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飛龍の拳 Ⅲ  〜記憶〜

 他にも、エンディングではフドウの怨念が大魔神を復活させ、そこで物語が終わっています。続編を予感させるハリウッド手法ですが、姿を消したスザクの存在にも言及している所に製作陣の熱意を感じます。筆者もとても気になっています。他にもありますが、キリがないのでこのへんで留めおくことにします。


 本作で飛龍の拳という作品に触れた筆者は中古ショップで前作のⅡを発見し、これもプレイしました。Ⅰは残念ながら未プレイです。後年、スーファミとPSでもシリーズがリリースされたことは知ってはいますが、こちらは格ゲーの色が強く、ストーリー性はあまりないらしいので未プレイです。というか、その頃にはすでにハードがPSに移行していたと思うので、プレイしたくてもできなかったでしょう。正統続編はゲームボーイでリリースされ、物語も一応完結しているらしいのですが、ハードを持っていなかったのでどうしようもありません。もしかすると制作スタッフに入れ替えがあったため、紆余曲折を経たのかも知れません。未プレイなのでなんとも言えませんが。


 ストーリーもさることながら、本作は難易度が三段階あり、独特のシステムにもチュートリアルが充実しており、ユーザーフレンドリーでもあります。筆者でもエンディングに辿り着けるのですから、丁寧に作られた作品です。なにしろ筆者は説明書もないままにプレイしましたから。ただ、当時スーファミでストリートファイターシリーズをやり込んだ世代には少々厳しい操作感であることも事実です。でも、ストーリー性がハンパなく高いので気になりません。事実、筆者は何度も繰り返しプレイしました。FC時代であることを考えると驚異でさえあります。


 それほどの作品なのに今ひとつ知名度が低いのは後年の地下鉄サリン事件が影響しているのかな? などともちょっと思ったり。確かに本作は密教用語を多用してますが、これは聖闘士星矢の小宇宙とか、聖戦士ダンバインのオーラ力のような意味合いに過ぎず、カルト教を肯定したい意図でないのは明白です。まあ、規制したい側はなんと言ってでも危険視するものですが。


 それを考えると、歴史に埋もれた感のある本作をプレゼントしてくれたM君には感謝することしきりです。本作を未プレイのまま死ぬのと、プレイして死ぬのでは人生の豊かさに大きな隔たりがあったとさえ思います。本作にとどまらず、筆者はしばらくドラクエシリーズはじめ、FCの名作と言われるゲームをプレイし続けましたから。

 それでも、筆者はプレイ本数は乏しいものの、本作はFCでもナンバーワンの傑作に位置付けています。


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