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タイの物語  作者: Shadow
第I部:第II部:過去の根源と真実
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第38話 ― ここはどこだ

皆様にとって楽しい読書です

ニノを——自分の手で埋めた。


墓を見た。

自分の手を見た。

爛れていた。裂けていた。


後ろから警官たちが近づいてきた。

踏み出そうとした。

その中の一人が止めた。


「待て。銃を下ろせ。俺が行く」


慎重に近づいた。

真後ろに立った。


俺の背中を見て——息を呑んだ。


「この傷跡は……お前は本当に人間か」


触れた。

答えなかった。


前に回り込んだ。

顔を見た。

顔が固まった。


手を振った。

答えなかった。


男の顔が——悲しくなった。


肩を支えるように掴んで言った。


「事情を聞かせてもらう」


縛らなかった。

そのまま連れていかれた。


――――


警察署に着いた。

取調室に入れられた。


最初に入ってきたのは俺を連行した警官。

続いて刑事が二人。


一人が前に出た。

「名前は」


目の前に座っていた。

答えなかった。


振り返り、警官に言った。

「何が問題だ」


「爆発した屋敷の中にいた」


また俺を見た。

もう一度聞いた。

答えなかった。


「しゃべらない奴を連れてくるな。取調中に殺しそうだ」


出ていった。


もう一人が前に出た。

「名前は……聞こえているか」


ポケットから紙とペンを出した。

「しゃべれないなら書いてくれ」


差し出した。

書かなかった。


怒鳴った。

「なぜしゃべらない。しゃべれないのか。なら書け。書けないなら——どうやって俺たちと話す気だ」


ドアを叩きつけて出ていった。


俺は像だった。

動かない。しゃべらない。

ただ——見ていた。


廊下で声が聞こえた。

「もう行かない。しゃべらない、書かない。どうやって引き出す」


警官が静かに言った。

「あいつは……死体を抱えて歩いてきた。素手で墓を掘った。道具を使わなかった。自分の上着とシャツで包んで——また埋めた」


沈黙。


刑事が言った。

「……分かった。もう聞かない。俺があいつの立場だったら——一緒に埋まってた」


足音が遠ざかった。


――――


留置場に入れられた。

「証拠がない。明日には出られる」


ドアが閉まった。

電気が消えた。


かつての自分に似た場所だった。

だが今は——檻だった。


床に横になった。

目を閉じた。


――――


夢を見た。


闇が俺を飲もうとしていた。

別の闇に沈んでいった。


手を伸ばした。

サカに。ニノに。


二人の手が——遠ざかっていった。


遠くに別の闇があった。

迎えるように、開いていた。


逃げようとした。

飲み込まれた。


――――


誰が首謀者だ。


裁判官を殺した。

医者を殺した。

弁護士を殺した。


全員、殺した。


……待て。


学校の警備員——あいつが首謀者か。


馬鹿げている。

だが……あいつはいつもいた。

どこにでも現れた。


俺を知っていた。

俺を見ていた。

法廷で——俺の無実を証明した。


あいつだ。


畜生。

畜生。

畜生。

畜生……


涙が出ている気がした。

見えなかった。


全部あいつだった。

最初から。


無実の顔をして。

俺の大切な人間を——全員、殺した。


もう一度会えたなら。

必ず——


突然、空間が白くなった。

倒れた。


――――


顔から落ちた。

起き上がろうとした。


見知らぬ空白だった。

誰もいない。何もない。


影が現れた。

黒い。輪郭がない。

影そのものだった。


近づいてきた。

俺の手を握った。


「学校の警備員が勝ったのは——お前が知らなかったからだ」


じっと見た。

何も見えなかった。

近いのに——何もなかった。


「……そうだ。俺がいなければ、二人は死ななかった」


突然——影の目の位置に、白い円が二つ浮いた。


怖かった。

逃げようとした。

手を離さなかった。


低く、恐ろしい声で言った。


「行け。旅はまだ終わっていない。守るべきものが——救うべきものが、まだある」


話しかけようとした。


両手で突き飛ばされた。


一瞬——影が俺の顔になった。


床が消えた。

深みへ落ちていった。


――――


ゆっくりと目が開いた。


別の世界にいた。


――――


部屋だった。

周りに人がいた。


見渡した。

自分の手を見た。


鎧がついていた。


少女が近づいてきた。

どこか頭のゆるそうな雰囲気だった。


「はじめまして。ミウラ・サジニといいます。よろしくお願いします。盾の勇者様、一緒に戦いましょう」


盾の勇者。

俺が——そうらしい。


この娼婦は何もかも話して、俺が受け入れると思っているらしい。

全く信用できない。


少女の後ろから兵士たちが入ってきた。

部屋を囲んだ。


王が入ってきた。

剣の勇者、書の勇者、槌の勇者に——金貨の袋を二つずつ渡した。


俺には——小さな袋を投げた。

物乞いに投げるように。


拾った。開けた。

銀貨が三十枚。


近くの兵士に聞いた。

「銀貨三十枚はいくらだ」


見下した目で言った。

「金貨一枚分だ」


唾を吐きかけてきた。


何も言わなかった。

受け取った。


――――


王が他の勇者たちを連れて城を見せ始めた。


少し離れた。

そのまま出た。


剣の勇者が気づいた。

追いかけてきた。

肩を掴んだ。


「どこへ行く」


手を払った。

顔を見なかった。


「関係ない」


「俺たちは同じ世界から来た。力を合わせなければ」


振り返った。


「失せろ。お前たちは全員、俺には赤の他人だ。同じ世界から来たかどうかなんて関係ない。失せろ——気分が悪い」


煙草を取り出した。

火をつけた。


勇者が怒った。

シャツを掴んだ。

拳を固めた。


見た。

深く吸った。

煙を——顔に吐きかけた。


噎せた。

手が離れた。


踵を返した。

城を出ようとした。


また肩を掴まれた。


振り返った。

その手を握った。

ゆっくりと——締めた。


苦痛が顔に走った。


手を離した。

目を見た。


「生きたいなら——消えろ」


勇者は黙った。


俺の目を見た。

俺の顔を見た。


片目だった。

その中に——光がなかった。

顔中が傷跡だった。


――――


必要なものを買える場所を探して歩いた。


ふと——ニノが見えた気がした。

見知らぬ世界を駆け回り、喜んでいた。


足が重くなった。

倒れそうになった。

涙が一筋、落ちた。


でも——消さない。

ニノのことを、ずっと。


――――


宿を見つけた。

食事付きの部屋があった。


値段を確認していると、あの娼婦が来た。


「私も一緒に泊まる部屋を」


断った。


「親に金を出してもらえ。知らない人間に金は使わない」


娼婦は俺を見た。

それから笑った。


「分かりました」


部屋代を払った。

夕食がついていた。


隣の部屋に娼婦が泊まっていた。


ドアをノックした。

返事がなかった。


入った。

誰もいなかった。


荷物を確認した。


出てきたのは——


写本。

毒。

ナイフが二本。


殺すつもりだ。

他の勇者たちは気づいていない。

最後には全員、始末するつもりだ。


部屋を出た。

ドアを閉めた。

階下へ降りた。


――――


娼婦が食事に毒を盛っていた。


笑った。


やはり生きていられる気がしなかった。

誰もが理由もなく俺を憎む。


最初から誰もいなかった。

やっと二人、見つけた。

両方、失った。


この世界も——同じらしい。


煙草を取り出した。

火をつけた。


それから娼婦に向かって叫んだ。


「おい、そこ。俺より先に食うな」


テーブルへ向かった。

給仕とぶつかりそうになった。

よけた。

隣のテーブルに当たった。


飲み物が倒れた。


大きな男が立ち上がった。

怒っていた。


「このろくでなし、弁償しろ」


頷いた。


「残念だが——今は金がない」


「なら体で払え」


「勇気のある言葉だ。それは娼婦に言う言葉だぞ——お前みたいなやつにな」


店中がざわめいた。

誰もが喧嘩を待っていた。


男が殴りかかってきた。

屈んだ。

股間を蹴った。


膝から崩れ落ちた。


一瞬——痛みが分かる気がした。


屈んで顔に近づいた。


「店を壊した弁償はしたくないだろう」


目が滲んでいた。


頭を掴んだ。

持ち上げた。

テーブルで叩き折った。


静寂が落ちた。


仲間たちを見た。

煙草を取り出した。

男の首に——押しつけた。


待った。

誰も動かなかった。


「テーブルの代金を払って——出ていけ」


男を担いで金を置いた。

全員、出ていった。


――――


娼婦のところへ戻った。

怯えていた。


「殴らない。怖がるな。同じ側だろう」


緊張した声で言った。

「……はい。そうです」


席に着いた。

娼婦が食事を頼む様子がなかった。


「一緒に食わないか」


「いえ、それはあなたのものです」


微笑んだ。


「俺たちは同じ側じゃなかったか」


「そうですが……」


立ち上がった。

テーブルを叩いた。


全員が振り向いた。


「みなさん、今夜の飲み物は全員分——この女が払う。楽しんでくれ」


歓声が上がった。


娼婦が止めようとした。

声に飲み込まれた。


人々が俺を持ち上げた。


毒から逃げた。

支払いは娼婦に押しつけた。


安い手だな。

その程度では俺には効かない。


夜が更けた。

宴が終わった。

娼婦が全部払った。


――――


部屋に戻ろうとした。

娼婦がついてきた。

手を握ってきた。

胸を腕に押しつけた。


古い手だ。


頭を掴んだ。


「そこまでほしいなら直接言え。同じ側だろう」


不思議そうな顔で言った。

「そういうつもりじゃなかったけど……望むなら、いいですよ」


強姦犯にする気だろう。

勝手にしろ。


抱えた。

変な声を出した。


「まだ始まってもいない」


部屋へ運んだ。

ベッドに下ろした。


シャツを着ていなかった。

ズボンに手をかけた。


娼婦が固まった。

計画がどこへ向かうか、分かっていなかった。


上に座った。


首を掴んだ。

目を見た。


「いい夜になるぞ」


手を離した。

首筋に手刀を入れた。


気を失った。


——俺は娼婦には興味がない。

昔も今も。


娼婦を部屋に残した。

宿の管理人を呼んだ。


「あの女が呼んでいる。飲みすぎて寝てしまったが——行ってやれ」


管理人が笑った。

「てっきり彼女はあなたのものかと」


「娼婦には興味がない」


管理人がズボンを下ろしながらドアを閉めた。


俺は宿を出た。

笑いながら。


別の宿を探した。

そこで眠った。


――――


翌朝、目が覚めた。


夢じゃなかった。


俺は——別の世界にいた。


(第38話・了)

正直にお願いします:楽しんでいますか、そうでないですか?

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