第302話 「起きてー!ですわ」
「……あら?」
しかしラミス姫は、ある事に気が付く。
「ミルフィーは石化せずに、蛇王を倒してましたわね。……たまたまなのかしら?」
石化せずに蛇王を倒せた事に、ふと頭に疑問が過るラミス姫様。
「……あっ!?」
姉ナコッタは、何かに気が付き声を上げる。
「どうされたんですの?ナコッタお姉様。」
「…………。」
ミルフィーが石化せずに蛇達を倒したのを、姉ナコッタも不思議に思ったのだろう。
……ナコッタは神々の力"鑑定の力"を使いながら、少しの間考えを巡らせていた。
「あのね、ラミス。落ち着いて聞いて欲しいのだけれど……。今"鑑定の力"で調べてみたら真の力を解放した"四神の巫女"と、"剣神"の称号を持つ者には蛇の石化は効かないみたいなの……。」
「……ほえ?」
「ごめんなさい、ラミス。もっと早く、私が気が付いていれば……。」
つまり、それが事実ならば……。ラミス姫が目を潰す必要は一切無く、四神の力を覚醒させた"剣神"の称号を持つ姉リンに蛇王を倒して貰えば良かっただけの話である。
「ふ、ふえ……。」
その事実を知り、緊張の糸が切れた途端───。目の痛み出し、ラミス姫の瞳から大粒の涙が溢れだした。
「痛いですわー!目がー!?ミルフィー、助けてー!あ"ーーーーーーーーーーーーーー!?0□0」っ あ"あ"あ"あ"あ"あ"
……ごろごろ。
痛みのあまり、ごろごろと転がってしまうラミス姫様。
「あわわわわわわわわわ……。へび、ヘビは嫌……。」
……ぶくぶくぶく。
しかし残念ながら泡を吹いて倒れ、なかなか起きてくれないミルフィー姫様であった。
何わともあれ四神の力を覚醒させ、真の力を解放した"青龍の巫女"ミルフィー。"白虎の巫女"である姉リンに続き、二人目の四神の巫女の覚醒である。
「これでナコッタお姉様も四神の力を覚醒させれば、ヘルニア帝国にも勝てるかも知れませんわね。」
「そうね……。あれ?ラミスの朱雀の力は?」
「私は、拳で十分ですわ。・△・」っ
殴った方が断然強い、それに気が付いてしまったラミス姫様。
恐らく朱雀の力を覚醒させたとしても、あまり戦闘の役には立たないのだろう。……それに杖を持っていると殴りにくく、戦闘の邪魔にしかならない可能性が高い。
神々の力に頼らず、己の拳のみでヘルニア帝国の野望を打ち砕いてみせる。
……そう心に誓う、ラミス姫様であった。




