第3話 帝都動乱3
朝の禊が終わる頃には日は完全に昇っていた
……。
(毎回の事ながら…)と、冬の冷たい水で禊
を済ませ、何十回と身体を清められたアイオ
ーンは、歌姫の正装に合わせた白を基調とし
騎士装束に袖をとうし、禊場を出て歌姫の屋
敷の本丸へと移動した…。
(冬は、流石になぁ…)と、禊で冷えた身体
を震わせるアイオーン。歌姫は帝国の信仰の
中心であり…、穢れを嫌う!と、云われてい
る。伝承の頃より続く生ける神と対面するの
だ…(これくらいはいいか)と、アイオーン
は、自分自身で納得し…、まだ主が居ない…
食堂へと、足を踏み入れた…。
数名の使用人が…アイオーンに頭を垂れ…、
アイオーンは、黙礼する。食卓には既に、ア
イオーン用の食事が用意されていた…。
歌姫の騎士の食事は、簡素なもの…。本来で
あれば…主である歌姫の登場を待つのが礼儀
ではあるが……。「私…寝起き悪いから…」と
歌声は、アイオーンが先に食事を摂る事を黙
認している。そして…歌姫は、アイオーンが
先に食事と摂ってないと、「調子悪いの?」と
無用の心配をする。(まったく…)と苦笑しつ
つ、アイオーンは、簡素な食事を摂った…。
(……………)
朝の食卓の静謐。食事を済ませたアイオーン
は、珈琲を飲みながら…、今日の新聞に目を
通していた…。
(これは…、昨日の…)と、気になる記事を
みつけるアイオーン。そこには…、昨日の外
敵による蒸気船からの砲撃事件が載っていた
……。
外敵の蒸気船!帝国を砲撃す!新たな英雄達
の誕生!!!
と、謂う見出しだ……。
首都砲撃と言うのに、一面のトップではない
記事を読みつつ、(帝国の絶対神話か…)と、
アイオーンは、珈琲を啜った…。
朝の静謐な食堂…。と、そこへ…騒がしい
使用人達の声が近づいてくる…。
(いつもの事か…)と、新聞を片付け、珈琲
を飲み切るアイオーン。そこで勢いよく食堂
の扉が開かれた!!
勢いよく開かれた扉から、食堂に入ってくる
のはアイオーンと同様に朝の禊を済ませた歌
姫マリア アンコール。歌姫の騎士は朝の禊
で、身を清める。と、同意で、歌姫も俗世に
染まらぬようにと、朝の禊をする…。
「おはよー……」と、青白い表情で、食卓に
座るアイオーンに朝の挨拶をする、マリア。
彼女は、最高に寝起きが悪い…が…朝から、
食欲だけは人の倍はある。
寝起きの青白い表情をしながら、食卓に座る
マリア…。そして…朝食を喰らう!喰らう!
それを好機!!と、捉えた使用人達は、騒が
しく、マリアの朝の支度を整える。これが…
歌姫の騎士アイオーンと歌姫マリア アンコ
ールの日常の始まりである。
(さて…、今日は、どんな1日になるやら)
と…、アイオーンは聖女とは思えない勢いで
朝食を喰らうマリアを眺めた…。




