第十八話
「ピー! キープ無効です。村岡高校は試技を終了してください」
第二試技がついに終了した。結果は私達『村岡高校』の圧勝だった。
「すげー! 何だあの“化け物”は?」
「無名の新人あらわるだな! それにしても“デブ”だな」
「あの“肉団子”世界クラスだろ! 金メダルも夢じゃないぜ!」
マリコ先輩の驚異的な実力を見て、観客達は悲鳴にもにた歓声を上げていた。“化け物”とか“デブ”とか“肉団子”とか、もはや悪口にしか聞こえない言葉……というか完全に悪口が会場に飛び交っていた。
「うるせぇー! 黙れ! 殺すぞ!!」
マリコ先輩はよほどその罵詈雑言が気に食わなかったらしく、鼓膜が爆発するくらいの大声で観客を一喝した。会場は一瞬で静寂に包まれた。
「マリコちゃん、どうしてそんなに太ったの?」
開口一番、美咲先輩が天然爆弾を炸裂させた。
「…………」
つかの間の静寂はもろくも崩れ去る。平和とは、長くは続かないものだ。
「私は太ってない! これは筋肉よ!!!」
マリコ先輩は苦し紛れすぎる言い訳を言いながら、美咲先輩を怒った。会場は再びざわついた。
「とりあえず、マリコ先輩が来てくれてよかったです。マリコ先輩のこと信じて良かったです」
私は涙を流しながらマリコ先輩に感謝を述べた。
「奈々子、まだ泣くのははやいわよ。その涙は優勝まで取っておきなさい」
そう言うと、マリコ先輩は『ゴールドマリー高校』のゴリラ達をにらみつけた。
「ウホウホウホ!」
ゴリラ系女子達はひどく落ち着きがない様子だった。マリコ先輩の実力に焦りを感じているのだろう。
「な、なかなかやるじゃないウホ! こっちだって本気を出すウホ! 」
「そうよそうよ、私たちにはまだ“秘策”があるのよウホ! 第三試技は絶対に負けないんだからウホ!」
「ウホウホウホウホウホウホウホウホ!!!!!!」
そう言うと、ゴリラ系女子達は第三試技を始めるためにセットポジションについた。次の第三試技の勝者が2回戦へと駒を進めることができるのだ。いやがおうにも気合が入る。
「さぁ、私達も準備するわよ!」
マリコ先輩の号令と共に私達はそれぞれセットポジションについた。
「それでは第三試技を始めます」
ついに、勝負を決める第三試技が始まった。




