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剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
神の名を冠する獣編

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304/312

第304話 「拳が、うずうずしてしまいますわ」

「フォーゲル王子が持っている、クリスタルの数は三つ……。それで間違いないかしら?」


「間違い無い。僕が所持しているクリスタルは、この三つだけだ。僕は、黄色のクリスタルなんて持っていない。」


ナコッタ姫の問いに答え、フォーゲル王子は所持していた三つのクリスタルを差し出した。


(いにしえ)の怪物人鳥〈ハーピー〉を召喚する"透明"のクリスタル。


(いにしえ)の怪物蛇〈バジリスク〉を召喚する"白色"のクリスタル。


(いにしえ)の怪物人狼〈ウェアウルフ〉を召喚する"赤色"のクリスタル。


姉ナコッタは三つのクリスタルをじっと見つめ、そしてフォーゲル王子に詰め寄った。


「ではフォーゲル王子。貴方の胸ポケットに入っている、もう一つのクリスタルは一体何なのかしら?」


──!?

「胸ポケットだって!?そんな所にクリスタルなんて、ある筈が──────────。」


──!?

「ああ……。そんな筈が……。」

フォーゲル王子は顔色を真っ青に変え、胸ポケットから一つのクリスタルを取り出した。


フォーゲル王子が取り出したクリスタルの色は"黄色"のクリスタルでは無く、禍々(まがたが)しい輝きを放つ"黒色"のクリスタルだった。


「……何で、こんな物が僕のポケットの中に入っているんだ!?」

顔色を変え、ガクガクと震えるフォーゲル王子。……どうやらフォーゲル王子も知らなかった様である。


「"黒色"のクリスタル!?確かフォーゲル王子の話では、"黒色"のクリスタルなんてありませんでしたわ!」


新たな色のクリスタルの登場に、驚くラミス姫達。……フォーゲル王子が嘘を言っていたのだろうか?

確かにフォーゲル王子の話を聞く限り、"黒色"のクリスタルは登場しなかった筈である。


嘘が明るみになり、全員の視線がフォーゲル王子に集まっていた。疑惑の目を向けられ、絶望に震える第七王子フォーゲル。


「信じてくれ……。僕は本当に、こんなクリスタルなんて知らないんだ。きっと、誰かが僕を罠に()めたんだ。……頼む、信じてくれ。」


フォーゲル王子は涙を流しながら、切実に無実を訴えていた。


「はわ、はわわわわわわわ……。・△・」っ

……ぷるぷるぷる。


「どうしたの?ラミス。」

ぷるぷると小刻みに震える妹の姿に気が付き、何事かと話し掛ける姉ナコッタ。


「ここはやはり、()()()()()するべき所なのかしら?」

……ぷるぷるぷる。


「ラミスちゃーん。もうちょっと、我慢出来るかなー?」

……にこにこ。


ばちこーんして犯人を、とっちめてやりたい所ではあるものの……。過去に二度もプリンセス式土下座で謝った記憶が甦り、ぷるぷると小刻み震えるラミで姫様であった。

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