R4 〜インチキドリフト〜
本作はドリフトの爽快感が大きなウェイトを占めていると言っても過言ではありません。個人的な見解ですが。が、このゲーム特有のドリフトの挙動は一部でインチキドリフトとネタにされることもしばしばです。後に知ったのですが、このゲームはコーナーと逆の方向にハンドルを切ってもドリフトでパス、なんてこともできるのです。
最初はまさかぁ、と思いましたが、実際やってみると、まあ、できないこともありません。これは恐らくゲームが車の挙動をある程度制御しているから起きる現象でしょう。
つまり、ゲーム的な爽快感を得る代償として、リアルな挙動ではなくなっているのだと思われます。これがインチキドリフトと言われる所以でしょう。
でも、それが一体どうしたというのでしょう。
インチキだろうが嘘だろうが、これはゲームなのです。リアルさよりも楽しさの方が筆者的には正義なのです。そもそもゲームなんて嘘ばっかりです。レースに限らず、SLGでもRPGでも、恋愛シミュレーションにしたって嘘っぱちです。嘘を入れなきゃ楽しくもなんともない作業にしかならないのは自明の理です。でも、それを嘘と感じさせず、プレイヤーにリアルを抱かせるのがクリエイターの手腕でしょう。
その理屈で言えば、本作の方向性は非常に正しい。筆者のようなゲーム下手な奴にも攻略出来て遊び倒せて、なおかつ「俺って実は天才なんじゃね?」と、勘違いさせた時点でクリエイターの勝利と言えます。この充足感をユーザーに与えることこそがゲームの使命なのです。
もちろん、これが個人的な見解である事実は承知してます。それは許せない人もいるでしょうし、リアルでストイックなドライビングゲームを楽しめる人も大勢いらっしゃることでしょう。それでも、筆者的には本作がナンバーワンの、マイフェイバリットレーシングゲームなのです。
なので、筆者はインチキドリフトなんてネガティブな命名はしません。いや、このネーミングには多分にリスペクトの意味も込められてるとも思えますが、筆者的にふさわしくありません。
筆者なら「ドリーミングドリフト」と、呼びたいと思います。……あんまりなネーミングなので、リッジドリフトでもよいかなって気がしてきました。




