第22話 優希改造大作戦 ①
翌日、俺は姉ちゃんと莉子と一緒に美容院に向かっていた。
なぜ莉子が居るのかって? 俺にも分からん。俺に着いてきても面白くないだろうに。
莉子は着いてきた割には俺に近づく気配は無い。暇だったから姉ちゃんに着いてきただけなのかもしれない。
☆☆☆
姉ちゃんに連れられて美容院に入り、その金額を見て驚いた。8000円? 俺に使うような金額じゃない。やっぱり今日は俺じゃなくて姉ちゃんなんじゃ・・・
「姉ちゃん・・・、今日本当は姉ちゃんが髪切ったり・・・?」
「何言ってるの。優希に決まってるでしょ」
「あ、あはは。そっか・・・」
嘘だ・・・。勿体なさすぎる・・・。
俺なんかにこんなに使うと考えるとクラクラしてきた。今日まだ服も買いに行くんだろ?
値段のことが気になってこの店の評判を調べて見ると、めっちゃ良かった。
・・・姉ちゃんはなんでここを選んだんだ。俺なんかのために。
お金の事が心配だったので姉ちゃんに聞いてみる。
「あの、俺今日そんなにお金持ってないんだけど、大丈夫なの?」
「・・・? 今日優希はお金使う必要ないわよ。私が全部払うから」
「いや、さすがにそれは・・・。俺も払うよ」
「ダメよ」
「いや、頼むから。払わせてくれ」
なんか貢ぎたがってる人みたいになってしまった。実際は姉ちゃんが俺に貢いでるような感じなのだが・・・。
姉ちゃんは弟、妹からのお願いに弱い。基本的にお願いされたら反射的にOKしてしまうのだ。今回も反射的にOKしてくれたので、何とか俺も払うことが出来る。OKしてから焦っていたが、もう遅い。言質は取ってある。録音したからね。
こんな良さそうな所に連れてきてもらうだけで申し訳ないのに、全部払わせることなんて絶対出来ない。元々金欠気味だったので、助かるのだけれど・・・。
お店の人もすいません。こんな地味なのが来てしまって。
そんな風に考えながら俺は案内された席に着いた。
☆☆☆
長い髪が邪魔で少し見づらかったが、美容師さんもなんとも言えない顔をしていた、と思う。気の所為かもしれないが、何となく申し訳なくなってくる。
「それでは、今日はどのようにしますか?」
と、聞かれた。髪型について聞かれたのだろう。
しかし、俺はそういったことに詳しくない。ファッションとかそういうのが全くダメなのだ。
なんと言えばいいのか分からず、戸惑っていると、どこからともなく姉ちゃんが出てきた。
「とりあえず、おまかせで。この顔に合うようにお願いします」
「はぁ・・・」
美容師さんも困っているようである。突然出てきた人に言われたらそれはびっくりするだろう。
それにしてもどこから見ていたのだろうか。姉ちゃん達が待っているところからは見えない筈である。
そんな事を考えていると、姉ちゃんに前髪を掻き揚げられた。
「!」
「大丈夫そうですか?」
「えぇ! 大丈夫です! 絶対にカッコよくして見せますよ!」
「それでは、弟をお願いします。・・・カッコよくなってお姉ちゃんを驚かせてね? 優希」
姉ちゃんはそれだけ言って戻って行った。
それにしても、美容師さんが凄いやる気を出している気がするのだが、気のせいだろうか。姉ちゃんが行ったあとからずっと、
「・・・ノーセットスタイル・・・、いや、ふんわりパーマ×ミディアムヘア・・・。あぁぁ、どれにしましょうか、腕がなりますねぇ」
こんな感じで恐らく髪型を呟いている。
個人的にはセットが面倒臭いのは嫌だったので、セットが要らないか、簡単なものでお願いした。
「なるほど! 分かりました。・・・そうですね、じゃあ、前髪短めのマッシュにしましょう」
「えっと、じゃあそれでお願いします」
名前を言われてもあんまりよく分からない。さっき呟いてたやつもほとんど分からなかった。雰囲気で何となくは想像できるものもあるのだが。
最近は髪型が多くて大変だ。そういうのに気を使える人は凄いね。俺は絶対できる気がしない。
・・・マッシュってキノコみたいになるのか?
結局よく分からなかったので、大人しく髪を切ってもらうことにした。
相変わらず美容師さんのテンションが高いのが気になったが、もう止まらなさそうだったのでそのまま大人しく椅子に座っていた。
私も髪型に詳しくないのですが、こんな感じで大丈夫ですかね? 以前、学校に凄いキノコみたいな髪型の先生がいて驚きました。
次話、優希の髪が切り終わります。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。
前にも言ったように、24日、25日は投稿出来ないと思います。申し訳ありません。




