第21話 地獄の勉強会とデートの約束
前話で、不快感を与えてしまった方がいたら申し訳ありません。
一学期最終日。今は終業式の最中である。
校長先生が話しているが、正直長いだけで何も頭に入ってこない。
寝ている生徒もちらほら見える。まぁ、俺も寝そうではあるのだが。
今日は終業式と掃除を軽くやったら帰れるので、午後からは遊べる・・・、訳ではなかった。
午後からはまた勉強会である。
今回はさすがにちゃんとやると思う。
姉ちゃんと那月が、早く夏休みの宿題を終わらせて遊びたいらしいのだ。最初の方はずっと勉強らしい。
正直、手伝ってもらえると助かるので、嬉しいと言えば嬉しい。だが、宿題が終わるまでの間、ほとんど遊べないというのはちょっとキツい。
ちなみに姉ちゃんと那月はほとんど宿題を終わらせているらしい。どんだけ遊びたいんだ。
そんな事をぼーっと考えていると、いつの間にか校長先生の話が終わっていた。
やっと終わったかと思ったら、次は夏休みの過ごし方について生徒指導の先生が話し出した。
そういえば、坂本先輩はと言うと、少しずつ迷惑をかけた人達に謝って回っているようだ。
あまり受け入れて貰えてないようだが、本人は1人で頑張るつもりらしい。
俺としても、1人で頑張ってくれるならその方がいい。面倒事に巻き込まれるのはもうゴメンなのだ。今の坂本先輩はその塊みたいなものだろう。
関わりたくない訳では無いが、面倒事には巻き込まれたくない。友達って言ったのに、俺は酷い奴だろうか。
期末テストでは、石崎と瀬川は、ギリギリで赤点を回避・・・、ではなく、かなり余裕を持って赤点を回避していた。
うちの学校は、平均点の二分の一以下が赤点なのだが、2人は平均点ちょうどくらいの点数を取っていた。
俺は平均プラス10点くらいだった。まぁこんなもんだろう。
姉ちゃんは相変わらず学年1位。那月は5位だった。さすがだね。那月はちょっと上がっていて、隠してはいたが、結構嬉しそうだった。
またぼーっとしていたら、生徒指導の先生の話も終わっていた。
その後少し連絡があって、終業式は終わった。
☆☆☆
4日後・・・。
俺、石崎、瀬川はくたばっていた。理由は、普段やらない勉強を短期間で死ぬほどやったからである。
那月も姉ちゃんも教えるのは上手いのだが、とてもスパルタで、休憩がほとんどない状態で朝から晩まで、一日中勉強させられた。
何もそこまで急がなくて良いだろうと思ったが、口を出すことも出来ず、そのまま4日間勉強漬けだった。
まぁ、嬉しいことがなかった訳では無い。
3日目に、さすがに疲れたのであろう姉ちゃんと那月が、俺の肩と膝で寝てしまったのだ。
女子っぽい感じのいい香りがしたり、寝顔を見れたりと、結構得した気分だった。
姉ちゃんのは見慣れてるし嗅ぎなれてるのだが。・・・なんかキモイな、この言い方。
ずっと正座をしていたので、足が痺れて辛かったのだけは残念だった。
何はともあれ、とりあえず宿題を終わらせることが出来た。
明日以降は遊べるだろう。
その日は那月と石崎、瀬川を帰らせ、俺と姉ちゃんはずっと寝ていた。
姉ちゃんが俺の部屋に来て、俺を抱き枕にして寝てしまったので、あまり睡眠は出来なかった。毎日一緒に寝ていても、慣れないものはなれないのだ。
姉ちゃんはぐっすり寝ていて、幸せそうな顔をしていたので、起こすことも出来なかった。
☆☆☆
夜になり、風呂に入っていると、姉ちゃんが入ってきた。
最近、たまにこういう事があるのだ。
この前は多少なりとも隠そうとしていたのだが、遂に何も隠さなくなっていた。
何してんだ? 羞恥心置いてきたのか?
いくらなんでもおかしいと思う。一緒に入るのでさえ変なのに、全裸で入ってくるか?
しかも姉ちゃんは気にしてる感じがない。
からかわれてるのだろうか。
すると、姉ちゃんは湯船に浸かっている俺と向かい合うような形で湯船に入ってきた。
遂に正面・・・。なんかもう諦めた方がいい気がする。
俺がそう考えていると、姉ちゃんが話し出した。
「優希、明日は髪切って新しい服買いに行くよ。」
「え? 遊びに行くんじゃないのか。分かった。いいよ」
「そう。じゃあ、いいとこ選ばないと。優希をカッコよくして貰わなきゃね」
・・・ん? 俺の話してるの? 姉ちゃんの話じゃないの?
「ちょっと待って、俺の話してるの?」
「もちろん。優希は磨けば光るんだから。この夏休みでカッコよくするの」
「えぇー、面倒臭いのヤダよ」
「ダメ。優希に拒否権はないよ」
「何でもするって言っても?」
これなら姉ちゃんも釣られてくれるんじゃない?
「・・・そしたら、今私が言ったことをしっかりやってもらう」
しまった。姉ちゃんの事だからなんか別のこと言ってくると思ってたのに。
姉ちゃんがそこまで俺を変えようとする理由がわからないし。そもそも俺は地味な普通の男子だ。光る気がしない。
・・・でも、姉ちゃんが引き下がる気もしない。
「・・・どうしても?」
「絶対に、よ」
「・・・」
これは何言ってもダメそうだ。
さすがにこれ以上言っても仕方ないので、とりあえず髪を切るしかないだろう。
せっかく結構伸ばしてたので、なんか勿体ない気がするが、久しぶりに髪を切るのも悪くない気がしたので、姉ちゃんの言うことに従うことにした。
「そう。じゃあ、明日楽しみにしてるね」
「分かったよ。姉ちゃん」
「ふふふ。優希とデートね」
「デートって・・・。とりあえず、明日はよろしく。姉ちゃん」
前に髪を切ったのがいつだか分からず、俺が髪を切った姿を想像出来ず少し悩んだが、どうとでもなると思い、そこでは考えることをやめた。
☆☆☆
風呂から上がると、姉ちゃんが物凄く上機嫌だった。
凄いふわふわした感じで自分の部屋に戻って行ったので、そんなに嬉しいのか? とは思ったが、姉ちゃんの事なので、「デート」と言えばそうなるかと思って勝手に納得した。
俺がリビングで適当にテレビを見ていると、莉子に話しかけられた。
「詩織姉凄い上機嫌だったんだけど。なんか知ってる?」
「あぁ、明日俺とデートとか言ってたから、それじゃないか? 姉ちゃんのことだしな」
「・・・ふーん、デートか。デートね、デート・・・」
「・・・? どうした?」
ずっと何かブツブツ呟いていたので心配して聞いたら、
「何でもない。優希兄は知らなくていい」
と言ってきた。今までと比べると随分優しかったので驚いたが、その後も何かブツブツ呟いていたので、それ以上何か質問することをやめ、自分の部屋に戻った。
合宿の日に寒波が来てるのは結構大変そうです。
次話、優希イメチェンです。
誤字脱字、アドバイスなどよろしくお願いします。




