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君を好きになるのは、何度目だろう。 ~親愛度100で記憶を共有したヒロインたちと、一週間ループを攻略する〜  作者: 月雲 天音
第2章

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第14話 完全な拒絶

 金曜日は凛と作戦会議をし、土曜日は図書館デートを楽しみ、彩芽攻略3周目は終わった。


 そして、4周目の月曜日。

 今日から7月に入るが、天気は雨が続いていた。


 この周でも月曜日は、昼休みに彩芽に会いに行き、放課後、一緒に下校した。

 火曜日までは、1周目と同じ会話をなぞった。


 

 水曜日。


 作戦会議で、一日早めて、この日に一歩踏み込んでみることに決めていた。


「なんかさ、最近ずっと雨だね」


「梅雨だからね」


「テンション下がるわー。でもまぁ、かなたんと帰れるからプラマイゼロだな!」


「それってオレの価値、軽くない?」


「そんなことないよ、かなりの高評価よ?あたしの中ではかなたんはランクS!」


「基準がわからない」


「あはは!」


 3周目の水曜日と同じ会話をしたその後にーー


「あやちゃんってさぁ……」


「どうした、かなたん?」



「いや、あやちゃんって、めちゃ明るくて、一緒に話していてめちゃ楽しい」


「どうしたんだ、かなたん。改めて言われると照れるぞ!」


 前回と同じように、ケラケラ笑う。


「でも……」


 オレは切り出す。


「あやちゃんって、明るいだけじゃないよね」


「……は?」


「ずっと楽しいだけじゃなくて、何か抱えてるものがあるのかなーって、ちょっと思った」


「な、何を言い出すのさ」


 彩芽の表情が苦笑いに変わる。


「オレで良かったら、話聞くよ」


「ちょっと何言ってるのかわからないんですけど」


「あやちゃんが抱えているもの、オレも一緒に背負うから」


「だから、話してほ……」


「はい、そこでおしまい!そういうの重すぎて全然無理!あたし、抱えてるものなんて何もないし。2、3日一緒に話しただけで、何がわかるのって思うし……勝手にわかってる気にならないでよって感じ」


 彩芽は俯き加減に続ける。


「……なんか残念。かなたんとは仲良くやっていけると思っていたのに」


 その言葉が深く刺さった。


「ご、ごめん」


「ううん、いいよ。かなたんの優しさだったと思うし。じゃあ、今日はこれで帰るわ。学校で会ったら、また楽しく話そうね。バイバーイ」


 最後は笑顔を作り、手を振って彩芽は去っていった。



―――――



「完全にやらかした、ね」


 一日早めて木曜日の喫茶店『ドゥ・アメール』での作戦会議。

 オレの心は、『ほろ苦い』なんてものではない。


「一日早かったのがダメだったのかな?」


「それだけじゃないと思う、よ」


「どういうこと?」


「彩芽ちゃんは、心に土足で踏み込んでほしくなかったの、かも」


「でも、前の周では、親愛度が上がったのに」


「それは、『触れた』だけだったから、かも。昨日は、そこから更に踏み込んだ」


「それがダメなのかー。仲良くなれるのは超速いのに、そこから前に進めないなぁ」


「それは、奏多だから速く仲良くなれたんだと思う、よ」


「どういうこと?」


 凛がコーヒーを一口飲んだ後、語り始めた。


「私が、彩芽ちゃんが攻略対象じゃないかと思ったのには理由がある、よ。去年の宿泊研修で彩芽ちゃんと同じ班だった」


「うん、それで?」


「夜、布団に入ってからみんなで女子トークをした。ここからは、機密レベルSの極秘情報だ、よ」


「う、うん」


 オレは、ゴクリと唾を飲み込む。


「女子トークで、気になる男子を一人ずつ言っていくことになった……彩芽ちゃんは、奏多と答えた、よ」


 そこまで、言うとまたコーヒーを一口飲んだ。


「奏多のこと、『大人しくてクールだけど、全部受け止めてくれそう』と、言ってたよ」


「その情報、もっと早く欲しかったんだけど」


「女子の恋バナは機密レベルSだから、今まで話さなかった、よ」


「そ、それはわかるけど……ちなみに凛は、誰って答えたの?」


「それは今、関係ない」


「あ、誤魔化そうとしてる?」


「余計なこと言うと、怒る、よ?」


 オレはそれ以上聞くことは止めた。



「聞いてほしいんじゃなくて、受け止めてほしいんだと思う、よ」



――全部、受け止める。


 それは、どうすればいいんだろう。

 


 その答えが、まだ見えなかった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

17話まで、毎日21時に投稿予定です。良かったらブックマークして読みに通っていただけるととても嬉しいです。

ブックマーク、リアクション、評価、感想等、とても励みになります。いただけたら有難いです。

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