第35話 2日目 夜 ④
今日からまた暫くは毎日投稿出来ると思います。
はぁ…姉ちゃんと那月に告白された訳だが、俺はどうすればいい? どうするのが正解なんだ?
【1.姉ちゃんか那月のどちらかを選ぶ】
普通に考えたら、これがいいんだろう。
でも、俺としてはどちらか1人と気不味くなるのは避けたい。
それに、俺は今の関係を心地よく思っている。そう簡単に崩せるものでは無い。
今はちょっと…無しかな。
【2.両方と付き合う】
いや、ダメだろ。
確かに気不味くはならないが、後々面倒くさくなるのはわってる。
あと、俺の自由時間がほぼゼロになる。
学校では那月と姉ちゃんが。家では姉ちゃんが。自由時間はトイレの中だけになってしまう。
さすがにそれは悲しい。
それに、学校の人や親にバレた場合が怖い。
絶対に無しだな。
【3.どちらとも付き合わない】
まぁ、これも普通と言えば普通だ。
だが、2人の気持ちを考えるとそれはちょっとね…。
学校でもトップクラスの女子2人を振るっていうのも、言ってしまうと良くないが、勿体ない気がする。
それに、2人のことはどちらかと言えば好きだと思う。というか、普通に好きだと思う。
だからこそ、余計に振ることは出来ない。
これも無し。
【4.返事を待ってもらう】
俺としてはこれが一番いいかもしれない。
俺の中で、2人への気持ちは同じくらいの大きさだ(異性として言うのであれば)。
だから、俺がどちらかに決めるなら、まだ時間が必要なのだ。
今回、2人には焦らせて告白させてしまった感は否めない。
キープしてしまうことになるが、もう少しちゃんと考えたい。
それに、今は元幼馴染たちのことがある。
そっちが解決するまでは恋愛とかは避けたい。アイツらが何かしてくる可能性は全然ある。
やっぱりこれかな。
…うん、俺としては返事を待ってもらった方がいいかな。
だとしたら、なんて伝える?
一応、幼馴染達のことが終わるのは10月くらいだと思っている。
返事をするとしたらその辺になるだろう。
そこまでずっとキープしてしまうのはあまり良くないが、それまでは付き合うとかそういうのはやっぱり避けたい。
キープ……気分のいいものでは無いし、やってる事は最低だ。
せめて何か、2人にしてやれることは無いだろうか。2人の気持ちが1番大切だし、尊重したい。
それも含め、2人に今考えていることを提案することにする。
「えっとですね、少し返事を待ってもらいたいんですけど…」
「ふーん、なんで?」
「まず、姉ちゃんに勘違いさせちゃったのが今こうなってる原因だからって言うのと、元幼馴染のことが終わるまでは待って欲しいかなと」
そこまで言うと、2人は何か考え込んでいるようである。
「あ、一応、キープすることになっちゃうから、2人がしたい事とかは付き合うし、出来ることはしたいと思ってる。
キープなんて扱い、2人も嫌だと思うから、納得できないなら、また別の結論を出すよ」
「「!」」
前半部分を言い終えたところで、2人は顔を上げてこちらを見つめてきた。
そして、俺に背を向けて2人でなにか話し出した。
断片的にだが、「いいと思う」とか「出来ることは」とか、何となくいい返事っぽい言葉が耳に入ってきた。
話し合いが終わったのか、2人はこちらを向き、
「優希、その条件を呑むわ」
「あぁ、ありがーー」
「でもね、こっちからも条件があるの」
やっぱり、そういうのはあると思った。というか、無いとそれはそれで困った。
「ん、分かった。なんでもいいぞ」
「よし、ならいいですよね! 詩織先輩」
「えぇ。…優希、キープというのは無し。両方と付き合ってもらうことになるわ」
「え…それは…」
「でも、ただ両方と付き合うんじゃなくて、交代制で付き合うの」
「交代制…」
その後、那月からされた説明をまとめると、こんな感じだ。
学校では普通に振る舞うし、いつも通りだが、土日はデートをする。
デートは週によって那月と姉ちゃんと交代で行う。
デートをしている間は恋人でいて欲しいとの事。
そのデートを重ねていく中で、どっちと付き合いたいか選んで欲しいそうだ。
結局キープではないかと思ったのだが、2人は、
「どっちとも付き合ってはいるし、片方を蔑ろにすることが無いならいいんじゃないの?」
と言っていた。
別に嫌という素振りも無く、この2人は強いなと思った。
敵に回さなくて良かったと思う。本当に。
という訳で、大体どうするかが決まった。
「えっと、2人は本当にそれでいいの?」
「「勿論(だ)よ」」
「まぁ…それなら、いいのか…?」
2人が本当にそれでいいようなので、少し戸惑ったがそうする事にした。
2人の仲は本当にいいんだなと感じた瞬間でもあった。
「そういえば、今日は私が優希を自由にしていい日よね」
「え、あぁ。そうだね」
そうだった。
今、姉ちゃんのことを異性だと意識してしまっている状態で、昨日のようなことをされたら大変だ。
どうかもうちょっとソフトなお願いだといいんだけど。
「今日は手を繋いで寝てくれたらそれだけでいいわ」
「えっ、それだけでいいんだ」
「あら、もっと過激な方が良かったかしら?」
いいえ、有難いです。これなら大丈夫です。
チラッと那月の方を見ると、首筋まで真っ赤にして、何かブツブツ呟いていた。
気になって耳を澄まして聞くと、次のようなことが聞こえてきた。
「…昨日あんな事、私、なのに、なんで…」
恐らく、昨日自分がしたことが恥ずかしくなったのだろう。
姉ちゃんのお願いには俺も少し驚いた。
いつもならもっと過激なことを言ってきてもおかしくは無いのだ。
…まぁ、昨日姉ちゃんがやっていたことの方が那月のお願いよりも恥ずかしいと思う。
下着をつけていた那月の方がまだマシだ。
ずっと外にいても仕方ないので、中に戻ることにした。
☆☆☆
中に戻ると、瀬川に呼び出された。と言うか、呼ばれた。
2人は部屋に戻らせて、瀬川について行く。
目的地は瀬川たちの部屋だったようで、部屋の中に入ることになった。
石崎はまだリビングにいて、冷蔵庫の中を漁っていたので、恐らく瀬川と俺の二人きりのはずだ。
きっと、風呂の事だろう。もしかしたら、那月を連れてきたことかも。
「あの、瀬川。取り敢えず、俺から言いたいことが…」
「うん、分かった」
そう言うと、瀬川はベッドに腰を下ろした。
俺はベッドの前の床に正座した。
「風呂の事、すいませんでした。あれは完全に俺が悪かった。2人きりだったのに、邪魔しちゃって悪かった」
そう言って俺は頭を下げる。
瀬川の表情は見えないが、やはり怒っているだろうか。
そう思っていると、
「あ、あの、頭上げて? ね?」
思っていた何倍も優しい、というか、戸惑ったような声が返ってきた。
俺が驚いて瀬川を見ると、困ったような顔をしていた。
「恥ずかしいところ見られちゃったり、怒ってはいるんだけど、そこまで気にしなくても…。まぁ、声くらいかけるべきだとは思うけどね」
「え、あの…分かった。次…があるか分からないけど気をつける」
「で、今呼んだのはその事じゃなくて、さっき那月先輩呼んだことなんだけど……」
そっちの話だったか。
別に特に困った事が起きた訳では無い。何とかなったしな。
「別に大丈夫だぞ。一応何とかなった」
「え? あ、そう…何とかなるんだ」
それだけ言うと、瀬川はもう用事は無いようで、もう一度謝罪をしてから俺は自分の部屋に戻ることにした。
☆☆☆
「あら、戻ってきたのね」
「うん」
「もう寝るわよ」
まだ寝るには早い時間だったが、色々あって疲れたので、俺も寝ることにした。
電気をして布団に入る。
「さて、優希。手を繋ぎましょ?」
「はい、姉ちゃん」
「…そうじゃない」
姉ちゃんはそう呟くと、一度俺と手を離し、恋人繋ぎで繋ぎ直してきた。
「こっちがいいの」
「……まぁ、大丈夫。大丈夫だ」
「じゃあ、おやすみ…」
姉ちゃんはそこまで言うと、すぐに寝てしまった。
ちなみに、那月も既に寝てしまっているようだ。2人とも、この状況でよく普通に寝れるな。
しばらく俺が眠れないでいると、姉ちゃんと那月がモゾモゾと動き出した。
なんだ? と思っていると、両側から抱きつかれ、抱き枕状態になってしまった。
昨日とはまた違った感覚で、今日こそは一睡も出来ないかもしれないなと思い、俺は邪な気持ちを抑えながら夜を過ごしたのだった。
テスト終わりました。範囲が広くて結構大変でした。
前書きにも書いた通り、また暫くは毎日投稿出来ると思います。
次話、帰宅になると思います。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。
また、書いて欲しい短編などがあったら、感想で送ってくれると嬉しいです。




