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【リメイク連載中】目が覚めたら世界が異世界っぽくなっていた件  作者: 白い彗星
異世界召喚かとテンションが上がった時期が俺にもありました
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幼なじみと同級生、サキュバス宅訪問の裏側で



 キーンコーン……



 チャイムが鳴る。放課後の延長にある、部活動の終わりを告げる鐘。正確には、その十分前を知らせるものだ。


 この学校では、運動文化系関係なく、部活動で残っていい時間が決められており、これはそのリミットを知らせる十分前の鐘。これにより、生徒達はそれぞれ片付けに取りかかる。



「おっと、もうこんな時間か……じゃあみんな、今日はここまで! 片付けるよー」



 それはここ調理部でも例外ではない。チャイムを聞いた彼女……如月 由香は、パンパンと手を叩く。まだ続けたい生徒もいるようだが、仕方ない。続きは明日だ。


 由香が顧問を務める調理部では、50を越える生徒が所属している。そのほとんどが女子で、皆日々スキルアップに励んでいる。


 さて、この調理部では、年に何度かある料理大会というものに毎回出場しているのだが、そこでの優勝経験は一度や二度ではない。その実績が認められ、学内でも比較的優遇されている。


 その顧問である由香も然り。何しろ、調理部が大会に勝ち始めたのは由香が顧問として入ってきてからなのだ。


 ただでさえ異性の目を惹くプロポーションに加え、調理部を優勝へと導いた実績。


 さらには誰にでも優しく親身になって話してくれる嫌みのないその性格は、異性のみならず同性からも人気がある。


 それが教師生徒関係なくというのも、また然り。特に思春期真っ盛りのの男子生徒からはそういう目を向けられ、女子生徒からは話しかけやすさからよく話しかけられ、と実に慕われている。


 生徒から相談を受けることも多く、それが由香は誇らしかった。教師というよりも、友達という感覚で接してくる生徒達に対して、もしかして教師らしくないかもしれないと思ったことは、あるのだが。



「せんせー、さよならー」


「はい、さようなら」



 片付けを終えた生徒達を見送り、ほっと一息。後は最終確認をして、帰るだけだ。残っているのはもう、由香自身と、もう一人……



「んお、どうしたの?」



 ポツンと一人残っている生徒は、何事か由香をじっと見つめている。はてどうしたのだろうか。そう思っていたが、やがて生徒は周りに誰もいないのを確認してから……



「あの、ちょっとお話いいですか……由香先生」



 こう、話しかけてきた。なんの用かはわからないが、断る理由もない。というわけで由香は……



「ん、いいよー。じゃあ帰りながら話そっか、リミちゃん」



 こちらを見上げてくる生徒……リミを見返して、答えた。澄んだ赤い瞳が、まるで鏡のように由香を映し出している。


 リミ・ディ・ヴァタクシア。校内二大美少女の一人として数えられている彼女は、由香とは少々容姿が違っている。


 それは腰まで伸びた白髪……など髪型の違いなどというものではなく、頭から生えたウサギの耳、これが全く違うものだ。逆に言えば、これ以外に大した違いなどない。


 自分より十も歳が下の少女なのに、羨ましい要素がいっぱい詰まっている。綺麗な髪、宝石のような瞳、雪のように白い肌……あぁ、いいなぁ。十代いいなぁ。



「先生?」


「ふぁっ! な、なんでもないよ!」



 不思議そうな顔をされてしまった。なんとかごまかせたと思うが、気をつけなければ。


 室内の戸締まりを済ませ、部屋を出る。下駄箱……ではなく、職員室に向かって二人で歩く。思えばこうして歩いたことはそんなにない。というか、話し掛けられることがない。


 あ、いや、話はするのだ。正確には……あんな真剣な顔で話し掛けられることは、あまりないだ。クラスも担当だし、部活の顧問だ。話す機会ならたくさんある。


 そのほとんどが、彼女の作った料理の味見であるが。


 由香はいつも、リミの味見は断らない。そんなことをすれば失礼だからだ。どんなにまずくても、断らない。


 不思議なのが、リミは別に変な作り方をしているわけではないのに、まずいのだ。


 こういうのはたいてい、自己主張の強い人が、オリジナルを入れてみました!と変なものを入れるからまずくなるというのがありがちだ。


 だが、リミはそんなことはしていない。レシピ通りに作っている。それなのに、まずい。


 もしかしたら味覚オンチなのかもしれない。リミは彼女自身の料理を普通においしいと思っているらしい。だがその他の料理はみんなと同じ感想なのだ。


 だから味覚オンチかも、はっきりとはわからない。



「えっと、準備してくるから、ちょっと待っててね!」



 職員室にたどり着きらリミを外に残して由香は中へ。部活が終わったことで、由香ももう上がりだ。さっさと準備を済ませて、リミと一緒に帰ろう。


 由香にとってリミは、単なる生徒の一人……だけではない。幼なじみ……彼と、深く関わりのある人物だ。リミ自身は彼に対して負い目を感じているらしいが……


 そんなに、気にすることもないだろうに。何しろ彼が、そう言っているのだから。


 リミの話というのは、多分彼のことかもしれかい……そんな直感を抱き、荷物を纏めた由香はリミの待つ外へ。



「お待たせ! じゃ、帰ろっか!」

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