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コミカル三国志(第二部)  作者: ダメ人間
第四章 千里の道
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九十五.線引きを見極めること

 日本を代表する大戦である関ケ原の戦いは数日で決着がついたと伝えられているが、曹操と袁紹との戦いは長期の戦になる兆しを見せた。


膠着こうちゃく』である。


 一敗地に塗れた袁紹は、地の利を得るために陽武ようぶの要害へと陣を移した。

 それに伴い、一先ず帰洛して将兵に褒賞と休暇を与えた。


 それからしばらくして・・・関羽の住まう屋敷にて。


 夜の月には雲がかかり、美しい夜空とは世辞にも言えない。

 関羽は屋敷の廊下より雲で欠ける月を見て佇んでいた。


(兄者と張飛は何処であろうか・・・)


 二人の行方は未だにつかめていない。


 死んでいるのか? それとも 生きているのか?


 わからない。


 しかし、関羽は焦ってはいない。なぜなら二人が生きていることを信じているからだ。


(時がくれば動く)


 それまではじっと不動で待つベシ!

 曹操陣営にて手柄も十分に立てた!!

 だから関羽は慌てない。


 仁王立ちにて月と庭園を眺めていると、庭園の草木に揺らぎが見えた。

 サササササッと黒い影が素早く動いている。

 そしてその影は関羽に向かい近づいてきた。


 スッ・・・


 関羽は腰に差していた刀に手をやった。


「寄らば斬る!ちょん斬る!!キルユーベイベー!!」


 凄まじい威圧が彼から放たれると、それを感じ取ったのか、草木の影より一人の男が飛び出してきた。


「何者かっ!?・・・って、お前は・・・孫乾そんけんか?」


 飛び出してきた男は関羽もよく知る人物、劉備軍の孫乾であった。


「静かに静かに!シャラップ!シャラップ!ビークワイエット!ビークワイエット!!」


 彼はそう言った後、人差し指を立てて口に当て、関羽に「黙れ!」とジェスチャーを送った。・・・が、やはりその前の一連の言動が騒がしかったのか、屋敷の中より、複数人の足音が近づいてくるのが聞こえた。


((こりゃまずい!!))


 関羽はすぐに物陰へと孫乾を隠すと、自身は廊下より庭園へと降り、珍妙な歌と踊りを始めた。

 すると彼の家来たちがやってきて、関羽にことの詳細を訪ねた。


家来「何か騒ぎの音が聞こえましたが・・・どしたのワサワサッ?」


関羽「なんでもナーミン!!・・・キルユーベイベー♪・・・キルユーベイベー♪」


 「あっ・・・」と家来はそれ以上追求しなかった。


(これ以上はいけない)


 してはいけない線引きを察したのだ。

 家来たちは踊る関羽より目をそらし、(俺たち何も見てないから・・・)というていでその場から立ちさった。

 そして残された関羽は思う。


「大切なモノを一つ失ったが、大切なモノを一つ得た。等価交換なくして世は動くまい」


 この世の真理に触れた関羽。

 彼は失う代わりに得た情報を聞き出すため、物陰より孫乾を引っ張り出すのであった。

謝辞


二ヶ月もの間更新せず申し訳ございませんでした。

約八年間愛用しておりましたパソコン君がお亡くなりになられましたので更新が遅れました。

深くお詫び申し上げます。


作者:ダメ人間より

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