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君を好きになるのは、何度目だろう。 ~親愛度100で記憶を共有したヒロインたちと、一週間ループを攻略する〜  作者: 月雲 天音
第4章

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第37話 平凡な高校生活

 真央との通話が終わると、22時近くになっていた。オレは、長袖のシャツを羽織り、公園へ向かう。


「ねぇ、聞いて聞いて。今日、この格好で大学とバイトに行ったの。そしたら、友達からもバイト先でも『どうしたの?そんなにおしゃれして…彼氏できた?』って言われちゃった」


 優花は明るく楽しそうに話す。


「堂々と、『彼氏できたんですよー、てへ』って答えた?」


「えー、まさか。笑顔ではぐらかしたよ」


 その後も会話は弾み、幸せな時間を過ごした。


 今週は今日と木曜日の夜に、優花さんと会う約束をしていた。そして、来週の日曜日は優花さんと初めてのデートだ。凛と彩芽が譲ろうとしない中、優花さんは、月に1度だけ土日のどちらかに会うことになった。大人の余裕だろうか。


 優花さんとの会話ではRe:inのライブ放送の話はしたが、真央のことには触れなかった。



――――――――――


 火曜日。

 通学路で、凛と合流する。

 挨拶を交わした後、凜から、


「昨日のMaoちゃん、かっこ良かった、ね」


 と話を振って来た。


「うん、最高にかっこよくて、心に響く歌声だった」


 オレは、素直な感想を返した。

 でも、凛にもここでは、真央の話はしなかった。



 2時間目の休み時間。スマホを確認すると、メッセージが届いていた。


『先輩、おはようございます。学校はどうですか?私は朝のレッスンを終えて、この後、打ち合せです』


 真央は、自分の正体を隠す気はないようだ。


『おはよう。授業も特に変わりなく、平凡な高校生活だよ。真央ちゃんは忙しそうだね。がんばってね』


 すぐに既読が付く。


『平凡な高校生活……少し憧れます』


 少し間があって、もう一通メッセージが届く。


『先輩は、私の正体、気付いてますよね?』


 オレはどう返すか少し迷う。


『髪の色が、黒からブラウンと水色に変わってて驚いたよ』


『先輩、そこですか?スプレーですよ』


『歌声、素敵だったよ。めっちゃ感動した』


『……ありがとうございます!私は、もっともっと頑張って、もっとすごい歌手になります』


『今でも十分すごいけど』


『そんなことないです。まだまだ修行がたりません』


 昨日の過呼吸と、声が出なかった様子が頭をよぎる。


『無理し過ぎないようにね』


『私は大丈夫です。まだまだがんばれます』


 その返事に、オレは少し心配になった。


『移動先に着きました。また連絡しますね。先輩、またね』


『うん、またね。ファイト!』


 最後に、ウサギのイラストに『元気モリモリ』と文字が入ったスタンプが送られてきた。


 そのスタンプに思わず笑った。



――――――――――


 昼休み。

 弁当箱を持って、凛の席に移動する。


 凛がジト目でオレを見つめている。


「ど、どうした?」


「奏多、休み時間にスマホ見て、笑ってた、ね」


「う、うん」


「楽しそうだった、ね」


「うん、まぁ」


「良かった、ね」


「お、凛の弁当のハンバーグ、美味しそう!一口ちょうだい!」


「ごまかそうとしてる、ね」


 オレは見事に、凛の『ね』攻撃の回避に失敗した。



――――――――――



 放課後は、彩芽が今日も補習があるため、一人で下校した。


 オレは、歩きながら、


『調子はどうだい?これは下校中だよー』


 と、真央にメッセージを送ってみた。


 既読はすぐには付かず、夜になってようやく既読が付き、返事が返ってきたのは、夜22時頃だった。



『先輩、絶好調です!これから、新曲の振り付け指導があります。まだまだがんばりますよ』


『大変だね。体壊さないようにね』


『ありがとうございます。トップシンガー目指してがんばります!』


 今度は、ウサギの目が炎で燃えて、『うおおおおー』と文字が添えられたスタンプが届いた。

 


 真央とのやり取りは、どこか不思議だった。


 画面の向こうにいたのは、今大人気の歌手。


 それなのに、送られてくるメッセージは年下の女の子そのものだった。


 すぐ既読を付けてきたり、スタンプを送ってきたり。


 そのギャップに親近感を覚えていた。


真央の送るメッセージは可愛いけど、一方で、強気な言葉が少し心配になってもいた。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

月曜日と木曜日の21時に投稿します。引き続き、お読みいただければ嬉しいです。

ブックマーク、リアクション、評価、感想等、とても励みになります。いただけたら有難いです。

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