第290話 「人鳥〈ハーピー〉さんの活躍に期待ですわ」
「ピイィィィィィィィー!!」
クリスタルが強い輝きを放ち、辺り一面を激しい閃光が包み込む。
ラミスが見上げると、そこには大空を埋め尽くす程の大量の人鳥達の姿があった。
そしてその中でも一際大きく、美しい翼と毛並みを持った一体の人鳥。
──古の時代より現代に黄泉返りし"王の名を持つ獣"人鳥女王〈ハーピークイーン〉。
「凄いですわ!こんなにも大勢の人鳥さんが、私達の味方になって下さいますのね!これなら、勝てるかも知れませんわ!」
まだ決して油断は出来ない状況ではあるのだが、頼もしい人鳥の大群に喜びの表情を見せるラミス姫様。
二体の強力な牛鬼王に勝つ為に、ここは人鳥女王の実力に期待したい所である。
「やれ、人鳥達!!」
「ピイィィィィィィィィー!!」
フォーゲル王子の掛け声と共に、牛鬼達に襲いかかる大量の人鳥達。
……数は、こちらが圧倒している。幾ら牛鬼達が屈強な力を持っていたとしても、この数に荒がうのは至難の技に違いない。
「ピイィィィィィィィー!!」
大量の人鳥達が大空から舞い降り、旋回しながら牛鬼に襲いかかって行く。
地上の牛鬼に対し、空と言う絶対的有利な地の利を持つ人鳥。
人鳥の風の魔法は竜巻を巻き起こし、雷の魔法は天から降り注ぐ落雷を発生させる。
特に遥か上空から放たれる落雷の魔法の威力は凄まじく、人鳥達は次々と牛鬼達を沈めていった。
「凄いですわー!思ってたより、全然強いですわー!!」
人鳥さん達の予想外の強さに、ぴょんこと飛び上がりながら喜ぶラミス姫様。……ラミス姫様も、にっこり微笑む強さである。
「頑張ってですわー!やってやりなさいですわー!」
きゃっきゃっと手を振りながら、全力です応援するラミス姫様。
人鳥の相性が、牛鬼と良かったのが幸いしたのだろう。
……高い敏捷性を誇る人狼や、屈強な装甲を持つ豚相手なら、こうも上手くはいかなかったのかも知れない。
遥か上空からの攻撃に牛鬼達は為す術が無く、次々と落雷魔法の餌食となり敗れ去っていった。
そして牛鬼王を倒すべく、天高く大空に舞い上がる人鳥女王〈ハーピークイーン〉。
人鳥女王は牛鬼王の攻撃が決して届く事の無い、絶対的安全圏へと羽ばたいていった。
そして遥か上空から放たれる"王の名を持つ怪物"の一撃、その強大な落雷魔法が牛鬼王に襲いかかる。
──ガシャーン!!
凄まじい閃光が辺りを包み込み、激しい轟音が鳴り響いた。
通常の人鳥が放つ雷の魔法とは、桁違いの威力の雷が牛鬼王に降り注ぐ。
「ブモッ!?ブモォォォォォォォォー!!」
そして雷は炎を発生させ、業火の炎が牛鬼王の体を包み込む。
牛鬼王は悲痛な叫び声上げながら、悶え苦しみ業火の炎に焼かれていた。




