第3話 帝都動乱4
朝食を喰らい…、使用人達に身支度を整えら
た歌姫は、朝食を摂り、いつもの調子を取り
戻していた…。歌姫の正装である、白を基調
とした、装束を纏い…学び舎へと向う歌姫。
歌姫神話に於いて歌姫信仰の最高位に立つ歌
姫に学習は必要なのか?と、疑問に思う事で
は、あるが…歌姫や帝国に住まう少年少女は
スラム街出身者等の理由以外の者は、帝国政
府が管理運営する国立の学園で学ぶ事が義務
とされていた…。
まぁ…帝国政府が管理運営する国立の学園は
魔術を学ばせ、魔法大国である帝国の質を高
める為にではあるが…。
朝の通学路で学友達に囲まれ談笑に興じる歌
姫…。その後ろ姿を眺め、アイオーンは…、
(今日も平和だなぁ)と呑気に構えていた。
もしも、歌姫の学友が不穏な行動を取ったと
しても、アイオーンは…歌姫を囲う学友達を
一瞬で沈黙させる事ができる…。しかし…
歌姫の騎士と謂う立場上…必然的に歌姫と、
学友達と同じクラスになるが…学友達は…、
一度たりとも不穏な動きを見せた事はない。
完全に緩みきったアイオーンではあるが…油
断はない…。学友と談笑し通学路をゆく歌姫
その背中を一歩…引いた所で眺めるアトスと
云う少女は、金髪碧眼と言う一般的な帝国国
民と一線を画し、虹色掛かった黄金の瞳を有
していた…。
歌姫の学友達は、中間考査等で一桁台の点数
を付けられ…「NO1より、個性を大切に〜」
と、謂う…所謂…落ちこぼれ…。その中で異
彩を放つのが…アイオーンの隣を歩くアトス
と言う少女…。顔立ちも良く文武両道な彼女
は、賢者と同じ虹色掛かった黄金の魔眼を持
ち…、才覚が有るにも関わらず…、何故か?
落ちこぼれ達の烙印を押された者達と行動を
共にしていた…。
「なぁ…アトス…。」と、自分の隣を歩くアト
スに声を掛けるアイオーン…。アトスは、少
し首を傾げ…「なんでしょう?」と無表情で
アイオーンに応える…。
「今年も、同じクラスで良いのか??」
と、云うアイオーンの問いに無表情で空を仰
ぐ…アトス。空を仰ぎ一考したアトスは…、
ぽつりと、呟く「私は…お邪魔者ですか?」
と……。
確かに、歌姫の騎士アイオーンと歌姫マリア
が学園に通いはじめてから同じクラスに居た
アトスは、異様だが…邪魔者ではない……。
(その辺…どう伝えよう…)と、今度は…、
アイオーンが空を仰ぐ番になった…。と…、
そこへ…「隙あり!!」と、アイオーンの背
後を取りアイオーンの後頭部を軽く拳骨する
声…。(またか!?)と、呆れるアイオーン
の後ろには、白銀の魔眼と銀髪を有する少女
…、ユフィが居た。
ユフィ アスタロス 彼女は、反帝国政府を
掲げる反帝国組織群 銀狼 の巫女になるべ
く…帝国の学園に潜伏し魔術を学んでいた。
ユフィ以外にも、帝国政府に潜伏する銀狼の
学徒は、大勢いる…。学徒以外にも、帝国の
首都ヴァルハラには、帝国国民に成りすまし
帝国の首都に潜伏している魔法使い達も存在
している…。
「お前さぁ…」と、ユフィに呆れるアイオー
ンは、軽くため息を付き…日常を満喫してい
た…。しかし…彼 彼女等は、知らない…、
こんな穏やかな日常が終焉を迎える日がくる
事を……。




