指先
投稿遅れてしまい申し訳ないです。
戦闘後、僕らは現場の後処理をしている。
「ナイ、アーク、何か分かったことはあるか?」
ゼノンさんが研究の進捗を確認する。
「残念ながら殆ど何も進捗はないさ。何せどの現場に行っても幻影の痕跡は存在しない。だが目撃証言だけはある。」
「そうか、幻影以外でも何か進展はあったか?」
「身元不明能力者しか出なくなったことと、その能力者のDNAから割り出された人が現場付近に住んでいたってことは分かった。」
「ありがとう。ではこの人のことも調べておいてくれ。」
「分かった。」
辺りを見渡すと見慣れない影があった。
「兄さん!あれって、」
顔も輪郭もよく分からない幻影がそこに立っていた。
「目撃証言と一致するな。頼んだぞ。」
「待て!幻影が出たってことは、」
瞬間、幻影のすぐそばに人間が現れた。
『危険度3、エリア内に能力者が出現しました。ARCの指示に従い、直ちに避難して下さい』
「アーク、アルタ、すまないが幻影の方を優先してくれ。こっちは私たちが何とかするさ。」
「分かりました。」
直ちに幻影を追いかける。
幻影は物凄い速さで真っ直ぐとどこかへ向かう。
走れ、データを一つでも多く持ち帰る為に。
足に力を入れて思いっきり地面を蹴る。
届け!間に合え!
少しずつ幻影との距離が縮まる。
もう手を伸ばせば届く距離だ。
指先が幻影に触れた瞬間。幻影は突如としてそこから消えた。
***
アークが幻影を追いかけている間に私たちはこちらをどうにかしよう。
「2人ともいけるかい?」
「あぁ、私もガルドもいける。」
一応2人に確認したが、必要なかったな。
私は一瞬で能力者と距離を詰め、首元に攻撃を構える。
「能力について知っていることを話せ。」
「その力は、神を気取ったつもりか?」
瞬間、辺りに"結晶"が現れてこちらに飛来してきた。
収穫は無かったが首を刎ねるか。
構えていた腕を動かすが、腕は首を貫かずに止まった。
よく見ると能力者の首元が既に結晶化していた。
一度距離を取る。
「何かしたか?邪神。いや、神と呼ぶことすら値しない出来損ないが。」
「確かにそうかもな。私は神ではない。だが、神に縋るだけの君に負けるとも思えないな。」
もう一度距離を詰める。
今度はバランスを崩させる攻撃を狙う。
「しつこい。」
辺りに結晶が生成されて道を塞ごうとする。
だが3テンポ遅い。
既に背後に回った私はその一撃で右腕を落とした。
そのついでに首元の結晶を狙ったがビクともしない。
「最終警告だ。能力について知っていることを全て話せ。」
「……分かった。観念して教えよう。」
能力者は力を抜きつつも身体を結晶で守る。
「じゃあまずは俺の能力から話そうか。」
能力者はこちらに歩み寄りながら耳元で囁く。
「お前の仲間は既に捉えた。」
背中に悪寒が走った。




