八十九.受け止めきれない現実もある
「時は来た!」
連絡を聞いて関羽は喜んだ。
即、着替え、即、移動し、即、戦場へと赴いた。
「関羽、戦場へと参りました!!」
「早いな!ファストトラベルとはさすがだ!!―――で、早速だが、あれをみたまえ。」
「・・・(どれどれ)」
関羽が戦場を見るに、曹操軍の兵の首がピョンピョンと宙を舞っている。
顔良「ファルファルファルファル!!」
訳の分からん言葉を吐いて、顔良が戦場を暴れ回り、曹操軍をメタメタに痛めつけていた。
「これはいけませんな」
「その通り、顔良一人のせいであの有様だ。奴が戦場に現れると兵たちが皆、『ひぃ~怖い~~!たちけてぇ~~~!!』と逃げ散らかしてしまうのだ」
「河北の袁紹の勢力は強大。将も兵力も見事。ということですかな?」
「うむ、そこで君を呼んだわけだ。奴を二度と喋れないようにしてほしい」
「お安いごようで」
「では頼む。・・・しかし、どうも君は奴を甘く見過ぎているのではないか?」
「ははは、甘言でも広言でもない証拠をすぐにお見せしましょう」
そう言って関羽は赤兎馬に跨り、荒れ狂う戦場へと身を躍らせにいった。
時は春。
そよ風が心地よい。
関羽の髭も、赤兎馬の鬣も風になびき、戦場にて美しく揺らめいた。
彼の持つ青竜刀が左右に動くと、敵兵たちも左右に動く。
皆息絶え、断末魔が戦場に木霊した。
「グロ注意!グロ注意!!今より我、真っ二つになって死にます!!」
「あのさぁ・・・痛いんだけど? マジでマジで。冗談抜きに痛いわ~~これ死ぬわ~~ってか死んだし。はぁ~~~(o´д`o)=3」
「死んだ\(^o^)/」
関羽の圧倒的な武に、優勢を誇っていた袁紹軍が色めき立った。
「何が起きた!何が起きた!ナニが・・・起きた!!(意味深)」
この時の関羽の姿を『演技三国志』の原書にはこう書いてある。
―――香象の海をわたりて、波を開けるがごとく、大軍わかれて、当たる者とてなき中を、確ぎ払ひてぞ通りける・・・。
(意訳)「関羽が敵陣を通ると、敵はエターナルフォースブリザード」
名乗りを上げて敵陣を斬り開く彼の武を見て、顔良は大層驚き、
「劉備の義弟の関羽だと!なんと面妖な!―――よしッ!!」
顔良は駒を関羽へと向けた。
関羽と顔良、両名が相対した。
「ふんっ!!」
関羽の青竜刀が顔良へと落ちた。
その迅さ、圧力、素敵さ、―――顔良は躱すことが出来ず、自身の得物で受け止めるしかなかった。
イメージ。
顔良は頭の中でイメージした。してはいけないイメージ。
自身が真っ二つになるイメージをした。
そしてそれは・・・現実となった。
得物は押し切られ、青竜刀は顔良の頭頂部へと到達、そのままリンゴを包丁で切断するかのように頭部と喉をすり抜けて胸元へと到達、そして刀は引き抜かれた。
顔良死亡。
骸は地に堕ち、味方の歓声が戦場に響き渡ったのであった。




