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タイの物語  作者: Shadow
第I部:第II部:過去の根源と真実
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第二十二章 ― なぜ、こんなことに?

水のボトルを投げた。


……音。


遠い。


いや――近い?


どっちだ。


わからない。


音の方へ歩く。


足音が、飲み込まれる。


闇が濃くなる。


一歩。


また一歩。


何かが、俺を食ってる。


ゆっくり。


確実に。



……声。


叫び?


違う。


叫びじゃない。


叫びの“残りカス”。


それを追う。


道は一つしかない。


逃げ道も、選択も――ない。


つまり。


そこにいる。


サカが。


いるはずだ。



近づくほどに――


声が、消える。


なんでだ。


走る。


転ぶ。


立てない。


身体が拒否する。


考える前に――刺した。


針。



視界が回る。


床が、こっちを見る。


見てる。


見られてる。


どっちだ。



近い。


もっと近い。


――消えた。


声が。



違う声。


同じ場所。


違う声。



走る。


入る。



……ここは。


どこだ。



死体。


洗う場所。


匂い。


腐ってる。


いや、違う。


もっと――古い。



床。


血。


乾いてる。


濡れてる。


両方だ。



また声。


ここだ。


すぐ近く。



袋。


死体袋。


動いてる。


中で。


裂こうとしてる。



近づく。


切る。


裂く。



……子供。



若い。


小さい。


十四?


もっと?


わからない。



「名前は?」


「何してる?」



裸。


震えてる。


俺を見る。



「助けたの…お前?」



「……ああ」


「答えろ」



「俺は――」



爆ぜた。



頭が。



消えた。



……何だ?


今のは。



遅れて――理解。



爆弾。


中に。


仕込まれてた。



誰が?


なんで?



震えが止まらない。



……まただ。



さっきの子供。


また爆ぜる。


また。


また。


また。



止まらない。



気づけば――


焼却炉。



違う。


さっきと同じ場所。


でも違う。



匂いがある。


いや、ない。


ある。


ない。



引き出しを開ける。


中に――


同じ顔。


同じ子供。



頭が痛い。


割れる。


叫ぶ。



回る。


全部。



死体。


全部。


子供。


男。


女。


関係ない。



扉が叩かれる。


ドン。


ドン。


ドン。



頭の中で鳴る。


違う。


外だ。


いや――中だ。



開く。



出てくる。



……多すぎる。



六十?


もっと?



全員。


患者服。



こっちを見る。



「お前…」


「お前…」


「お前が…」


「やった…」



違う。


俺じゃない。



後退。



床が沈む。



飲まれる。



逃げられない。



囲まれる。



一人来る。


殴る。


倒れる。



……爆ぜる。



また。



止まる。


全員。



顔。


ない。


目が。


ない。



声が変わる。



叫び。



うるさい。


うるさい。


うるさい。



見えない。


聞こえない。



身体が終わる。



……暗転。



落ちた。



目を開ける。



……水。


ある。


飲んでない。



じゃあ――


さっきは?



どこまでが。


現実だ?



あいつか?


薬か?


最初から?



記憶が、崩れる。



喉が焼ける。


飲む。



投げようとする。



……やめた。



なんでだ。




立つ。



違う場所。



床がない。


ある。


ない。



歩いてる。


落ちてる。



同時に。



また声。



……また?


いつ聞いた?



疲れてる。


違う。


壊れてる。



進む。



廊下。


長い。



扉。


多い。



光。


上だけ。



一つ目。


開かない。



二つ目。


開かない。



三つ目。


開く。



入る。



……開かない。


全部じゃない。



押す。



詰まってる。



……死体。



閉める。



……開く。



勝手に。



後ろを見る。



何かいる。



見えない。



近づく。



見える。



デカい。



顔。


子供。



走る。



逃げる。



地面が揺れる。



扉。


開かない。



近い。



白い扉。



飛んできた。



潰される。



骨。


折れる。



息。


出ない。



血。



何か。


手に。



……唾液。



気持ち悪い。



笑ってる。



口。


でかい。



動け。


動け。



音。



カチ…カチ…



胸。


爆弾。



這う。


骨が鳴る。



前。


扉。


赤い光。



刺す。



死なない。



泣く。



近づく。



掴まれる。



笑う。



潰される。



ナイフ。


口に。



刺す。



中。



袋。



噛む。



落ちた。



重い。


上に。



……動け。



押す。


押す。


押す。



血管が裂ける。



ひっくり返す。



爆弾。


落ちる。



息が。


足りない。



走る。



扉。



閉める。



爆発。



飛ぶ。



暗転。



……声。



助けて。



動く。



痛い。


全部。



扉。


鉄。



開ける。



袋。



叫び。



開ける。



……死体。



違う。


聞こえた。


確かに。



また声。


奥。



近づく。



止まる。



静寂。



心臓。


うるさい。



赤い部屋。



また。


同じ場所。



匂い。



ある。


ない。


ある。



探す。



ない。



扉。


黄色。



開ける。



……見なければよかった。



医者。



子供。



頭。


開いてる。



脳。


見える。



吐き気。



瞬き。



目の前。



近い。


近すぎる。



叫び。



耳を塞ぐ。



無理。



医者が喋る。


わからない。



床。


近づく。



……落ちる。



目を開ける。



隣にいる。



子供。


脳。


そのまま。



医者。


メス。



見えない。



また暗転。



声。


中から。



「起きろ」



「時間がない」



……誰だ。



起きる。



……サカ。



行く。



……動けない。



鎖。



繋がれてる。



周りを見る。



声。



「やあ」



「やっと起きたか」



見る。



……ああ。



お前か。



あの店の男。



(第二十二章・完)

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