約束
フレイヤ「まず、殺したり情報を盗むにしても条件がある。」
君山「敵の言うことを聴けなんてバカみたいなこと言うな」
フレイヤ「これはたがいのためだよ。私は君が裏切り者だってことは言わない。それに他の管理者にも言わないように約束をさせる。」
君山「信用できるわけないだろ。」
フレイヤ「確かにね。でも、信用できる要素はあるよ。」
君山「なんだ?」
フレイヤ「君の仲間たちの居場所だ。やつらを追うために機関の人間は僕たちに情報の開示を要求していた。だが私は君に興味があったから言うことはなかった。だから今も君の仲間は生きている」
君山「それは確かなのか?」
フレイヤ「あぁ。」
信用のできることではない。
でも、今は信用するしかない。
君山「いいだろう。で、俺に対しての条件はなんだ」
フレイヤ「簡単だよ。補佐としての仕事をする。って言っても毎日朝と夕方に新聞を持ってくることと私の指示した番組を録画しダビングして持ってくるだけだ」
君山「それだけか?」
フレイヤ「そうさ」
君山「いいが…それならモノリスで調べれば良い話だろ」
フレイヤ「そうできれば簡単なんだけどね。もっともここの情報は一定数の人間に定着することでやっと情報が更新される。そうじゃないと常に情報が更新されてモノリスがパンクするからね」
君山「なるほど…ってことは新聞やテレビよりラグがあるのか。」
フレイヤ「そうそう!物分かりが良いね。」
君山「だったら逆にモノリスから情報が無くなることはあるのか?」
フレイヤ「あるよ。」
君山「どんなときだ?」
フレイヤ「こんな言葉を知ってるかい?」
「人が死ぬのは人に忘れられたときだ」
君山「知ってるもなにも有名なマンガの名言だろ」
フレイヤ「そうだよ。それ同じで定着した情報が一定数以下で忘れられるとモノリスからも情報が削除される。最近死んだ人間はしばらくの間は常に情報が更新されているけど、日が経つと風化し忘れ去られモノリスからも情報が消える。こうしてこの世界から本当に居なくなるのさ」
君山「そんな単純なシステムなのか。」
フレイヤ「大きな力を持つものほど単純なものさ」
君山「一定数ってのは何人くらいなんだ?」
フレイヤ「それは情報の大きさによるよ。小さいものは覚えている数が多くないといけない。大きいものは少なくても構わない。」
フレイヤ「例えば世界の平和を守る機関の元幹部の人間が幼い少年少女を育て反逆するためにいたなんてことは世界でも大きなものだ、それは少ない人間が覚えていればモノリスに情報が残る」
君山「そこまで知ってるのか」
フレイヤ「モノリスは重要な出来事、多くの人へ影響を与えた小さな出来事。こうして情報の整理を行っているんだよ」
君山「それはわかった。」
フレイヤ「そうそう!あと期限は儲けるよ!そうしないと慎重すぎて進展がなくなりマンネリ化するからね。」
君山「期限なんて何百と生きるお前に関係あるのか?」
フレイヤ「なにいってるんだよ。私は17年しか生きてないよ。」
君山「ちょっと待て…管理者はモノリス創設時から変わってないはずだろ?」
フレイヤ「中身はね。でも人間とは面倒なもので体は朽ちていく。そうなる前に魂を新しい体に移すのさ」
君山「シャーマトリマムの技術を使ってるのか」
フレイヤ「そうさ。私は他にも7つの技術で縛られているのさ」
君山「そうか。じゃあ期限はお前の体が朽ちるまでか?」
フレイヤ「それだとながすぎるよ!」
君山「だったらいつまでだ?」
フレイヤ「そうだね…このままだと半年…いや…3ヶ月だね」
君山「ん?なにか別の事情があるのか」
フレイヤ「今こうして喋っているのはこのからだの本当の持ち主である私だ。そしてシャーマトリマムによって入れられた管理者の魂…いや、これは魂というにはあまりにも機械的すぎるな。まぁとにかく私と管理者が融合する期間が3ヶ月ってところだ」
フレイヤ「そして融合してしまうとただ管理をするためだけに生かされている屍になる。そうなってしまえば上層部は君のお仲間を探すために動き出すだろう。」
君山「仲間に関しては厄介だが…でも、お前は本当にそれで良いのか?それじゃあお前が死ぬってことだろ?」
フレイヤ「それは考えないようにしてるよ。私は生まれたときからその運命を決められてるのだからね」
君山「おまえ…」
フレイヤ「だからこそ!君とは3ヶ月しか相手をしてあげれないのさ!これは君にとってもチャンスなんだよ!さぁ君山管理補佐管!」
「勝負だ…偽物の平和に声をあげる者と偽物の平和を守るの物のね」




