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異世界の管理人  作者: 東風
第3章
42/47

42 龍頭領 Ⅱ


 トントントン

 「父様、柊です。今、いいですか。」

 「桃香もいますよ~ん。」


 「うん、いいよ。入っておいで。」


 返事を聞いて、僕は桃香と父様の書斎に入った。

 今日は父様に、私たちが住むこの龍頭領について聞きに来たのだ。

 質問は僕。桃香は時々聞きたいことがあったら聞くみたいだ。

 最初はお祖父様に聞こうかな、と思ったけれどお祖父様は結婚してから龍頭領に住むようになったから、幼少期からってなったらお祖母様になるし、領の運営に関しては父様も大体は知ってるだろうからね。

 お祖父様には父様より聞く機会はあるからね(稽古の時とか)。桃香は今もよく一緒に時代劇を見ているから、そういうときにでも聞くんじゃないかな。

 お祖母様には、聞きたいことがあった時に聞きにいこうと思っているよ。



 「今日は龍頭領について聞きたい、ってことでよかったかな?」


 「「 はいっ。 」」


 「そうだねえ、じゃあ何から話そうかな。

  この領が、大きく発展したのは、お祖父様たち、君たちにとっては曾お祖父様たちの頃からだね。

  わかりにくくなりそうだから、寅お祖父様のように名前を付けて話すことにするよ。

  櫻お祖母様の父親の代までも、この領は民を()えさせない対策は取ってきていたんだよ。

  それが、寅お祖父様と櫻お祖母様の代になって、色々なところに手を入れていったんだ。

  2人の目標は、“民が安心して笑顔で暮らせること”だった。

  だから、それに必要なモノは何かを考えて改革していったんだ。その際、変える必要があるモノと変えないモノをしっかり精査して決めていった。

  昔はいくつかに分かれていた領が、櫻お祖母様の父親の代に一つになったばかりだ。今後のためにも、全体的に作り直そうと思ったんだろうね。

  本当に多岐(たき)にわたっていて、聞いたらビックリするよ。想像以上に大変だったと思うよ。

  2人の後、辰お祖父様と梅子お祖母様が引き継いで、今の龍頭領がある。

  それでもまだ、2人の目指すところまではいってない。父様たちも頑張るつもりだけれど、その後は君たちに任せることになるだろうね。

  今、父様たちがやっていることを聞いて、その後必要なモノは何なのかは君たちが考えるんだよ。」


 「「 はい。 」」


 父様は、何から話そうかと少し考えて話し始めた。


 「寅お祖父様と櫻お祖母様は5年後、10年後だけではなく、子どもや孫の代まで考えて町作りに着手したんだよ。

  寅お祖父様は冒険者として異世界も見てきていたから、当時のこの領より文化が進んでいる町も知っていたみたいだね。遅れている所もあったみたいだけれどね。

  そういう知識も参考に、当時のこの領でできること、将来的には可能にしたいこと、などを色々と考えていたみたいだよ。

  そして、当然ながら色々やるにはお金がかかる。

  それを手助けしたのが、櫻お祖母様だ。


  お祖母様は、お菊さんが導き手だからなのかは分からないけれど、お金の流れが分かったみたいだね。

  それで、株なんかで儲けたお金を資金として大分提供していたようだよ。

  領からも当然出していたけれどね。

  そうやってお祖父様とお祖母様の時に、今の領の(もと)になる形を作ったんだよ。


  そして、お祖父様が立ち上げた各種産業をネットワーク化したのが母さん、梅子お祖母様だよ。

  お祖母様に色々アドバイスしながら協力していたのは父さん、辰お祖父様だけどね。

  辰お祖父様は、若い頃に国内だけでなく世界のあちこちを旅して回っていたみたいだからね。

  その経験で得た知識を、お祖母様たちと話し合いを重ねながら活用したんだね。

  それによって領内の産業が上手く回るようになっていったんだ。


  そして今、父様たちは領内や国内だけでなく世界にネットワークを作っているんだよ。」


 さて、今の龍頭領は5つの区からなっている。

 中央区と東西南北の4つの区だ。


 龍頭領の中央に領全体へ指示を出すような場所(今の中央区だね)を置くことは、割とすぐ決まったんだって。

 今の北区以外のことをどうするかについて、考える必要があったみたいだ。

 もともと神代家が領主として治めていた場所(今の北区だね)は、人が住んで問題ない場所にしか町を作ってないからね。

 どういうことかって?

 んー?どう説明したらいいかなあ・・・?

 神楽山には樹海があるんだけれど、ここには一般の人は立ち入り禁止にしている。理由は危ないからだ。

 だから、当然こんな場所には人は住めない。

 これは分かるよね?

 ただ、樹海ほどではないけど、住まない方がいいって場所はあるんだよ。

 地盤が弱かったり水害が起こりやすかったり、とかね。

 神代家の領では、そんな場所は最初から住む場所からは除外していたんだよ。

 その他には、野生の動物が生活する場所と人が生活する場所もしっかり分けてた。

 でも、他の領はそうじゃなかった。

 だから、神代家が治めるようになると、最初にするのが住むのに適している場所かどうかを確認することだ。これを踏まえて町作りをするからね。


 南区に一般の人が住んでないのもそのためだよ。

 あそこは、区のほとんどが山だ。崖崩れしやすい場所もある。そういう所は定期的に点検が入ってるし、地質に合った管理がされている。

 うーん・・・、それと一部には瘴気が出やすい場所もあるんだよね。絶対に行かない方がいい場所だ。

 だから、南区は研究所関係の施設中心で、後は各管理事務所があるぐらいだ。

 ただし、山の一部は冬期のみスキー場として開放されている。スキー客の宿泊施設なんかもある。

 でも、本当に冬期のみだ。それ以外は閉鎖されるからね。入るのは管理のためだけだ。

 この山は、野生動物の生息地にもなっている。

 山の大半を野生動物のために使っている。人が住む場所と明確に分けているんだよ。

 それ以外の場所に出てきた場合は狩るようにしている。当然、人も勝手に入らないようになっている。勝手に入って被害に遭っても、それは自己責任となる。

 一応、どんな生き物がどのくらい生息しているかは、毎年確認されている。植物についても同じだ。分布図も作製されているよ。

 ある動物が増えすぎたり、(えさ)となる植物が減ったりした場合は、対策が必要か検討されるからね。状況によって、ハンターが山に入ったり、餌となる物を山の何ヶ所かに投入したりする。山から動物が下りてきて人に危害を加えたらマズいからね。

 だから、しっかり分けているんだよ。


 他の2区、東区と西区については、住むのに適している場所とそうではない場所を確認したのは勿論だけど、それぞれの場所の土地柄や風土も考慮して町作りがされている。

 東区に昔あった領は、織物が盛んな場所で腕のいい織り手も多かったけれど、それを扱って商売する者も多かった。

 だから今でも商売の町って感じだ。ファッションの町って面もあるけどね。


 西区がある場所は、昔から鉄鉱石の産出地だった。

 西区の近くの島からは今でも鉄鉱石が採掘されている。橋が架けられトラックで運べるようになった島もあるけれど、今でも船を使っている島もある。

 だから西区は工業の町として発展してきたんだよ。


 龍頭領は「民が安心して笑顔で暮らせる」ようにしたかった。だから当然「衣食住」の確保は絶対だ。

 領全体で「自給自足」できるように、を目指した。

 全体を5区に分け、人が住める場所の確認と、どこでどんな産業を行うかなどの分担を行い、区画整理を進めてきたんだ。

 もともと神代家が治めていた場所は、大体その考え方で町作りが行われていたんだけれど、新しく入ってきた領地はそうじゃなかったから、一部計画を変更した所もあったみたいだ。

 それでも場所ごとに、短期・中期・長期で計画を立て、今の形にしてきたんだ。

 だから、今のところはまだ大丈夫だけど、宅地にできる場所は決まっているから、そこが埋まったらそこまでってことになるね。

 この領では、宅地を広げるために田畑を宅地に変えたり、山を削ったりすることは禁止されているからね。

 なぜ?って、「自給自足」ができなくなったり、生態系が壊れたりするからだよ。

 この領は、人が住むのに適していない場所(南区のように活用できる所は使ってるよ)を最初に外して、それ以外の場所を「自給自足」していけるように割り振って区画整理していってるんだ。

 それが崩れたら、「民が安心して笑顔で暮らせる」領にはならない。

 だから、土地の売買についてはチェックや罰則が厳しくなっている。


 ああそれと、もともとの神代家が治める領には税金以外にも秘密の資産もあるんだ。

 それは何かというと、僕たち冒険者の働きに対する報酬だ。

 僕たち冒険者は要請があれば(今は月兎さんからだね)、こちらの世界から異世界に召喚された人や迷い込んだ人を、異世界に行って助けることになる(状況によっては連れ帰らないこともある。(まれ)に、だけどね)。

 この仕事は危険を伴うことが多いから報酬も物凄いんだよ。大体、宝石の原石が多いかな。

 僕は、桃香と一緒に解決(?)した2回目の異世界での事件(?)の後、初めてもらったんだけど・・・。

 普通は15歳以降なんだけどね。


 ある朝、起きたら机の上にゴロゴロっと2つ大きな石があったからビックリしたんだよ。

 すぐに蓮が説明してくれたけどね。

 僕や桃香が物の価値が分かるようになるまで待っててくれたんだって。

 桃香の机にもあったみたいだけど、「ゴロゴロしてて邪魔っ。もっとカワイイのならよかったのに~。」って言ってたら、翌朝、金色の狐の置物と青色のウサギの置物に変わっていたらしくて「うひょー、カッワイ~イ」って喜んでたよ。桃香のは金塊とサファイアの原石だったみたいだ。

 今でも桃香の机の上にあるよ。

 盗まれないのかって?

 まあ、桐葉がいるから大丈夫なんだけど、外部の人が部屋に入ったら見えなくなるように大吉がしているみたいだよ。

 僕の?僕のは、代々の冒険者たちの報酬が置かれている場所に一緒に入れてるよ。これらは領の資金が足りなくなった時などに換金して使われていたみたいだ。

 管理は導き手たちがやってるから盗まれる心配もないしね。


 ついでに、父様の兄弟についてだけどね。

 父様は4人兄弟で、全員冒険者だ。

 お祖母様たちは松竹梅(松子、竹子、梅子)の3姉妹なんだけど、父様たちは春夏秋冬なんだよね。

 父様が長男で春樹(はるき)。龍頭領にある(株)KAMISHIROの本社社長だ(会長は梅子お祖母様)。導き手の北斗さん(黒豹(クロヒョウ))が秘書をしている。


 次男の夏海(なつみ)叔父さんは(株)KAMISHIROの亜州担当。専門はホテル業界で、世界中を飛び回っている。和国の経営難に陥っている旅館の立て直しなんかもやっているよ。父様が和国を離れるときは、代わりに龍頭領に戻って来ることが多い。導き手は(かめ)翡翠(ひすい)さん。翡翠さんも秘書だね。この翡翠さん、緑色の亀なんだけど、甲羅(こうら)()がれるとホントに翡翠になるんだよね。いつだったか僕と桃香にくれたんだ。まだ、持ってるよ。


 三男の(あき)叔父さんは(株)KAMISHIROの欧州担当で英国に住んでる。経営コンサルタントが専門で、(株)KAMISHIRO全体のチェックも担当している。

 導き手は白い(ふくろう)(ふく)さんで、福さんも秘書だね。


 四男の冬馬(とうま)叔父さんは(株)KAMISHIROの北米と南米担当。なんだけれど、大体は北極や南極周辺で色んな研究をしていることが多いかな。導き手は桐葉と同じ狼の(ゆき)さんだ。雪さんは秘書と言うよりボディガードって感じなんだけれど、けっこう仕事の補佐もやってるみたいだから・・・・・・難しいね。ああ、秘書やボディガードの時は皆人の姿になっているよ。


 父様は「領内や国内だけでなく世界にネットワークを作っている」って言っていたけれど、少しはお祖父様の時からやってたみたいだから、より広く強くしていってるってことだね。


 とりあえず僕は、現状を直接見ることから始めることにするよ。


 さて次は、何かな?


 「そして、寅お祖父様が目指したのは、女性や子どもが安心して暮らせる環境を作ることでもあったんだ。

  寅お祖父様が、櫻お祖母様や3人の娘たちを大切にしていたことは知っているよね?


  寅お祖父様の時代は、まだ男女平等なんて言葉はなかった。女性は家の跡取りにもなれない時代だったからね。

  だから、一人娘だった櫻お祖母様の婿養子になった寅お祖父様が跡取りになったんだよ。

  寅お祖父様は、そんなところも変えたかったんだよ。男女関係なく適性がある者が跡取りになれるようにね。


  そのために、男女関係なく学びたい者は学べるようにしようと思った。

  それが今の高等部までは無料で学べる、に(つな)がっているんだよ。

  成人になっていても、高等部までは無料で学べるようになっているよね。

  これは、学びたかったのに学ぶ機会を与えられなかった人に配慮してのことだ。


  でも、大学以降は有料にした。

  なぜだと思う?」


 「うーーん ・・・? 」

(桃香が腕組みして(うな)ってるね。いつの間にか、ちゃんと腕組みもできるようになって ・・・ 何かジーンと来るものがあるね『おい、柊。何(ひた)ってんだよ』。ああ、父様に聞かれてたね。)


 「父様、それは領の者は、できるだけ外部の大学に行けと言われることと関係がありますか?」


 「うん。無関係ではないね。

  では、柊は外部の大学を(すす)められるのは、どうしてだと思っているのかな?」


 「そうですね・・・領の外に出て視野を広げるため、ですかね。」


 「なるほど。それも間違いではないよ。

  寅お祖父様は、教育は自分への投資でもあるのだから、高等教育は有料でと考えられたのだよ。

  高等部までの学習を終えたら基礎学力としては十分だろう?その後は、各自で自分の目標とする生き方に合わせて考えよ、とのことだよ。

  それに、無料にばかりすると当たり前と思って、その価値が分からない者も出てくるのではないか、とも思われたようだよ。

  それと、無料にすると外部から受け入れにくくなるのではないか、とも考えられたようだね。

  何しろ、高等部まで無料というのは、この領の税金と卒業生からの寄付で成り立っているのだからね。」


 「そういうことですか。」

 「ふーん、そうなんだあ。」



 僕は父様の話を聞きながら、この領の学校で学べることや働く環境について思い浮かべていたんだ。 


 僕たち兄妹が通っている青北(せいほく)学園は小学部から大学部まである。敷地内は小学部、中等部と高等部、大学部に分かれている。

 大学部は広い道路を挟んだ向こう側にあって、大学部の近くには研究所も各種専門学校もある。学術都市って感じの所だ。


 この学園の特徴としては、小学部から飛び級もできるが留年もあるってところかな。

 これは創立当初から変わらないみたいだ(ああ、最初から共学だったみたいだよ)。

 各学年で身につける内容は、しっかり身につけて上の学年に行かないと、翌年の授業は本人にとってもっと辛い時間になるだろうから仕方ないね。

 不合格になったのが1教科くらいなら、その教科だけ下の学年で再度学ぶこともできる。


 他には、そうだねえ・・・・・・。

 龍頭領では、お金が無くても学校に行けるって言われているけど、まあそれは本当だ。ただ、全くお金がいらないってわけでもないんだ。

 どういうことかって?

 確かに学費はいらない。寮費と食費もいらないね。

 ただ、教科書は使い終わったら回収される。

 教科書って捨てる人多いよね。それなら回収して再利用しようってことだろう。

 持っておきたいという人は、必要な教科書だけ買い取りになるね。1冊100円もしないんじゃないかな。

 もし、途中でなくしてしまったら2冊目は有料だよ。本来の値段で自分で購入だよ(当然だよ。物は大事にしないとね。ああ、この場合は回収の対象にはならないよ)。やむを得ない事情があってなくなった場合は、再度無料だけどね。


 学用品も入学時1回のみ無料だ。

 そして、制服や体操服なんかも卒業時に回収となる。

 これらもリサイクルされるんだよ。

 2回目以降は全て有料になるんだけど、経済的に苦しい生徒はどうするの?って思うよね。

(ああ、小学部低学年の生徒については、ホントに全て無料だよ。)

 ここは、学園内で生徒が自ら働いて必要な物は手に入れられるようになっているんだよ。

 学園内でアルバイトができるようになっているんだ。

 外部でのアルバイトが許可されるのは、高等部になってからだけどね。


 アルバイト専門の窓口に申し込めば、小学部3年以上の子からできるようになっている(できそうなモノにしてくれるからね)。

 授業をサボって、は当然ダメだけれど、空いている時間はOKだ。

 アルバイト先は、学園内の色んな施設だね。

 売店、食堂、学生寮、図書館、農園、保育園などだ。

 この学園は飛び級があるって言ったよね?

 夏休みや冬休みの前に、希望すれば単位認定の試験が受けられるようになっているんだ。これに合格すれば、その日以降は合格した科目は授業に出なくてもいいようになっている(空き時間が増えるね)。

 生徒の中にはどんどん先を勉強して単位を取っていく者もいるから、同じ学年であっても進度はかなり違う。

 図書館には、小学部から高等部までの全教科書があるから自学もできるしね。

 小学部の高学年からは、自分で時間割を組んでもいいようになっているから、教科によっては上の学年の授業を受けることもできる。(ああ、低学年のうちは集団の中で社会性の基礎を身につけさせるため、ってことで同学年内で過ごすことが推奨(すいしょう)されているよ。)


 自分で時間割が組めるようになると、特に必修の教科や科目が先に進んでいたりすると、選択できる教科・科目を多く入れられるんだ。

 この学園には、資格が取れる授業も多いから、そんなのをたくさん取れば、色んなアルバイトができるし、バイト料も高くなる。

 しかも、学園の敷地内だから、時間を有効に使えるし、安全でもある。

 また、高等部専修科の生徒たちが実習に行く会社や施設なんかも近くにあるから、高等部の生徒たちはそういう場所がアルバイト先になることもあるよ。


 だから、高等部までだったら頑張れば自力で卒業できる。

 卒業後の進学についても方法はある。

 経済的に苦しくて領外に出られないって生徒は、高等部までの成績が良ければ、領内の大学等への進学試験を無料で受験させてもらえるし、受験時の成績が良かったら全額免除で入学できる。

 領外に行きたい場合は、領内の会社の奨学金で行けることもある(給付だから返す必要もない)。毎年いるけど、人数は多くないよ。

 ただ、本人にやる気があれば、チャンスもあるってことだ。



 曾お祖父様は娘でも跡取りになれるようにしたんだけど、お祖母様はならなかったんだよねえ。

 理由を聞いたことがあったんだけど・・・。


 「領主会議で頭の固いジジイどもの顔を見たくなかったのよねえ。

  だって、楽しくないじゃない?」


 と答えて、ホッホッホと笑ってた。


 「そうねえ。柊と桃香たちの時代になったら、大分変わっているでしょうねえ。」

 と、お祖母様は僕たちを見た。


 「えっ?領主?」

 って、目をパチクリさせているけれど、桃香、神代家は今も領主なんだよ。

 この領は、曾お祖父様が領主だった頃から合議制で領政を行うようになったから、「領主様」って呼ばれていても「昔の名残(なごり)かー」ぐらいに思っていたみたいだけどね。


 「兄様、よろしく~~(メンドイッ)。

  ガンバッテネー。桃香、応援してるよっ。」


 桃香、即答したね。面倒(めんどう)とでも思っているんだろうな。しょうがないな~(カワイイけど)。

 兄様は桃香が楽しく過ごせるようにガンバルよ!

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