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【リメイク連載中】目が覚めたら世界が異世界っぽくなっていた件  作者: 白い彗星
異世界召喚かとテンションが上がった時期が俺にもありました
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報酬はノープライスレス



 ルーアから明かされた、魔法部の活動内容。魔法を使ってのボランティア、なるほど大変素晴らしいものだ。素直にそう思った。……彼女から最後の言葉を聞かなければ。



「ほ、報酬って……」



 彼女ら魔法部は、依頼された仕事をこなす代わりに依頼料を貰っているのだという。そもそもそれではボランティアじゃないかとも思ったが、だからボランティア部ではないのかもしれないと納得もした。


 だが問題は、そんなごちゃごちゃしたところではない。一番の問題は……



「そもそも、新聞に載るくらい活躍してるっていっても所詮は部活だろ? いいのかよ、学校の部活で金取っちゃって」



 どれだけ世間に認知されていようと、あくまで部活というカテゴリー。だというのに、部活動で金を取るなんていいのだろうか。普通にダメだと思うのだが。


 それを聞いたところ、ルーアの答えは……



「こっちは生きるのに必死なんですよ! 金も貰わずボランティアとか世の中そんなに甘くないんですよ!」



 なぜかめちゃくちゃキレながら、こう返してきた。一人暮らしのルーアは、生活するためにアルバイトをしている。


 そのアルバイトとはつまり部活動によるボランティア活動で、そこで報酬をいただいている。


 つまり、アルバイト=部活動の報酬で得たお金を一人暮らしの資金に回しているわけか。なんだかとんでもないことを言っていた気がするが、触れないでおこう。


 ルーアの黒い部分を垣間見た瞬間だった。


 ただ、お金を貰わないからボランティアなのであって、そこが違うともうボランティアでもなんでもない気がする。



「えっと、報酬がルーアの生活費に当たるってことは……他の部員の報酬は? まさか山分けした中からやりくりしてるのか?」


「いえ、部員のみんなは純粋なボランティア精神でやっているので。私が一人暮らしをしているのも知っていますから、報酬は全部私のものになりますね」


「こんなこと言うのもあれだけど恥を知れよ!」



 部活動で得た収入(というのも変な言い方だが)をどうするのか……それは部員で山分けなどではなく、ルーアの一人取りのようだった。


 他の部員は純粋なボランティア精神であるらしいから、報酬は必要ないのだろうが……よくもまあそれで、部活動が成り立つものだ。


 ルーアの報酬総取りについて文句はないのか。それを問うたところ、曰く……



「むしろ進んで私に報酬をくれますよ。みんな私の家の事情少し知ってますからね。両親がおらず一人暮らし……そんな事情を持ついたいけな少女のためにみんな奮闘してくれてますよ。

 みんな、私のこと大好きなんです」



 こんな台詞が返ってきた。ルーアという人物……いやサキュバスは、思ったよりも自意識過剰な女の子らしい。確かに見た目だけならば、校内二大美少女であるリミとシェルリアにも迫るものがある。


 ただ、リミやシェルリアとは違いかなりの自意識過剰さだ。


 そんな彼女に、容姿については触れず……というより、部員がルーアのこと大好きという話題をスルーして話を続ける。



「しっかし……よくそんなんできるな。普通なら絶対ダメだろ……まさか、報酬とかって学校に内緒なんじゃ?」



 学校の部活で……というかそもそも学生がボランティア活動と称してその行いでお金を貰うことに許しが出るものなのか。許しが出るのは問題だが、出ないのも問題で……



「失礼な! ちゃんと学校や国の許可は得てますよ!」


「国!? そこまで!?」



 ……思っていた以上に重たい言葉が返ってきた。学校どころかまさか国という単語まで出てくるとは……完全に予想外だ。



「どうなってんのそれ。何してんのそれ。どうやったのそれ」


「ぶっちゃけ、リミ・ヴァタクシアのクラスメートだって言えばすんなり許可おりましたし」


「こいつっ……」



 平然と言ってのけるルーア。確かにリミは向こうの世界での姫様で、彼女の父親は王様に当たる。この世界じゃ大統領的扱いだと言っていた気がするが……それはどのみち、職権乱用では?



「……と、ここまでの話だと、まるで私が己が生活のためにクラスメートの職権を乱用しているように聞こえますが……」


「え、違うの?」



 ルーアに対して完全に冷めた目を送っていた達志だったが、そこに届いたルーア自身の彼女のフォローにさらに眉を寄せる。


 正直、今の話だけだと、ルーアに対する今後の接し方を変えなければならないと思っていたのだが。



「実は、これを提案したのはリミなんですよ」


「リミが?」



 そこに出てきた名前に、達志は目を丸くした。完全に予想外だ。てっきり、名ばかりのボランティア活動の発案者も、ルーアだと思っていたのだが。


 達志の驚きに、ルーアは「はい」と頷いて……



「魔法部の活動は初めこそ、魔法を成長させよう、って部活だったんですが……彼女が、せっかくだから人のために魔法を使ってはどうかと言ったんです。

 ……で、その際に依頼者に寄付金を募ろうという話になりまして」


「寄付金?」



 リミの発案……それはわかった。リミならば、むしろ無償で奉仕活動をと言いそうだが……



「リミも私の家の事情を知っていたのもありますが……ほら、タダより高いものはない、って言うじゃないですか。人はタダで何かしてもらうよりも、お金を払ってでも何かしてもらったほうが気持ち的に楽なんですよ」


「うーん……まあ、タダで何か貰うと後から何か変な要求されそうだし。その気持ちはわかるよ」


「えぇ、つまりそういうことです。それに、例えば魔物退治とか、業者に頼むよりも格安で受けてますし、そんな法外なお金取ろうってわけじゃないです。

 あくまで寄付金、ぶっちゃけノーマネーもあります。けど、基本お値打ち価格でやってますよ」



 寄付金というからには、魔物退治はいくらで請け負います、という方式ではないのだろう。あくまで、依頼者側の気持ちというやつだ。


 ……まあぶっちゃけた話、ここで達志かどう思おうと関係はないのだ。すでにルーアら魔法部の活動は国にも認められ、新聞に載るほどだ。


 それで続いているということは、つまりそういうことなのだろう。世間にも、認められていると。


 自身の部活内容について語るルーア。その様子は……お金を貰う貰わないを抜きにしても、魔法部が好きなんだなと思わせるものだった。

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