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第27話 姉ちゃんと那月の勝負

海水浴場に着くと、やはり、既にたくさんの人がいた。


とりあえず場所を取りに行ったのだが、これもやはり、というか、那月が居なくなっていた。


迷子ですか、やっぱり。


人が多いと、迷子になるんじゃないかと思っていたのだが、早速迷子になったようである。


探しに行くために、荷物を置いて、今来た道を戻り始めた。



☆☆☆



結構最初の方まで戻ると、那月らしき人を見つけた。



もう少し近づいてみると、やはり那月だった。しかし、どうも様子がおかしい。


ガタイのいい男たちが那月に群がっている。なんだ、ナンパか?


さらに近づいていくと、声が聞こえてきた。



「君、一人ならいいじゃん。俺達と一緒に遊ぼうよ」


「いや、だから、一緒に来てる人達が…」


「でも、今居ないんでしょ? こんな可愛い子置いてくなんて酷いやつも居るんだな」


「いや、それは私がはぐれちゃっただけで…」



なんだか面倒くさそうな人たちである。嫌がってるのに、何で止めないのだろうか。



「おーい、那月」


「あ、優希くん!」


「おいおい、誰だお前? 俺たち今この子と話してるんだけど」



話してるっていうか、詰め寄ってるだけに見えたけどな。周りの人も見てるだけっているのは酷いよな。



「俺は那月の…」


「彼氏です! 彼氏!」


「っええ。そうです。俺の彼女に何か用ですか」


那月は俺の事を「彼氏」と言って俺の腕にくっついてきた。


結構驚いたが、何とか声を出さずに頷くことが出来た。


冷静に考えると、確かに彼氏と言った方が都合がいい。



「チッ、彼氏持ちかよ…さーせんした」



そう言って男たちは去っていった。暴力とかがなくて安心した。



「大丈夫か?」


「うん。ありがと」


「あのー、そろそろ腕離してもらっていいか?」


「あっ、ごめんね!」



那月は恥ずかしそうに俺の腕を離した。柔らかいものが当たっていたのだ。


そのまま那月をみんなの場所へ連れていき、遊び始めた。



最初は普通に遊んでいたのだが、途中から那月と姉ちゃんが何かと勝負をしたがるようになった。


何か賭けているようだったが、何を賭けているかは分からなかった。


しょうがないので、全員で勝負をする事になった。瀬川は見てるだけで良いそうなので、俺、石崎、那月、姉ちゃんの4人でやることになった。



勝負一 スイカ割り


どっちがより綺麗に割れるか、という、完全に運任せな気がする勝負。


俺は端をカスって、石崎は外した。


姉ちゃんは半分くらい割って、那月は綺麗に真ん中を割った。


まぁ、那月の勝利である。


ちなみに、スイカは那月のバッグから出てきた。何でそんな持ってたのかは分からない。



勝負二 ビーチフラッグ


俺VS石崎 石崎の勝利


那月VS姉ちゃん 姉ちゃんの勝利


決勝を石崎と姉ちゃんでやったら、なんと姉ちゃんが余裕を持って勝った。


予選では那月と姉ちゃんは競り合っていたので、俺と石崎はその2人より遅いことになる。なんか情けないな、男子。



勝負三 水鉄砲PVP


水鉄砲で、相手の頭の上の紙風船を潰したら勝利。


混じりたくなったのか、ここで瀬川も参戦した。という事で、チーム戦となった。


チームはこうなった。



チーム1 那月&俺


チーム2 姉ちゃん&石崎&瀬川



人数が違うので、チーム2は、2個潰されたら負けということになった。


姉ちゃんと那月がドンパチやり始めたので、横から俺と石崎がそれぞれの風船を潰した。


2対1では、流石に俺に勝ち目はほとんど無いように感じたが、そんなことは無く、俺は瀬川の風船を潰した。


チーム1、つまり那月のチームの勝利である。



勝負四 海騎馬戦


読んで字のごとく、ということで、海でやる騎馬戦である。


2人1組でやるのだが、全員がやりたいということになったので、くじ引きで決める。


その結果、



俺&姉ちゃん


那月&瀬川



という事になった。石崎が審判ということになった。


まぁ、石崎と姉ちゃんとかいう組み合わせにならなくて良かったと思うよ。多分大変だから。


俺と姉ちゃんは、こういったことは慣れているので、流石に那月と瀬川には負けなかった。


姉ちゃんの勝利。




ここまで、姉ちゃんと那月は2対2で引き分けである。


今ある道具でそれ以上出来るものがなくて次のものを考えていると、こんな放送が入った。



「ビーチバレーの大会を開催します。出場したい人は、受付のボードに名前を書いて近くで待っていてください」



ビーチバレーか、そういうのもあったな。


そう考えていると、姉ちゃんと那月が走り出した。俺たちでは追いつけないので、急いで受付に向かうと、既に名前が書かれていた。


結構人気があるようで、結構な数の参加者が集まっていた。と同時に、観客も結構多かった。


ちなみにチームは、姉ちゃんと俺、那月と石崎だ。瀬川が観戦ばっかなのは申し訳ない。



俺たちは少し昼ご飯を食べて試合に臨んだ。




勝負五 ビーチバレー


【予選】


俺と姉ちゃんは、俺のミスを姉ちゃんがカバーするという感じで、順調に点を取っていた。


姉ちゃんは、どこにボールが落ちてきても、大体拾っていて、やっぱり姉ちゃんは凄いなと再認識させられた。


もちろん、俺たちの勝利だ。



那月と石崎は、意外と息があっていて、上手い具合にそれぞれをカバーしていた。


特に那月のスパイクは強烈だった。


相手は1歩も動くことが出来なかった。


こちらも、那月たちの勝利だ。



【準決勝】


準決勝になって、流石に俺も慣れてきた。


姉ちゃんが拾って、俺がスパイク。この流れがスムーズにできるようになった。


相手は予選を見ていなかったのか、姉ちゃん側を多く狙っていて、大体姉ちゃんに拾われていた。


結果は、俺たちの勝利。



那月たちの方は、相手が結構手強く、長引いていた。


とにかく拾ってくる相手だった。


だが、スパイクはそんなに鋭くなかったので、那月たちに分が合った。


結果は、那月たちの勝利。



【決勝】


予想通りと言えばそうなのだが、俺たちと那月たちが残った。


姉ちゃんと那月はバチバチと火花を散らしている。



試合開始と同時に、那月たちの猛攻が始まった。


さっき見ていた以上に、受ける側となるとボールが速く感じた。いや、実際に速くなっているのかもしれない。


だが、姉ちゃんも中々ボールをこぼさない。俺も頑張っているが、大体は姉ちゃんが拾っている。



それでも、やはり疲労は溜まっていて、2人も少しずつ動きが鈍くなってきていた。


那月のスパイクも、高い所からは打てなくなり、姉ちゃんも端から端まで取りには行けない。


最後は、那月が粘り、那月たちの勝利となった。




流石に疲れたのか、那月と姉ちゃんはここで勝負を終了した。


結果は、2対3で、那月の勝利。


結局何を賭けていたのだろうか。



「ねぇ、2人とも何賭けてたの?」


「あら…気づいてたのね。今日どっちが優希を好きにするか、よ」


「え?」


「だから、今日の夜どっちが優希の事を好きにするか、よ」


「……」



勝手に俺を賭けの内容に使わないで欲しい。


しかし、言ったところで止まらないのは分かっている。



「はぁ…。変なことしないでくれよ」


「大丈夫。変なことはしないよ」



本当に変なことをしないのか心配ではあるが、その時の事はその時の俺に任せることにした。


頑張れ、俺。

優希と石崎も意外と運動できるんですね。次話、1日目の夜です。


誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。



あと、短編書いてみました。良ければ読んでみてください。

↓

一万一回目の告白

https://ncode.syosetu.com/n8366hz/

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