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君を好きになるのは、何度目だろう。 ~親愛度100で記憶を共有したヒロインたちと、一週間ループを攻略する〜  作者: 月雲 天音
第3章

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第19話 新たな朝

「奏多、早く起きなさい……ほら、もう時間よ」


 先週までとは違う母の言葉で、月曜日の朝を迎えた。


 彩芽の親愛度を『100』にした次の日。

 この世界が始まって15回目の月曜日の朝だ。

 凜と作戦会議をするようになってから、何周目かちゃんと数えるようになった。


「奏多、寝ぐせついてるぞ」


 食卓に向かうと、先に朝ご飯を食べ始めている父が声をかけてきた。


 父と母のセリフは変わっていた。


 

 マンションを出て、ゴミ置き場の前にさしかかる。


「おはようございます」


 そこにいる女性にいつもと同じように挨拶をする。


「あら、奏多君おはよう!奏多くんも高校生かぁ。大きくなったねー」


 優花さんのセリフは、やっぱり変わっていなかった。


「そういう優花さんも、女子大生になっちゃったじゃないですか」


「うふふ、そうね。あ、遅刻しちゃったら悪いからこのくらいにしとくね。元気に学校がんばっておいで。奏多くん、いってらっしゃい」


 柔らかい声のトーンも優しい表情も何一つ変わっていない。



 優花さんに見送られながら、通学路を進む。

 いつもの学校500メートル手前の交差点。


「お、思春期の少年、おっはよー」


 ひかりも前の周までと同じ笑顔で、同じ言葉をかけてきた。

 最初にこのセリフが登場したのは……いつだったかよく覚えていない。


「おはよー。だから、思春期じゃねーし」


 とりあえず、いつもと同じ言葉を返しておく。




 教室に入り、凜の席に目をやる。

 既に席についてる凜は、オレと目が合うと、コクリと頷いた。

 昨日の出来事は報告済みだ。



 そして、昼休みを迎えた。

 弁当を食べ終えたオレは、情報クラスの方へ廊下を進む。


 友達と立ち話をしながら、ケラケラ笑う彩芽を見つける。

 彩芽もすぐに、オレに気付く。



「あれ、早川くんじゃん。こっちに来るの珍しいね。元気にしてる?」


「え?」


 オレは固まってしまった。


 彩芽が、ループしてる?



 そんなオレの反応を見て、彩芽がケラケラ笑う。


「かなたん、ビビり過ぎ!ウケるし」


「なっ!」


「ちょっとからかっただけだよ、かなたん!」


「ま、マジで焦ったし!」


「あはは、かなたんはからかい甲斐があるなー」


 そして、また笑う。


 そんなやりとりをしていると、


「順調そうね」


 聞き覚えのある声がした。


 声の主は、ひかりだった。

 ひかりも情報クラスだ。ここにいて、不思議ではない。

 だけど、どういう意味だ?


「……何が?」


 オレは、疑問をそのままぶつける。


「学校生活、かな」


 それだけ言うと、ひかりは振り返りもせず、歩き出した。


 ……なんだ今の。


「ねぇ、かなたん。何、ボーっとしてるの。説明してほしいんだけど」


「あ、うん。そうだね。ここじゃ人多いし、場所変える?」


 二人は人気が無い、特別教室への階段付近に移動した。


 改めて奏多が問う。


「ねぇ、あやちゃん。昨日までのこと覚えてる?」


「えー、何のことー?」


「また、そういうこと言う」


「あはは……ちゃんと覚えてるよ。何回も繰り返したことも……あの、昨日のことも」


「そっか、良かった」


「かなたんこそ、忘れてないよね?」


「え、何を?」


「何をって……あたしのこと……好きって……きゃー、恥ずかしい」


 そこまで言うと、彩芽は大袈裟にはしゃいで顔を両手で覆う。


「も、もちろん。覚えてるよ。オレだけじゃなくて、あやちゃんもーー」


「はい、ストーップ!昼間の学校で全部話すこと無かれ」


 彩芽が顔を真っ赤にして静止する。


「それじゃあさ、放課後、改めて話そうよ」


「いつものように帰りながら?」


「駅の近くによく行く喫茶店があって、そこで話そう」


「うん、わかった」



 放課後、『ドゥ・アメール』で続きを話すことになった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

33話まで毎日夜9時に投稿します。引き続き、お読みいただければ嬉しいです。

ブックマーク、リアクション、評価、感想等、とても励みになります。いただけたら有難いです。

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