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コミカル三国志(第二部)  作者: ダメ人間
第三章 暗殺の闇
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四十四.怪しい時は動かない

 作戦は霧深い夜に決行されたそうだ。そりゃ結構。(激うまギャグ)


 関羽と張飛を大将とした兵馬の軍が、徐州の濠ぎわまで進んでいる。


「皆、抜かるでないぞ。」


 深々とした静かなる闇にて、関羽は兵たちにキツく念を押した。


 今回、関羽が立てた策はこうである。


1.曹操より五万の兵を借りた際に一緒に借りた『曹操軍の旗』を軍の陣頭に並び立てる。

2.関羽、徐州城の濠ぎわに立ち、門を開けるように喚き散らす。

3.車冑、陣頭に並び立てられた『曹』の旗を見てびっくら仰天、門を開ける。

4.開いた門より関羽軍突撃。徐州城内を暴れ回る。

5.占拠完了。

6.fin


 と、まぁ長々と書いたわけだが、要約すると、


『曹操の旗を使って、徐州城内の兵を騙す。』


 これが今回、関羽が立てた策の全貌である。


 で、


 1の手順は徐州城に来るまでに完了させてあるので、次は2の手順である。


「開門せよ!開門せよ!繰り返す!開門せよ!開門せよ!開門せよ!!」


関羽は濠ぎわで、大音声を上げた。


「何事ォ!!」


 時ならぬ軍馬に、門内の武将はすくなからず緊張して、容易に門を開けなかった。

 これは想定内である。

 むしろ直ぐに門を開けたら罠だと思うべきだ。

 次いで関羽は声を作って、


「我、張遼ちょうりょうという者なり!曹丞相の使いとして、火急の件があって、許都より急ぎ下って来た!門を開けてたも~れ!!」


 と、偽名を使ってそれらしい理由を述べた。

 しかし、車冑含む徐州兵は油断なく、彼らは頑として門を開けなかった。しかも、それどころか、


「むむむ!いささか怪しいぞ!貴公が張遼殿であるという証拠を見せい!!」←車冑、疑う(当然)


「旗を見よ!!」←関羽、軍の陣頭を指さす(ドヤ顔)


「夜!しかも霧がかかっちょる!旗の文字が見えん!!」←人間、昼行性(大半)


「見えろ!!」←関羽、イラつく(呆れ)


「見えん!!」←車冑、イラつく(呆れ)


「見えろよぉぉぉぉぉ!!」←関羽、激高(アホ)


「見えねえよぉぉぉぉぉ!!」←車冑、激怒(有能)


 関羽の立てた策は手順3の段階で崩れかけた。


 旗に書かれた『曹』の文字。


 これが徐州兵に見えなければ、彼らを信頼させる(騙す)ことが出来ない。

 すなわち、次の手順へと進めることが出来ないのである。


(しからば私が!!)


 ここで、一人の男が機転を利かせた。


「車冑殿、あれは間違いなく『曹』の旗です。視力2.0の私が言うのです。間違いありませぬ。」


 機転を利かせたのは陳登であった。

 彼は関羽たちが徐州に近づくそれより前に、城内へと帰って来ていたのである。


「う~む・・・。確かに君の言う様に、あれは『曹』の旗には違いないようだが・・・何か嫌な予感がする。夜が明け、軍の全貌がはっきりと見えるまで門を開けるべきではなかろう。」


「何を言っているのです。早く城門を開けるべきです。もし張遼殿の心証を害してしまい、後に何かあったとしても、私は責任を取りませんぞ。」


「・・・いや、張遼殿は名将とのもっぱらの噂。この程度で心証を害するはずがなかろうて。」


 車冑も大層な頑固者である。

 陳登に急かされたり、脅されたりしても、なおも頑として門を開けなかったのであった。

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