百.関羽千里行 その一
太陽「俺、消えっから!今日はもう”さよなら”ってこと!勝手で悪いけどさ・・・これが俺の役目だから!!」
というわけで、曹操と関羽が別れの挨拶を交わしてから幾何か時が経ち、刻は夕刻となっていた。
「奥方様には申し訳ないが、今日は野宿でファイナルアンサーか・・・」
関羽はそう判断し、部下に野営の準備を命じようとした。
が
するとなんとタイミングが良いのか、前方の彼方に炊煙が立ち上っているのが見えた。どうやら住居があるらしい。
「ちょうどよい。今宵はあの家に世話になるとしよう」
一行は住居へと向かう。
「ノックしてもしもお~~~し!誰かおられぬか~~~?」
関羽が家の門をたたくと、一人の老翁が門より顔をひょっこりと出して
「・・・あんた誰じゃ? 名前と性別、年齢、出身地と好きな食べ物、趣味と特技と長所と短所、自己PRに志望動機、好きな女性のタイプと好きなプレイに加えて性癖を3分以内にまとめて話したまへ」
と言ってきた。
「拙者は劉備の義弟の関羽という者。年齢は(以下略)で、一晩宿をお借りしたい」
「ほほうなるほど・・・って関羽と言えば顔良と文醜を斬ったというアノ関羽殿か?」
「そうです」
聞いて老翁は大変に驚いた。
「おお、おお、おおお、おおおおおおおおお!あの関羽雲長殿か!いやいやホントにマジでマジであなた様の勇猛ぶりと忠節ぶりは田舎者の私の耳にも届いております。---さあさあ遠慮はいりませぬ。中へどうぞどうぞ。ウェルカムウェルカム」
『天下に名だたる関羽雲長が屋敷に訪れた』
老翁はコレは生涯の自慢になると思い、屋敷の住人総出で関羽一行をもてなした。
そして明くる日・・・
「色々と世話になり申した」
「いえいえ、お急ぎでなければもっと泊まってもらいたいものですじゃ」
明朝一番、関羽は老翁と別れの挨拶と感謝の意を述べ、屋敷を去ろうとしていた。すると老翁が、
「そうそう、これをお持ちなさい」
といって手紙を関羽に渡してきた。
「わしの息子は湖班といって滎陽の太守『王植』に仕えております。やがてそこの道を通りますでしょうから、その際に何かの役に立つでしょう」
何から何まで至れり尽くせりの心遣い。
関羽は深々と老翁に礼を述べると、進むべき道へと馬を歩ませ始めたのであった。




