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未確認来訪者  作者: 1N0R1
第四章
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52/55

合唱

怪物の数多な触手と大きな口が迫る。

捌ききれない。

そう感じた瞬間足元が崩れた。

ああ、そうか、

身体はとっくに限界を迎えていた。

身体中の傷口から絶え間なく血が滲み出る。

「ハルト、ごめん」

後悔を呟いてももう遅かった。

怪物の影は既に迫っている。

ただ1人、目を閉じ死の瞬間を待つように、

__________

一瞬、されど確かに風を切る音がした。

目を開けば影に立ち向かう1人の姿が見えた。

能力者の影に覆われた静かな世界が

一瞬にして消えた。



***



「ガルド!大きな隙が生じた!今しかない!」

「ああ!分かっている!」

チームLの新人が崩した盤面に光が差した。

「全員一気に畳み掛けるぞ!」

ノエルとシオンが俺に続くように能力者へ向かう。

隣にはゼノン率いるチームAが、

そして別方向からは別のチームが、

死力を尽くして立ち向かう。

狙うのは心臓でなくてもいい。

両断できれば十分だ。

次々と続く俺達の猛攻が小さな触手から本体までもを両方させる。

「シオン!」

「任せて、心臓の位置は大方特定できた」

先程より小さくなった能力者が口を開き再び侵食を開始する。

だが、今度の標的は俺達みたいだ、

それに気づいたのは少し遅かった。

先程よりスピードを上げた触手が腕を掴む。

それの所為で半歩遅れた。

既に過半数が完全に拘束をされていた。

下手には動けない。

だが待っていても奴らは殺される。

どうすれば、

「僕に任せて」

ゆったりとした声でそう聞こえた。

「チームDのリーダーとして速攻で奪還する」

そう言った声の主人、レイが能力者へと向かう。

そうだ、動かなければ負け

単純な話じゃねえか

今まで以上に早い触手を掻き分けるように、叩き潰すように前へ進む。

向かうは奴の最深部、心臓だ

一歩ずつ着実に前へと進む。

捕まれば終わり

立ち止まれば終わり

さっきからずっとそうだった。

レイが前で触手を叩き潰していく。

ゼノンが裏に回る。

カリスが触手を防ぐ。

解放された奴らも各々の立ち回りで戦場に立つ。

血を流しながら、足を引きながら、

もう生き残る戦いじゃねえ

死んでも勝つぞ

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