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剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
神の名を冠する獣編

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第287話 「何だか呼び方が難しいですわ」

「フォーゲル王子……。」

王子を心配するラミス姫だが……。残念ながら、その様な余裕と時間などラミス姫達には残されてはいなかった。


祖国であるツインデール公国が、この様な有り様なのだ。

愛する民達が恐ろしい怪物へと姿を変えられ、ツインデール城内を(いにしえ)怪物牛鬼(ミノタウルス)が暴れ回っている。


一刻を争う、この状況───。


何か知っていると考えたラミスは王子に、ある疑問を投げ掛けた。


「フォーゲル王子。一つお聞きしたいのですが……。怪物牛鬼(ミノタウルス)は、人々を恐ろしい怪物の姿へと変えてしまう力を持っているのでしょうか?」


「何だって!?」

フォーゲル王子は先程まで死んでいた為、ツインデール城の人達が恐ろしい怪物に姿を変えられている事を知らなかった。


「おかしいな……。僕はあまり牛鬼(ミノタウルス)と言う怪物について詳しい事は知らないけど、神話や言い伝えでは牛鬼(ミノタウルス)に、その様な力は無かった筈だよ。」


「え……?」

あれが怪物の仕業では無いのなら一体何故、人々が恐ろしい怪物の姿へと変えられてしまっているのだろうか?


ラミスは分からない事続きで、頭が混乱状態に(おちい)っていた。……しかし分からない事を考えても仕方がない。

今、自分ができる事を……。襲われている民達を助けなくてはならない。


そう思い立ち、ラミス姫が立ち上がった瞬間───。


──ドガッ!!

突如、高速の刃がラミス姫に襲いかかる。防御が間に合わずラミスは壁に強く打ち付けられ、そのまま城の外へと弾き飛ばされていった。

そして三階から落下し、地面に強く叩き付けられるラミス姫。


「ぐっ……。不味(まず)いですわ……。」

不意打ちを喰らい、その身に直撃を受けたラミス姫は立ち上がる事さえ困難となっていた。


(いく)らラミス姫に神々の力"再生の力"が宿っているとは言え、"王の名を持つ怪物"牛鬼王(ミノタウルスキング)の一撃を受けてしまったては耐えられる筈も無かった。


「まだ、フォーゲル王子とロクサーヌが中に……。」

たとえ瀕死の状態であろうとも、自分の事より二人の心配をする心優しい姫君。


──ドガッ!

……しかしフォーゲル王子とロクサーヌには見向きもせず、二体の怪物達は三階から飛び降りラミス姫を付け狙う様に追いかけていった。


「ラミス姫ー!」

「姫様ー!」

ラミスを心配し叫ぶ、フォーゲル王子とロクサーヌ。


ロクサーヌ達の無事を確認し安堵(あんど)するラミス姫だが、残念ながら立ち上がる力は既に残されてはいなかった。

力尽き、その場にどさりと崩れ落ちる(プリンセス)ラミス。


「このままでは……。」

呼吸を荒げ苦痛に顔を(ゆが)ませるラミス姫の元に、ズシンと足音を響き渡らせながら近付いてくる二体の怪物牛鬼王(ミノタウルスキング)


その二体の怪物牛鬼王(ミノタウルスキング)は通常の牛鬼(ミノタウルス)とは違い、全身が赤色と青色に染まっていた。


赤色と青色の体を持つ、二体の牛鬼王(ミノタウルスキング)


──青牛鬼王〈ブルーミノタウルスキング〉と赤牛鬼王〈レッドミノタウルスキング〉。


絶望的な程に追い詰められたラミス姫の前に現れたのは、二体一対の"王の名を持つ怪物"だった。

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