第293話 「お姉様の、お陰ですわ」
「ツインプリンセス"マグナム"!!」
──ズガシャーン!!
ラミス姫の目と拳が光り、凄まじい二つの衝撃が豚王に襲いかかる。
「オルァアアー!!真・プリンセス"雷鳴"!!」
──ドゴォ!!
激しい雷鳴が鳴り響き、吹き飛ばされる豚王。
「ふぅ……。そろそろナコッタお姉様を迎えに行く、お時間ですわ。それでは豚さん、ごきげんよう。」
ラミス姫様は美しくドレスのスカートを広げ、プリンセス式挨拶を披露して去っていった。
「プギィ、プギィィィィィ……。」
ラミス姫が去っていったのにも関わらず、豚王はラミス姫の底知れぬ強さに恐怖を抱き、何時までもガクガクと大きな体を震わせていた。
姉ナコッタの待つ西の村へと、爆走なさるラミス姫様。
この時、ラミスは気が付いていなかったのだが……。ラミス姫のレベルは、かなり上がっていたのである。
ラミス姫のレベルが上がっていた理由───。
それは姉リンが豚王と、第一形態と第二形態の人狼王を何度も倒していた為である。
姉リンが倒した豚王と人狼王の莫大な経験値がラミス姫にも分配され、ラミス姫は姉であるリンの力に確実に近付いていた。
そして遂にラミス姫は、豚王の硬い外皮を貫けるまでに成長していたのである。
何時もの手順で姉妹全員が合流し、そして何時もの手順で豚王と蛇王を撃破するラミス達。
……順調に事を進めるラミス達だが、ラミスは重大な事を忘れていた事に気付く。
そしてその事を知り、ラミスは絶望に駆られる事となる。
母クレアの活躍により、何とか古の怪物人狼王を追い払った直後───。
漸くその事に気が付いてしまい、ラミス姫は絶望に打ち拉がれていた。
「残念だけど、そろそろ時間の様ね……。」
無情にも刻は訪れ、光りと消え行く母クレア。
「お母様……。」
「いやぁー、お母様!お願い、行かないで……。」
「嫌よ……。これで、最後だなんて……。」
目に大粒の涙を浮かべ、泣きながら母にすがり付く娘達。
「泣かないで……。私は、いつも天国から娘達を見守って居るわ。だから、だから……。娘達の笑顔を見せてちょうだい……。」
「そんな、お母様……。」
「嫌ァー、お母様!!」
「お願い、もう少しだけ……。」
涙を浮かべ、娘達を暖かく見守る母クレア。そして去り行く母に向かって、最後の一時まで必死に叫ぶ娘達───。
「……感動が薄いですわ。・△・」っ
そして神妙な顔で立ち尽くし、それを只呆然と眺めているだけのラミス姫様。
二回目なので、少し感動が薄くなってしまうラミス姫様でした。




