 

・氷:適量

■作り方

1.グラスにレモン果汁とガムシロップを入れよく混ぜる。

2.マドラーでしっかり10秒ほどかき混ぜる。

3.氷をたっぷり入れ冷水を注いだら、底から静かにひと混ぜして完成。



(やっぱり1杯ずつじゃ面倒だな。一気に作ろう)


~【アイスレモネード】~

■材料(1リットル分)

・レモン果汁:150ml

・はちみつ:120g〜150g(大さじ6〜8)

・はちみつを溶かす用のお湯:150ml

・冷水:700ml

■作り方

1.1リットル以上入るピッチャーにお湯(150ml)とはちみつを入れ、スプーンでよく混ぜて、はちみつを完全に溶かす。

2.レモン果汁を加えて軽く混ぜる。

3.冷水を注ぎ、全体を底からしっかりとかき混ぜたら完成。



「お待たせしました。冷たい『レモネード』です。疲れが取れますよ」


 氷をたっぷり入れたグラスで提供する。


「これは、氷? ですか」

「こんなにたくさんの氷をどうやって?」


「広場の『保冷庫』はご覧になりました? あれの応用ですよ」


 ちょっと違うけど簡単に納得して貰うには『魔法』と言っておくのが無難だ。


「なるほど、ダッシャーとこの子達の魔法ですね」

「それなら納得です」


「ふふ、氷が融けない内にどうぞ」


「ほぅ、これはまた甘いのにサッパリしていて、実に飲みやすい」

「本当に、ごくごく飲めますね」


 子供たちにも同じ物を出したけど、飲めてるかな?


「あまぁ」「ちゅっぱぁい」

「「ミルクぅ」」

「ミルクを入れたら別の飲み物になるけど良いの?」

「「良いのぉ」」


 ミルクを追加して、急いでかき混ぜる。


「はい、どうぞ ヨーグルトドリンクだよ」

「「おいしぃ」」

「我もそれが良いぞ」

「はいはい、でも何となくヨーグルト風味になっちゃうと、疲れが取れなくなりそうな気がするけど、ダッシャーは疲れてはいない?」

「疲れなど我は感じぬわ。早くヨーグルト風味とやらにしてくれぃ」

「なら良いけどね」



 お茶請けに何か用意しようと考えて、馬たちと一緒に食べられるものが良いかと思い付く。

 昔行ったフルーツパークの『お馬さんエサやりタイム』でお馬さん達が食べていた『あれ』と『あれ』と『あれ』。

 それと『あれ』かな。


 買い物をする前に、セオドア王たちに水の入ったバケツを渡す。


「水と一緒にこれもどうぞ。欲しがると思いますよ」

「これは何ですか?」

「こっちは『角砂糖』で、こっちは『ヒマラヤピンクソルト』です。どちらも僕が普段使っている物なので安全ですよ」


「砂糖と、塩? ですか!?」

「これほど純度の高い、美しい塩は見たこともありませんよ。それに砂糖のこの形は?」

「僕の故郷のものですよ」

「本当に馬たちに食べさせてもよろしいのですか?」

「もちろんです。頑張って走ってくれたご褒美ですよ」


 時間が掛かる様に掌に乗せて舐めさせてあげる様に説明し、僕はダッシャーの陰で【スーパーサンタ】を開く。


 まずは2階のペット用品売り場へ向かう。買うのは『小動物用の乾燥牧草チモシー』だ。確か奥の方に少しだけ小動物用品を売っていた記憶がある。


「あっ! あった。良かった」


 あるだけ全部ポチる。


 次は1階の食品売り場へ向かう。今度は果物だ。

 『お馬さんエサやりタイム』でお馬さん達が食べていた『りんご』と『バナナ』と『いちご』、それとお約束の『にんじん』をポチる。


 ダッシャーの陰に隠れたまま、アイテムボックスからテーブルを取り出す。届いた大量の荷物を置いたら、知らん顔で準備に取り掛かる。


 バナナは皮をむいて3cm位にカット、いちごは洗ってヘタを取り、りんごは6等分にしてから芯を取り除き、うさちゃんカットにする。


「これはベルちゃんとらんちゃんとダッシャーの分だけど、少し冷やした方が美味しいからちょっと待っててね」


 アイテムボックスの【冷蔵庫】にしまっておく。


 続いてお馬さん達用にも用意する。バナナは3cm位にカット、いちごはヘタ付きのまま、りんごは6等分にしてから芯を取り除き、乱切りにする。

 最後のにんじんは、5cm長さに切ってから縦に6等分する。


「あっ、バケツが足りないか」


 今、馬たちが使っているバケツは、前に僕が買って蜜蝋の抽出に使った物で2個しか無い。確かあのお店の百円ショップにあったはず。


 またダッシャーの陰でコソコソと【スーパーサンタ】の2階にある百円ショップに行く。


「あった! 柄は違うけどこれで良いか」


 2個ポチる。

 そのバケツの中に先ずは柔らかい『バナナ』と『いちご』を入れてセオドア王に手渡す。


「塩と砂糖をなめ終えたら、次はこれを食べさせてあげてください。喜びますよ」

「これは? 見たことの無い物ですが、食べ物ですか?」

「アンセル様が『馬に食べさせて』と言ってるのですから、当然安全な食べ物ですよ」


「これと同じ物ですが、自分たちの分はあちらに用意してありますので、後でどうぞ。それはお馬さん達の分ですよ」

「馬と同じものを食すると?」

「逆でしょう。馬に我々と同じ食べ物を与える――とおっしゃられているんでしょう?」

「そうですよ。僕たちと同じ食べ物です。」


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