表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
身代わり女装がバレたのに「男同士でもいい」と言われました〜絶対無理なので全力拒絶中  作者: 水波瀬 凪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/21

【15話目】夏休み前半はキャンプ、釣りとかバーベキューとか

海斗の両親が、ログハウスみたいなのを借りてくれて、車も出してくれて、みんなでキャンプ場に行くことになった。


山なんだけど、近くにめちゃくちゃきれいな川があって、釣りもできるんだって。


テント張るやつより、楽だって海斗のお母さんの希望みたい。


木でできた小屋?


ロフトベッドみたいになってて、


「俺、絶対上がいい!」


と、わがままを言った。


愛菜は、このメンバーに混ざりたくないみたいで来なかったから、まあ、いつもの4人と海斗の両親、そして妹が来てた。


海斗の妹って、中2なんだってさ。


愛菜も小さいけど、海斗の妹、美海(みう)も小さかった。


海斗にいうと怒られそうだから、こっそり翠に言ってみた。


「海斗の妹、かわいいな、美海ちゃん」


翠は、チラリと美海を見ると


「ああ、見た目だけはね」


「翠は知ってた? 会ったことあんの?」


「あるよ、あの子はちょっと苦手」


人見知りしてんのかな?


って思ってたんだ。


ずっと母親のそばを離れないから。


男ばっかの中に連れてこられたら、それはやっぱり警戒するよね?


珠里は女の子だけど、あんまり面倒見良さげじゃねーし、なんなら愛菜に敵意向けてたみたいにマウント取りそう。


でもな、バーベキューするっていうとき、美海はなぜか俺の隣にずっとくっついてたんだ。


あ、もしか男と思われてない?


や、ちゃんと自己紹介したもんな、陸って名前の女の子は、いる?


あんま聞いたことない。


海斗の妹だし、もちろん変なことはするつもりない、予定もないから、安心してていいけどな。


ここ、至れり尽くせりのキャンプ場で、なんでもレンタルできて手ぶらで来られるってところらしく、キャンプ初心者でも困らないんだよって、海斗のお父さんが教えてくれた。


海斗のお父さんも、海斗に似ててカッコいいな。


大人の男。


うるさくなさそう、物分かり良さそう。


だってそうだろ?


息子があんな、ルームシェアするみたいなところに、行かせてくれるんだ。


普通の親だと、そんなとこダメって言いそうじゃん?


そしたら翠の親もそんな感じなのかな?


翠のことは、まだあんまり知らない。


自分のことも語らないけど、あんまり人のことも興味なさそうで聞いてこない。


黒セカオワと珠里だけ、興味あんのかな?


「あの……」


ふいに美海が、俺の服の裾、小さく引っ張って、なんかいいたそうにこっち見てた。


「え、どしたの?」


どうやら翠のことみたいだ。


「あのひと、お兄ちゃんのこと、好きとか言ってたのに、女の子といるのって、ヤバくない?」


「ああ、そのこと」


美海も知ってる話なんだな。


「女の子嫌いなんだよねって、海斗がいいって言ってたくせにひどい!」


「あ、そういうこと?」


なんとなくわかった。


「わたしが嫌いなら嫌いって言われたほうが、良かったな。ずるいよね、やりかた。男が好きなんて言われたら、一生無理じゃん」


こんなとき、なんて言ってあげたらいいかわからなくて、つい、美海の頭をポンポンしてしまった。


「え」


美海、びっくりしたのか、少し後ろに身を引いた。


「あ、ごめん、つい」


これって、手を出したことになる?


「おい、なにしてる?」


後ろからポンっと肩をたたかれ、振り向くと海斗。


「あわ、海斗、いや別になにも」


「お兄ちゃん違う、陸くんは優しくしてくれただけだよ」


美海ちゃんがフォローしてくれた。


「気をつけないと美海、男はな、優しくするくらい簡単にできるんだよ」


は? こんなときだけ、俺のこと男扱いすんのかよ、海斗は。


「はいはい、すみませんでした!」


なんかムカつく、なんか気に食わない!


背を向けて、2人から離れた。


やっぱり、美海は海斗にとって妹なんだし、小さくて女の子でかわいい。


並んだらやっぱり、俺なんか男で、守ってやらなきゃなのは美海。



川のところで、石を投げて遊んでた。


というか、石に八つ当たり。


「陸」


海斗の声。


振り向かず、またひとつ石を拾って投げた。


「ごめんなさっき、美海まで陸になつくのかって思ったら、つい」


「は? 別にいいじゃん」


くるりと振り向いたら、海斗がなんか泣きそうな顔してたから戸惑った。


「なんでそんな悲しそうなんだよ」


「いや、陸にきついこと言っちゃったかなって思って」


「ってかさ、海斗って疑いすぎ! まだなんもなってないのに、美海と会ったばっかでそんなすぐ懐くとか、あるわけねーじゃん」


「だって陸、こないだから中学生女子に、人気あって」


「それも、女子みんながそうってわけでもない、愛菜だけだろ」


こんなところで、ふたりでケンカしてたら、みんなから変な風に誤解されそうで、そっちのほうがヤバいかなって思った。


「戻ろ、あっち」


海斗の横を抜けて、先に立って歩いた。


後ろから海斗がついてくる気配感じる。


海斗って俺のことになると、まえから変だけど、この暑さでさらに脳天イカれちゃったんじゃね?


「俺さ、海斗」


歩きながら後ろにいる海斗に聞こえてるか謎だけど、話してみた。


「彼女できたからって、海斗のこと粗末にするわけじゃねーし、ずっと友達だし、料理だって作ってもらわないとダメだからな」


だからそんなに、干渉したり、嫉妬したり、うるさくするなって言いたかった。


前から言ってるように、つきあうのは難しいけど、近くにいることならできるって思ってる。


むしろ、いてくれないとさみしいじゃん。


そういう、心配より信頼があればいいのに。


女の子とつきあうことは、海斗への裏切りとかそんなんじゃないのに。


わかってくれないのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ