表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

第十五話


「続いて第2試技を始めます。先攻の『ゴールドマリー女子高校』は試技を始めてください」


 第2試技では先攻と後攻が入れ替わる。私達は後攻。後攻は先攻よりも圧倒的に有利だが、その有利な状況も今はただむなしく思えてしまう。それほどに、私は相手チームとの力の差を感じていた。


「ウホホホホホホホホ!!!」


 ゴリラ系女子C、いや、もはやゴリラCは、またもや軽々と<フィギア>を持ち上げる。





「ピー! キープ無効です。『ゴールドマリー女子高』は試技を終了してください」


「ウホォ!」


 そして、またもや10分11秒というとんでもないキープ時間で試技を終了した。


「奈々子ちゃん、たぶん『ゴリラ高校』の得点は45点くらいになるわ。私達がゴリラに勝つには、10分以上のキープ時間が最低限必要になると思う」


 美咲先輩も、相手チームはもはや人間のチームではなく、ゴリラのチームだと思っているようだった。


「……10分なんて、私1人じゃ無理です」

 

 正直、10分間1人で<フィギア>をキープし続けるなんて、現実的じゃなかった。一縷の希望もなかった。希望がない状態で、誰ががんばれるというの? 希望があるから、人はがんばれるんでしょ? 私はもう、がんばれないよ……。

 私は心の中で弱音を吐き、完全にあきらめてしまった。


「奈々子ちゃん! がんばろう!」


 しかし、美咲先輩はまだあきらめていなかった。


「先輩、もう、私達が勝つことは無理なんですよ。不可能なんですよ!」


「無理じゃない! 無理じゃないよ奈々子ちゃん!」


「美咲先輩、どこにそんな根拠があるんですか!! どこにそんな希望があるって言うんですか!!」


 怒鳴る私を見て、美咲先輩はやさしく首を横にフリフリした。そして、力強く私の眼を見て言った。


「私達にはマリコちゃんがいるじゃない! マリコちゃんが来てくれれば絶対に勝てるから! ね? もう少しでマリコちゃんが、必ず来てくれるから、それまでがんばろ!」


 ……そうだ、忘れていた。私達にはマリコ先輩がいたんだ。確かに、マリコ先輩が来る保証はない。例え来ても、ゴリラ相手に勝てるとは思えない。それでも、それでもまだ、“希望”はあった! 人間というのはほんとうに単純な生き物だ。わずかな希望があれば、それだけでがんばれるのだから。


「美咲先輩、私、がんばってみます!!」

 

「うん! がんばろう!」


 私は美咲先輩とハイタッチをして、セットポジションについた。


「続いて後攻の『村岡高校』は試技を始めてください」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ