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剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
神の名を冠する獣編

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307/312

第307話 「後、一手が足りませんわ」

「ブモォォ!!」

──ガキィン!!

二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)が、二人の姫に襲いかかる。


「ぐっ!?」

強烈な一撃を喰らい、激しく吹き飛ばされるラミスとリン。


圧倒する二体の"王の名を持つ獣"の前に、ラミス姫達には何一つ()(すべ)が残されていなかった。


当然ではあるがラミス姫達には、まだ二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)に対抗する手段を何も講じれていないのが現状である。


まだ二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)に自分達の実力では勝てないのだと、ラミス姫は痛い程理解していた。


……後一手、足りないのだと。


しかも今回は更に、援軍である人鳥(ハーピー)達も居ないのである。せめて人鳥(ハーピー)達が居れば、何とか道を切り開く事が出来たかも知れないのだが……。


「ブモォォ!!」

強烈な一撃が、姉リンに襲いかかる。


──ドゴォ!!

「……ぐうっ!?」

残念ながら二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)達が、フォーゲル王子を生き返らせる(すき)を与えてはくれなかった。


「くっ!?……ここまでなの?」

二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)の強烈な一撃を喰らい、既に満身創痍のラミスとリン。……頼みの綱である姉リンは、既に立ち上がる力さえ失っていた。


「せっかく謎が解けましたのに……。どうやら今回は、ここまでの様ですわね。」

苦痛に顔を(ゆが)めながら必死に立ち上がるラミス姫だが、この絶望的状況を(くつがえ)す策は何一つ見当たらなかった。


人鳥(ハーピー)がいない今回は、布陣が悪過ぎるのである。……打開策が無ければ、次回に賭けるしか無い。


次回は必ず勝てると信じ、未来に希望を託すラミス姫。


──そしてラミス姫は、その美しい瞳をそっと閉じた。



「お姉様ー!!」

突如ラミス姫の耳にミルフィーの声が聞こえ、二人の体を暖かな青色の光が包み込む。


──ぱあっ。

神々の力"治癒の力"が、ラミスとリンの体を癒して行く。


「ミルフィー!危険ですわ、早く"守護の力"の中へ───。」

死ぬのは自分だけで構わない、そうミルフィーの身を案じて叫ぶラミス。


「平気ですわ、お姉様。私には、この力がありますから。」

天へと羽ばたき、大空に舞い上がる"青龍の巫女"ミルフィー。


──カッ!

そして青龍の杖が光輝き、強い光を放つ。


「不浄なる者よ。浄化の光にて(ちり)となり、この世から消え去るのです!滅しなさい、"浄化の力(ピュリフィケーション)"!!」


──バシュン!

凄まじい速さの閃光が走り、辺り一帯に激しい爆風が巻き起こる。


「ブモォ!?」

「ブモォ、ブモォォオ!?」

浄化の光を喰らい、悲痛な叫びを上げる二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)


「かなり効いてますわ!流石、ミルフィーですわ!」

覚醒した"青龍の巫女"の力により、ラミス姫達の活路は開かれた。


この隙にフォーゲル王子を生き返らせ、人鳥(ハーピー)達を呼び出す事が出来れば、二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)に勝てる可能性があるかも知れない。


「何とかなるかも知れないわね……。ラミス、いける?」

「勿論ですわ、お姉様。ラミスは何時(いつ)でもいけますわ!」


この闘いに一筋の光明が差し、起死回生の活路が開かれた。そして、ラミス姫達の反撃が……。

──今始まる。


「さあ、反撃開始と参りますわよ!」

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