表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未確認来訪者  作者: 1N0R1
第四章
47/50

責務

渾身の一撃のその瞬間、

怪物の肉壁が腕にまとわりつく。

すぐに振り払うが、

半歩遅れた。

案の定、斬撃が飛来する。

耳元で風が切り裂かれる音が重たく響く。

流石に部が悪い。

無数の斬撃と大きな化け物に対抗する術はない。

だから、

……だから今は生き残ることだけ考えろ。

飛来する斬撃を無我夢中で避ける。

腕を掠める風が血を流す。

血に飢えた化け物の大群がこちらに反応する。

一瞬でも長く生き残れ。

心臓さえ破壊すれば逆転できる。

怪物はより一層大きくなり、辺りの斬撃も勢いを増す。

チームBのリーダーとして、

組織の一員として、

俺として、

誰一人死なせない。

より一層数を増した斬撃が、化け物諸共こちらを殺しにかかる。

全ての斬撃が俺に向かう。

…やっぱり、俺は1人じゃ勝ちきれない、か。

再び能力者の方に目を向ける。


だが、それでもいい。


瞬間、能力者の後ろから1人の少年の影が現れた。

「ハルト、好きなように暴れな。」

刹那、能力者が振り向くよりも、そして斬撃よりも速い連撃が能力者を襲う。

「……予想より早かったな。」

頬を流れる血を拭い、能力者の間合いまで距離を詰めた。



***



もし、リーダーがいてくれたら、

この戦場で私は何度そう願っただろう。

リーダー、ナイが居てくれたらもうとっくにこの戦いは幕を閉じていた。

あの人は異次元だ。

一方、私はあろうことか能力者を取り逃した。

チームメイトは全員ボロボロだ。

身体中の痛みが胸を刺す。

私にはセツのような力も、アリスのような立ち回りも、アルタのようなスピードも無い。

この身体で立ち上がっても、

いや、立てるなら立つしかない。

まだ身体は動く。

「みんな、安全な所に避難してくれ。」

遠くから斬撃の音が響く。

「俺も行きますよ。リーダー。」

隣からセツの声が聞こえる。

ボロボロな身体でもまだ立ち上がる。

「私、まだ戦える。」

アリスも立ち上がる。

「リーダーのことは信じてます。だから、」

アルタが一歩前に出る。

全員の目の色が変わる。

「…分かった。全員、勝ち残るぞ。」

真っ直ぐ能力者の方へ向かう。

「アルタ。アリス。相手は今、他の人と交戦中だ。その隙を2人で突いてくれ。」

「分かった。」

「任せてください。」

「セツ。トドメは任せた。だが、あのデカい能力者の上で待機していると見つかるリスクがある。だから、下で待機していてくれ。それと、」

「分かってますよ。絶対に死にませんから。」

「頼んだぞ。みんな、幸運を祈る。」

各自、指定位置に向かう。

アルタが能力者に一撃目を与えた今。

作戦開始だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ