第295話 「良い練習になりますわ」
「私には、未来が見えているのです!」
──ばーん!
完璧なるドヤ顔と、絢爛なお嬢様ポーズを決めるラミス姫様。
そしてラミス姫は本来フォーゲル王子が話す予定だった事を、先にすらすらと説明していった。
「すらすらですわー!」
「す、凄い……。君は本当に、未来が見えているのかい?」
驚愕するフォーゲル王子。今から自分が喋ろうとした内容を完璧に先に言われてしまっては、流石にフォーゲル王子もラミス姫の言う事を信じない訳にはいかなかった。
「そして……。」
──コツコツ。
そしてラミス姫は、冷静に粛々と犯人の元に近付いていった。
「犯人は───。」
華々しく、誰よりも美麗に。──そして絢爛に、世界で一番優雅に。
「……犯人は、貴方ですわ。」
まるで汚物を見る様な汚らわしい目で、犯人を見下ろすラミス姫様。
ラミスは軽蔑した様な冷たい目と、蔑むような角度でアベル王子を睨み付けた。
「え……?」
ずもももと迫り寄るラミス姫の圧に気圧され、怖じけ後退る側近のアベル。
「お仕置きですわー!!」
──ばちこーん!
「げっはぁ!?」
ラミス姫様の華麗かつ絢爛な鉄拳制裁が決まり、豪快に吹き飛ばされるアベル王子。
※アベル王子は特殊な訓練を受けております。決して真似しないで下さい。
プリンセス神拳奥義十二式"姫咬み"の餌食となり、悶絶するアベルに更なる悲劇が降りかかる。
「さあ、全て洗いざらい白状しなさいですわ。」
アベル王子をプリンセス神拳十六式、プリンセス"肋折り"でがっちり締め上げなさるラミス姫様。
「た、助け……。ぐえっ……。」
これで全て解決。これにて一件落着、間違いない。
流石は、ラミス姫様。クリスタルから恐ろしい怪物を呼び出される前に、犯人をがっちりと締め上げなさり、見事ツインデール公国をお救いになるラミス姫様。
……こうしてラミス姫の活躍により、再びツインデール公国に平和が訪れるのだった。
「ぼ、僕は犯人なんかじゃないよ。信じて……。」
関節技を決められながらも、犯人である事を頑なに否定するアベル王子。
「あら、無駄ですわよ?もう私には貴方が犯人だと、分かっているのですからね。さあ、早く観念して"黄色のクリスタル"を出すのです!」
──サササッ!
ラミスと同じく神妙な顔付きで、手早くクリスタルを探す末っ子ミルフィー。
「……何処にも見当たりませんわ、お姉様。」
「あらー?」
いや、そんな筈は無い。犯人はアベルで間違いないのだから───。
……と言いながら、てきぱきとアベルに色んな関節技を試していくラミス姫様だった。




