八十八.使いどころを間違えない
白馬の野とは河北河南の国境にあたる平野をいう。
その野の西方の山に沿うように、曹操は陣を布いた。
敵を見る。
「ふむ」
見るに顔良を将とし、数万の兵が凸形にかたまって動いている。
「宋憲!」
「はっ!!」
「そちを先鋒に命じる!スパッと爽やか単純に、顔良を斬って来い!!」
「はははっ!」
宋憲はかつて呂布の下にいた猛将である。
その武は良く、ただの将では相手にならぬ見事さであった。
しかし、此度の相手はただの将ではなかった。
宋憲は問答にもならず、アッと言う間に顔良に叩き斬られてしまった。
勢いに顔良は乗る。
顔良は野を駆け、赤い血霧が空を舞う。
「いかんな・・・誰か奴を討つ勇者はおらんか!!」
「ここに!!」
「魏続か・・・よし!奴を討ってみよ!!」
「ははははははっ!!」
魏続は死んだ。(即オチ一行)
そして次いで、大小さまざまな兵が顔良に向かっていくが、皆返り討ちとなってしまった。
曹操軍、初日完敗。
徐晃のお蔭で顔良の勢いを止めることに成功したが、二将を失い、多数の兵が犠牲になったことは大きな痛手であった。
「むむむ・・・」
これには曹操も無念であった。
『初戦に勝つ。』ということは合間に勝つこととはわけが違う。
今後の勢いが違う。
敗戦後、直ぐに程昱が彼に献言した。
「顔良をぶっ殺せるのは関羽だけです!彼を呼び寄せ、奴を地球のチリにしましょう!!」
「しかし・・・」
「何を悩んでいるのです!日頃、彼に恩を与えているのはこういう時のためではありませんか!彼に顔良を殺させるのです!殺さ!殺さ!殺さ!殺さ!殺させるのです!!!」
「お、おおぅ・・・。た、確かにお前の言う通りだ。関羽を呼ぶとしよう」
こうして曹操は程昱の言に従い、使いを都へと飛ばしたのであった。




