第十一話
「奈々子ちゃん、しょうがないわ……棄権しましょう」
美咲先輩が悲しい顔で決断をくだす。私は嫌だ。あきらめたくない。
「……二人で戦いましょう。マリコ先輩が来るまで」
「え!? む、無理よそんなの! 私マリコちゃんがいないと正確に角度を測れないし、奈々子ちゃんだって1人で<フィギア>を支えなきゃいけないのよ。恥をかくだけよ」
「マリコ先輩を信じましょう! 絶対に、マリコ先輩は来てくれます!」
「……わかったわ。マリコちゃんを信じましょう」
かくして、私達は2人だけで一回戦を戦うこととなった。
私達の一回戦の相手は『ゴールドマリー女子高』。通称『ゴリ高校』である。『ゴリ高校』は、その名に恥じぬゴリラ系女子ばかりの学校であり、当然、優勝候補の一角である。
「何? あんた達二人だけで私達と戦うき? ウホ?」
ゴリラ系女子Aがいかつい顔で私達を見下してきた。
「ま、どうせ3人いても私達の相手じゃないウホ! 初戦は楽勝ウホね」
ゴリラ系女子Bがあきれた顔で、試合前の握手もせずにポジションについた。
「ウホ! ウホウホウホ!」
ゴリラ系女子C(一番でかくてゴツイ)がドラミングで威嚇してきた。いよいよ人間の所業ではない。
「あ、あんた達なんか2人だけで十分なのよ!」
私は精一杯の強がりを言ってから、セットポジションに着いた。
「それでは、第一回戦を始めます」




