第297話 「やるだけ、やってしまいましたわ」
「ご、ごめんなさいですわー!!」
だぱーっと滝の様に涙を流しながら土下座をする、ツインデール公国第三公女ラミス姫様。
──プリンセス神拳最終奥義無式、プリンセス土下座(仮)。
地べたに這いつくばり、高速でぺこぺこと頭を下げるラミス姫の最後の奥義である。
高貴で麗しいラミス姫から放たれる最終奥義には、たとえ何人足りとも許さない訳にはいかないのである。……多分。
流石に号泣しながら土下座をする、一国の姫君に怒る訳にもいかず……。何とか穏便に解決する事が出来、ほっと一安心するラミス姫様であった。
……しかし、後日。
フォーゲル王子だけでなく、何故かアベル王子にまで結婚を申し込まれ、困惑の表情を隠しきれないラミス姫様。
「……え?結婚を申し込む流れ何て、ありましたっけ?」
──ぷるぷるぷる。
逆に怖くなり、ぷるぷると小刻みに震えるラミス姫様だった。
……ラミス姫は気が付かなかったのだが、恐らくアベルにとってあれはご褒美だったのだろう。
ヘルニア帝国には、"ドM"の変態王子しか居ないのだから───。
そんなこんなで、またしても"信者"を増やしてしまうラミス姫様。……そして更に恋敵が増え、頭を悩ませるグレミオだった。
しかしアベル王子が犯人でないとすれば、他の犯人候補が一人も居ない事になってしまうのである。
……やはり残りの三人の王子が、ツインデール城に入り込んでると言うのだろうか?
しかし姉ナコッタはアベル王子を鑑定する際に、一つ気になっている事があった。
クリスタルから古の怪物達を呼び出す事が出来るのは、ヘルニア皇帝の血族のみである。
その為、犯人は必然的に残り三人の王子と言う事になるのだが───。
「フォーゲル王子、アベル王子。残り三人の王子以外に、もう一人王子が居る。……そうでしょう?」
「……えっ!?」
ナコッタの言葉に、驚き動揺が走るラミス姫達。
「…………。」
「その通りだよ……。王子は、もう一人居る。」
「ちっ、違う!アイツは犯人何かじゃない!アイツが、そんな事をする筈がないんだ!……それにアイツは、このツインデール公国にすら来て居ないんだ。」
必死に、もう一人の王子を庇うアベル王子。……必死に庇う様子から、アベル王子は何かしらの事情を知っていると推測される。
「話して頂けますか?アベル王子。神々の力"鑑定の力"で調べれば、すぐにでも身の潔白は証明されますから。」
「…………。」
アベル王子は観念した様に、もう一人の王子の事を話し出した。




