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ガラス越しに見えた嘘、俺は全てを捨てて歩き出す  作者: ledled


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サイドストーリー:奈緒の同僚(看護師仲間)の視点

奈緒ちゃんが変わったな、と思ったのは、誠司さんと別れてからしばらく経った頃だった。


以前の奈緒ちゃんは、明るかった。どんなに忙しくても笑顔を絶やさなかった。でも、誠司さんが広島を離れた後、笑顔の回数が減った。


「なんかあったの?」と聞いたことがある。「別れちゃった」と奈緒ちゃんは短く言った。


大輔さんという人と付き合い始めたと聞いたのは、それから少し後のことだ。「幸せそう」とは正直思えなかった。スマホを見る顔が、前より暗かった。やがて、大輔さんとも別れた。仕事でも問題があったらしいと後から聞いた。


ある日、奈緒ちゃんが「誠司さんって知ってる? 昔付き合ってた人」と話してきた。珍しかった。「なんか、すごい人になったみたい」と言った。嬉しそうではなく、どこか遠くを見ている目だった。


「名古屋で会社作って、大手に売ったって。もう、別の人と付き合ってるって聞いた」


「連絡してみたら?」


私が言うと、奈緒ちゃんは「うん、してみようかな」と言った。


翌週、奈緒ちゃんの様子が少し違った。元気がないような、でも何かに決着がついたような、不思議な顔をしていた。


「どうだった?」


「もう遅いって言われた」


静かな声だった。私は何も言えなかった。


「そうだよね、って思った。私がそうしたんだもん」


奈緒ちゃんはそれだけ言って、仕事に戻った。


その後、奈緒ちゃんは少しずつ明るくなっていった。吹っ切れたのかもしれない。何かが、ちゃんと終わったのかもしれない。


誠司さんがどんな人か、私は会ったことがない。でも、奈緒ちゃんがあんな顔をするくらいだから、きっとちゃんとした人だったのだろう。


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