第28話 1日目 夜 前編
その後、流石に疲れたのか、2人ともぐったりしていたので、残った3人で遊んだ。
まあ、俺も疲れたので、途中からは石崎と瀬川の2人になったのだが。
瀬川があまり遊べていなかったので、瀬川が楽しそうでよかった。
石崎は、文字通り足が棒になっていた。最後の方は気力で動いてたように見えた。
夕方になり、流石に俺たちは石崎の別荘に戻った。
石崎と那月が瀕死になっていたので、俺が石崎を担ぎ、姉ちゃんが那月を背負って帰った。
石崎に文句を言われたが、運ばれてる側が何言ってるんだと言ったら、大人しくなった。
多分、その後に言った「まだ文句あるなら置いてくぞ」というのが一番効いたんだろう。ほとんど歩けなくなっていたので、置いていったらそのまま一晩を過ごすことになるだろう。
石崎の別荘に着くと、姉ちゃんから夕ご飯を作れという指令が入った。
しかも、全員分を1人で作れと。
疲れた体でそれは結構キツいのだが、姉ちゃんの言うことには逆らえない。というか、他の人に作らせるより、俺が作った方がマシである。
瀬川も前よりは上手くなったが、美味しいかと言われると、微妙である。
幸い、材料は用意してくれた(石崎が)ようなので、適当に作ることにした。
夕ご飯が出来た頃には、空が暗くなり始めていた。
今日は、シンプルにカレーにしてみた。多少味の調整はしたが、市販のものを使って作った。
途中から、匂いに誘われたのか、石崎がやってきて椅子に座っていた。
相変わらず食欲は結構あるようである。まぁ、今日は多めに作ったので、おかわりも出来ると思う。
石崎は既に来ているので、他の3人を呼びに行く。
まず瀬川から呼ぶことにした。ドアをノックしたが、返事がなかった。寝ているのかと思ったが、何かブツブツ声が聞こえた。
まぁ、気にしても仕方ないので部屋に入ると、布団を体に巻いてベッドの上を転がっている何かがいた。
この部屋には今瀬川しか居ないはずなので、瀬川のはずなのだが、何をしているのだろうか。
「うぅ…今日翔太とここで一緒に…。あぁ! 考えただけでなんか、なんか…」
そこまで聞いたところで、瀬川から布団を剥がした。なんかこれ以上は聞いてはいけないような気もしたし、聞きたい訳でもなかった。
「え! なんで優希が?」
「夕ご飯出来たから、呼びに来た」
「あ、そう…。……!」
しばらく沈黙が続いたと思ったら、瀬川が急に赤くなった。ようやく気づいたようである。
「……ねぇ、もしかして聞いてた?」
「おう! バッチリだ!」
俺がハッキリと答えると、瀬川に部屋から追い出された。別に、まだ途中で止めたから良いじゃん。「なんか…」の続きの方が聞いたらダメそう感じするけどな。
まぁ、多分そのうち出てくるだろうという事で、次は俺の部屋、つまり、姉ちゃんと那月を呼びに行く。
一応ノックしてみると、返事もあった。しかし、しばらく待っても姉ちゃんたちは出てこなかった。
どうも様子がおかしい。という事で、こっちも部屋に入ることにする。
部屋に入ると、何故か水着のままベッドに倒れている2人がいた。
2人は俺が入ってきたことに気づいたようである。
「あの、優希くん。助けて…」
「筋肉痛で動けなくなってしまって」
まぁ、部屋から出てこないから、そんな事だろうとは思った。
初日からこんなに飛ばして大丈夫なのだろうか。
とりあえず2人に何か服を羽織らせて、2人を背負って椅子に座らせた。
流石に瀬川も部屋から出てきたようで、大人しく椅子に座っていた。
「よし、それじゃあ全員揃ったからーー」
「いただきます!」
「え? まぁいいや、いただきまーす」
「「「いただきます」」」
石崎が、一人先に食べ始めた。どんだけ腹減ってたんだ。
俺が半分くらい食べた時にはもう石崎は食べ終わっていて、結局3回くらいおかわりしていた。
俺を含む他の4人はおかわりはせず、そのまま食べ終わったら自由に過ごしていた。
俺が風呂に入ろうとすると、相変わらず姉ちゃんが入ってきた。
姉ちゃんだけが入ってきたのかと思ったが、なんと那月が入ってきた。
「え?! なんで那月が?」
「いや、何となく……」
「何となくって……。まぁ、別にもう良いけど…」
理由も無いまま男子高校生と一緒に風呂に入ろうとするのはどうかと思うが、俺が気をつければいいだけの事だ。
問題があるとすれば姉ちゃんである。
まだ着替える前だったので、先に着替えて風呂に入る。さすがにタオルは巻いた。
体を洗って湯船に浸かっていると、姉ちゃん達が入ってきたようである。
「うぅ……やっぱり恥ずかしい」
「あら、こんなのも恥ずかしいの? 私は優希といつもこんな感じだけど」
「うぅ」
いや、いつもこんな感じっていうのがおかしいんだよね。
なんで入ろうと思ったのか分からないけど、那月はまだ正常だと思う。
俺は極力そっちを見ないように返事をする。
「俺もう入ってるから。そっち見ないようにするから気にしなくていいよ」
「ほら、優希もそう言ってるし。ね?」
「うぅ、分かりましたよ! もう!」
なんか気にされてもこっちが気まずいのだ。
俺はもう姉ちゃんのせいでなんか慣れてしまった。姉ちゃんは全裸の可能性があるが、那月はさすがにタオルを巻いていると思いたい。
「じゃあ、私が洗ってあげる」
「え! あ、ちょっと、そこは……」
「ふふっ。どう? 気持ちいい?」
「んっ、ちょっ、詩織せんぱっ。ダメっ、ダメです。優希くんがいるのに」
何してるんだ、姉ちゃん。
やっぱり姉ちゃんは危ない気がする。
「あら、そう。じゃあ、次は私を洗って?」
「うぅ、もう。ホント何してくれるんですか……」
その後は特に変なことはなく、普通に体を洗い終わったようである。
出来れば風呂から上がりたいのだが、ここで上がろうとすると姉ちゃんに絶対に止められるので、風呂から上がることは出来ない。
結局那月とも一緒に入る事になってしまった。
この家の風呂は結構広くて、湯船に3人くらいなら余裕で浸かることが出来た。
姉ちゃんが隠してないのはもう仕方ないとして、なんで那月タオル巻いてないの?
「なんで2人共タオル巻いてないの…」
「いや、詩織先輩がっ」
「だってこの方が優希も嬉しいでしょう?」
否定は出来ないぞ。でもなぁ、健全な男子高校生の前に全裸の女子が二人という状況は良くないと思いますよ?
「はぁ、俺後ろ向いてるから。那月も姉ちゃんの言うこと全部聞かなくても良いぞ」
「いや、無理やりタオル剥がされて…」
「姉ちゃん?」
「ふふふ。ここで有利不利があったらダメだからね」
「……?」
「なんでもないっ、なんでもないから!」
よく分からないことが多い。まぁ、聞いて教えてくれるものでは無いことは確かだろう。
俺が後ろを向いていると、後ろに何かのっかってきた。姉ちゃんかな。
振り向くと、姉ちゃんは普通に湯船に浸かっていた。
…という事は、これ那月?
なんだか途端に恥ずかしくなってきて、俺は急いで風呂から出た。
少し長くなってしまいました。皆さん、良いお年を。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。




