第29話 1日目 夜 後編
皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
部屋に戻ってしばらくすると、姉ちゃんと那月も戻ってきた。
なんだか恥ずかしくて那月の顔を見られなかった。
なぜ那月はあんな事をしたのだろうか。
そう考えていると、那月が話し出した。
「あの、今夜は私が優希くんを自由に出来るから。…その、お願いしたい事あるんだけど……」
「え、あ、うん。分かった」
そういえばそういう事になっていた気がする。
風呂での事が「お願い」に含まれないとしたら、どんな内容のお願いをされるのだろうか。
俺は期待すればいいのか、不安でいればいいのか分からなかった。結論から言えば両方なのだろうが。
「えっとね、まずは下着だけになって欲しいなー、なんて」
「へっ?」
「いや、変なことはしないよ? 私はしないつもり」
全裸じゃなくて良かったが、「まず」って事は、まだ幾つかあるってことだよね…。
それに耐えなきゃ行けないんだろ?
あと、姉ちゃんが危ない。俺は変なことはしないつもりだから大丈夫だが、姉ちゃんはどうか…。
俺は言われた通り、下着だけになった。
風呂でも似たような状況だったとはいえ、やはり恥ずかしい。
そして、何故か那月も下着だけになっている。
ホントにどうしたんだ。
ついでに言うと、姉ちゃんも便乗して下着だけになっていた。まぁ、これに関しては予想通りだ。
「じゃあ次は、まず一緒にベッドに入って」
「ん。分かった」
まぁ、それも何となく分かる。というか、俺がベッドに入らないという事はほぼ無かった。姉ちゃんに絶対入れと言われると思う。
「で、私の事後ろから抱きしめてくれる?」
「う…。わ、分かった」
下着だけなんてほぼ裸みたいなものなのに、それで後ろから抱きしめるとなると……。
那月の肌はスベスベだし、いい匂いするし、こうやって抱きしめるとやっぱり結構華奢なんだなぁと感じてしまう。
これはマズイよ。
「じゃあ、今夜はそのまま離さないで?」
終わった。
一晩変な気を起こさないようにしなきゃいけないじゃないか。
那月は襲われるかもしれないとか考えないのだろうか。他の奴だったら危なかったぞ。
俺がモヤモヤしていると、前からスースーと寝息が聞こえてきた。
速攻で寝たらしい。
まぁ、今日は疲れたのだろう。
そして、那月が寝た事に気づいたのか、姉ちゃんが俺に話しかけてきた。
「優希、明日は私の番だからね」
「あぁ、そうなのか…」
「今からもう楽しみよ。…今もう那月は寝ているよね?」
「そうだと思うよ」
姉ちゃんがそれを確認するという事は、なにか企んでいるという事だ。俺にとってそれはいい事なのだろうか。
「よし。もういいわね」
そう言って姉ちゃんはベッドから出た。
俺は那月を抱きしめていなければならないので後ろにいる姉ちゃんが何をしているのかは分からなかったが、何故か後ろからパサっという音が聞こえた。
まさか……。
「さてと、那月はまだまだ甘いわね」
「姉ちゃん?」
姉ちゃんはそう言ってベッドのなかに戻ってきた。
そして、俺は後ろから抱きしめられた。
だが、布が当たっている感覚はなく、姉ちゃんの全身はスベスベとしている気がする。
全身、というのは、姉ちゃんが脚を絡ませてきたり、キツく抱きしめられたから分かったのだ。
下も履いていない気がするのだが、気のせいだろうか。
「姉ちゃん、もしかして今服着てないの?」
「ええそうよ。いいでしょ? こっちの方が」
「……いや、まぁどっちかと言われたらそうなんだけど……」
そうなんだけど。そうなんだけどさ。
俺寝れなくなっちゃうよ。今日。
すると、今度は姉ちゃんの方からスースーと寝息が聞こえてきた。
「姉ちゃん? 起きてる?」
「……」
「姉ちゃん、お願いだから起きて…」
「……優希、大好き……」
ダメだ。寝てる。
今のは寝言でよく言ってるので、寝ていると考えていいだろう。
これで、起きているのは俺一人になってしまった。
後ろには全裸の姉ちゃんの感触。前にはほぼ裸の那月の感触。この中で起きているのは男の俺一人。
姉ちゃんと那月が起きている可能性もあるが、姉ちゃんが全裸になっても那月の反応はなかったし、姉ちゃんは俺がお願いしても返事が無かった。
この状況で、俺は変な気を起こさないようにしなければならない。生き地獄だろ、こんなの。
しばらくは何とか起きていたのだが、ベッドもふかふかで、俺の前も後ろも温かかったし、那月も抱き枕みたいでいつの間にか寝落ちしてしまった。
後から考えると、早く寝てしまえば良かった気もするが、この時の俺はそれどころではなかったので、仕方ない。
正月ですね。前書きにも書きましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
次話、2日目です。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。




