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未確認来訪者  作者: 1N0R1
第三章
33/50

群青

「…あの2人がそんな簡単に捕まる訳がないだろう?」

「2人?何を言っている?お前の仲間は4人もいただろ?」

マズいな、アーク達も捕まってる。

距離的に助けに行くのは無理だろう。

足が震える。

「……情報はそれだけか?」

「まだ立場は優位だと思っているのか?お前は想像以上に浅はかなんだな。」

「神を信仰するなら布教のチャンスだろ?」

「確かに本来ならそうだが、お前達だけは殺すように言われているからな。」

足に力が入る。

「……これ以上は情報は吐くつもりはないと?」

「これから死ぬ物に態々教えることなど何もない。せいぜいあの世で神を拝んでいろ。」

足に力をありったけ注ぎ込む。

「最後に言うことはあるか?」

多分、これでもう私は戦えなくなるだろう。

「じゃあ、最後にこれだけは言わせてくれ。」

能力者の目を見上げる。

疲弊し切った足に、未完成だった私達の能力を注ぎ込む。

力は貯まった。

覚悟も決まった。

だから、この一撃に全てを賭ける。

一生にも思える一瞬で私は全てを預けた。

「君のデータは実に興味深い!」

本当に一瞬だった。

一瞬で私の足は結晶を砕き、能力者の首を刎ねた。

振り上げた足に遅れて轟音が鳴り響いた。

首を飛ばした後に私の足は力を失った。

気づけば辺りの結晶は破片となって輝いて消えた。

とても綺麗だった。

ふと我に返り辺りを見渡す。

「2人とも無事だったかい?」

どうやら私はもう立つこともままならないらしい。

這うようにしてゼノンとガルドの方に向かう。

「あぁ、済まない。最後まで戦えなかった。」

「俺も面目ねぇな。お前がこんなになるまで戦わせてしまってよ。」

「気にするな。この研究を始めた時からこうなることは覚悟の上さ。」

ガルドの手がいつもより大きく感じる。

「済まないが、私と能力者の遺体を研究所まで運んでくれないか?」

「寧ろそれくらいはやらせてくれ。」

申し訳無さそうにするゼノンに少し胸が痛くなる。

「ありがとう。君たちにはいつも感謝しているよ。」

「こちらこそ。それじゃあいくぞ。」

ゼノンの背中はとても暖かかった。

「ナイさん!大丈夫ですか?」

「まぁ大丈夫ではないな。前線にはもう出ることはできない。」

「そんな…」

アルタの寂しそうな目を見てこちらまで悲しくなってきた。

「……兄さん。」

「アーク、君にこの力の研究を託すことになってしまったね。」

「安心して。僕が関わったからには収穫0で終わらせないから。」

いつも一緒にいた筈のアークに懐かしさを感じる。

「やっぱり君は頼もしいな。」

自然と表情が緩む。

今日の青空は一段と澄んでいた。

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