朝日
自室のベッドで目を覚ます。
時計を見ると8:30だった。
いつも通り他のチームメイトの気配はない。
ハルトもまだ起きていない。
「ハルト、起きて。」
『ん、おはよう、今何時位?』
「丁度8:30だね。」
いつも通り朝食のコンビニ弁当を用意する。
『そろそろ自炊した方がいいんじゃねぇの?金銭的にも健康的にも。』
「はい、ごもっともです。」
いつも通りの雑談をしながら弁当を食べる。
『で?今日はアークってヤツと接触するんだったっけ?』
「うん、ナイさんのことをよく知っているみたいだったし。それに一応同期だし顔も合わせておきたいなって。」
『まぁいいけどアポとか取らなくてもいいのか?アークってヤツも暇じゃないだろ。』
「実は昨日の夜にナイさんに頼んでアポ取ってもらったんだよね。だから大丈夫。」
『……ならいいけど、今から行くのか?』
「うん、準備したらそのまま行くよ。」
弁当の容器をゴミ箱に捨てる。
「ハルト、どの服で行ったらいいと思う?」
『は?……選ぶから一度変われ。』
「分かったよ。」
身体の主導権をハルトに渡した。
先程まで動かしていた口も動かない。
でもハルトに話しかけることはできる。
「これとかどうだ?」
『いいじゃん。ありがとう、ハルト』
「じゃあ選んだから変わるぞ。」
『……いや、まだこのままでいいよ。久々に身体動かしたいでしょ?』
「いいのか?」
『うん、ただもし誰か来たら変わってね?』
「あぁ、元々そのつもりだ。」
久々にこっち側になって思い出したけど確かに窮屈な感じだ。
身体は思ったようには動かないし、受け取った感覚に対して不自然な動きもする。
何よりも退屈だ。
だからハルトにも偶にはそっち側でいて欲しかった。
『アークさんと待ち合わせている時間は12:00だからそれまでは自由にしててね。』
「……Lエリアには行けるか?」
『時間的に厳しいね。じゃあ明日はそっちに行く?』
「……来週でいい。」
『……そうだね。プレゼントも買って行こうか。』
「じゃあ散歩がてら近くの店を一通り見て周るか、時間はあるし。」
『そうだね。それじゃあ準備もできているだろうし行こうか。』
「あぁ、行ってきます。」
『行ってきます。』
そうして僕たちは部屋を出た。
***
「アルタさんが僕に会いたいって言ってた?」
「あぁ、昨夜そう言われた。12:00にカフェにきて欲しいと言ってた。」
いきなりそんなことを言われた。
「いいけどその代わり兄さん達にその分の研究は任せてもいい?」
白衣に袖を通す。
「いいだろう。向こうに行っている間はこっちの心配はするな。」
「じゃあ午前中に色々と研究進めておくよ。後ついでに兄さんに頼みたいことがあるんだけどいい?」
お互いに研究の準備をしながら受け答えをする。
「珍しいな。君から頼み事なんて。」
「この理論計測をして欲しい。」
「…また随分と懐かしい物を持ってきたね。」
「頼んでもいい?」
「いいけど期待はしないでくれ、理論計測は君の方が得意だっただろう?」
兄さんはいつもと少し違う様子の返事をした。
「ありがとう。一応言っておくけどアレの事も忘れずに計測しておいてね。」
「2週間程はかかるぞ?」
「僕もやるから3日で終わらせるよ。」
「やっぱり君は頼もしいな。」




