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君を好きになるのは、何度目だろう。 ~一週間ループの先に待っているのは、ハーレム天国!?それとも……~  作者: 月雲 天音
第4章

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第46話 木曜日の居場所

 木曜日。

 2時間目の休み時間。

 真央にメッセージを送る。


『おはよー。今日は何してるの?』


 もし、『秘密です』と返ってきたら、これまでと同じだ。

 だが、真央からの返事は違った。


『おはようございます。どこだと思いますか?』


『え?どこってなると……東京タワー?』


『何のイベントですか?(笑)』


『どこにいるの?』


『学校です。補講を受けてます』


 そうだったんだ。


『あら、一緒じゃん』


『そうですね……それで先輩』


『どした?』


『昼休み、会いたいです』


『いいよ。そっちに行こうか?』


『二人きりで会える場所、先輩が探してください』


『うーん、見つかるかなー』


『見つけてください』


『圧が強いな。笑 わかった。探してみるね』


『お願いします』


 チャイムが鳴る。


『では、先輩。お昼休みに』


『うん、後でね』



――――――――――


 昼休みになった。

 凛に謝って、お弁当タイムをキャンセルする。


 昼休みの学校を探索する。特別教室棟へ向かう。

 家庭科室は鍵がかかっていた。音楽室は、吹奏楽部の生徒が集まっているようだった。

 さらにいくつかの教室を物色していく。

 そして、見つけた。


 理科室の鍵が開いていた。


 そーっとドアを開け誰もいないことを確認する。


 理科室の中に入り、真央にメッセージを送る。


 まもなく、マスクに眼鏡、黒髪姿の真央がそーっと入って来た。


「先輩、こんにちは」


「後輩、こんにちは」


「よく教室見つけられましたね」


「後輩が無茶を言うから、気合いで探したよ」


「ありがとうございます」


 静かな理科室に二人の声が響く。

 理科室特有の薬品の匂いが鼻をくすぐる。



「それで、真央は毎週学校に来ているの?」


「はい、毎週月曜日の午後と、木曜日の午前に学校に来ています。でも、来週から全国ツアーでしばらく来れません」


「毎回、補講?」


「そうですね。オーディションを受けながら、高校も念のため受験していて、この高校に合格できました。でも、音楽活動が忙しくて、1学期は全く登校できませんでした」


「そうなるよね。仕方ない」


「はい、それで学校と相談して、2学期と3学期、基本毎週2回、補講を受けることで、2年生に進級させてもらえることになったんです」


「そうなんだね、事情はわかった。話してくれてありがとう」


「いえ、そんなことより、大事な用事があります」


「何かな?」


 オレの問いに答える代わりに、真央はバッグをゴソゴソしている。


 そして、水色の封筒を取り出した。


「先輩、受け取ってください」


 真央は封筒をオレに両手で差し出す。


 オレは、それを真央と同じように両手で受け取った。


「中身を見てください」


 オレは、封筒を開く。封はされていなかった。一枚の長細い紙が出て来る。この形状の紙が何かはすぐにわかる。


「チケットだよね?」


「はい、今週末のツアー初日のチケットです」


「ん……これ、最前列の……真ん中!?」


「先輩のために特等席を用意しました」


「こんなもの、オレがもらっていいの?周り、ファンクラブや関係者しかいないんじゃない?」


「何か問題ありますか?」


「Re:inだよ。ファンクラブでも入手困難なのに、オレなんかがいいの?」


「先輩に来てほしいんです……『甘えろ』って言ったの、先輩じゃないですか?」


「そうだけど……これは甘えてるの?」


「甘えてます。先輩に一番近くで見ていてほしいんです。私の最大の甘えです」


「……そうか」


「来てくれますよね?」


「うん、もちろん。真央を見に行く」


「ありがとうございます……心強いです」


「楽しみにしてるよ」


「はい……楽しみにしといてください」


 真央は笑顔を作る。

 だけど、その笑顔はどこかぎこちなかった。


「大丈夫、ちゃんと見届けるから」


「はい!ありがとうございます」


 今度は元気な声が返ってきた。



 その後、真央はマネージャーを待たせているからと言って、足早に帰って行った。



――――――――――



 翌金曜日も、真央とのメッセージを重ねる。

 夕方になる。


『先輩、お疲れ様です』

『リハーサル終わって、次はボーカルレッスンです』


 ん?もう一言がない。


『今のうちに、チョコでも買ってリフレッシュしたら?』


『先輩、そんな余裕ありません。チョコの影響でうまく歌えなかったら大変です』


『いやいや、そんなこと無いだろ?チョコをちょこっと食べなよ』


『……先輩……おやじ』


『おやじ、で止めないでくれ。ギャグまで言ってくれ』


『ふふっ。少しリラックスできました』


 雲の上でゆったりしているうさぎのスタンプが送られてきた。


『それなら、良かった』


『ありがとうございます。では、がんばってきまーす』


 水曜日までの強気がるばかりだった真央とは、少し雰囲気が変わっていた。

 

 レッスン後はのんびりとメッセージのやりとりをした。

 夜は、明日に備えてゆっくり過ごしたようだった。



 そして、土曜日を迎える。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

月曜日と木曜日の21時に投稿します。引き続き、お読みいただければ嬉しいです。

ブックマーク、リアクション、評価、感想等、とても励みになります。いただけたら有難いです。

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