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剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
神の名を冠する獣編

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281/316

第281話 「騙されましたわ」

「……は?」

ラミス姫が強い事を、全く知らなかったラミス姫専属メイドのロクサーヌさん。

恐ろしい怪物を一撃で粉砕する、ラミス姫の凄まじい蹴りを見てしまい……。ロクサーヌは、魚の様に口をパクパクさせながら驚いていた。


「ブモォ!!」

「ブモッ!ブモォー!!」


当然ながら、ツインデール城内に現れた怪物は一体だけではない。巨大な斧を手に、わらわらとラミス姫の前に群がる(いにしえ)の怪物牛鬼〈ミノタウルス〉。


──!?

「ひいぃぃ、姫様!?まっ、また怪物がー!!」

ロクサーヌは飛び上がる程驚き、足が震えて床に座り込んでしまった。


静かに息を吐き、呼吸を整えながら拳を構える"拳王"ラミス。そしてラミス姫の美しい瞳が光を放った、その瞬間───。


──ズガガガガガガガッ!!

ラミス姫の拳は凄まじい速さで、次々と(いにしえ)の怪物牛鬼(ミノタウルス)達を打ち砕いていった。


「ローストビーフにして差し上げますわ。」


ラミス姫の放つ高速の拳"マグナム"は、何重もの壁ごと牛鬼(ミノタウルス)を打ち砕き。

そしてラミス姫の放つ稲妻の如く蹴技は、激しい轟音を轟かせながら天井もろとも牛鬼(ミノタウルス)を空の彼方へと吹き飛ばした。


最早(もはや)"拳王"の称号を持つラミス姫にとって、王の名を持つ怪物以外は敵ですらないのだ。

……それよりも、ツインデール城が壊れないかが心配である。


「ひ、ひええぇぇぇぇ……。」

恐ろしい怪物達と無双する姫君に酷く頭を混乱させ、涙目で怯えるロクサーヌさん。


「ロクサーヌ、決して(わたくし)の側から離れてはなりませんわよ。」


「は、はいぃぃ。姫様ー!」

涙を流しながらラミス姫の脚にすがり付く、メイドのロクサーヌさんだった。


──ドガッ!ドガガガガガガガガッ!!

雷鳴を轟かせ、恐ろしい速さで次々と牛鬼(ミノタウルス)を沈めていくラミス姫様。


「…………。」

だがラミスは戦いながら、今自分達が置かれている状況が、どれ程不味(まず)い物であるかを理解していた。


不味(まず)い状況と思える、その理由は二つ。一つは、フォーゲル王子が裏切っていると言う事である。


……いや裏切ったと言うよりも、フォーゲル王子に罠に()められたと言った方が正しいのだろう。


フォーゲル王子が言っていた事……。またその情報は全てが嘘偽りであり、全くのデタラメだったのである。


そしてフォーゲル王子の持つクリスタルから呼び出される怪物も、人鳥(ハーピー)ではなく牛鬼(ミノタウルス)だったのだ。

……いや、そもそもクリスタルの話自体が嘘だったのかも知れない。


フォーゲル王子にまんまと騙されたラミス達は、敵国である筈の王子と(いにしえ)の怪物達をツインデール城内に招き入れてしまったのである。

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