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暁の少年  作者: 川里麗ニ
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第2話 幕間4

一発即発の空気。銀槍を構える白銀の者と、

不敵な笑みを浮かべるアイオーン。アイオー

ンは、表面上は、余裕を見せてはいるが…、

内心では、焦っていた。アイオーンは純然な

る帝国国民ではない。混血の証。薄紫色の

魔眼を持つ…、辛うじて魔法を使える程度

の話。しかし…相手は、曲がり曲がりも賢

人に次ぐ魔力を秘めた白銀の魔力を持つ者。


全く白銀の瞳を持つ者と対峙した事がない訳

ではないが…(精霊を呼ぶか?いや…隙がな

い)と、白銀の者を観察するアイオーン…。


アイオーンの戦闘スタイルは、混血の僅かな

魔力を糧に、四大精霊を身体に憑依させると

謂う、虎の威を借る狐の状態。白銀の魔眼を

相手にするには、基礎的なスペックが足りな

い。


「…来ぬのなら…こちらから行くぞ!!」

白銀の者は、一足でアイオーンの懐に入る!

(早い!!!)と、目では追えたが…身体が

付いていかない!!アイオーンの防御結界を

貫通し、迫った銀槍を身を捻って躱したアイ

オーンだが…、銀槍より浮き出た魔力と破壊

的な衝動までは、抑えきれなかった!!


銀槍の槍の一撃で、後方の建物まで吹き飛ば

されるアイオーン。


(参ったな…。基礎が違いすぎる…)


と、瓦礫に埋もれながら、思考を巡らせる。

白銀の者の一撃で、吹き飛ばされ、相手の間

合の外に吹き飛ばされたのは、怪我の功名。


(先ずは、一角の精霊を呼ぶか?いや、白銀

の瞳の魔法使いと、拮抗するなら、三角は、

欲しい所だな…)


瓦礫の中から、ゆっくりと起き上がり、白銀

の者へと、歩み寄るアイオーン。その時だ!!

アイオーンの耳元で声がする…。


「お手伝いしましょうか?」

いつの間にか現れた黒髪の少女の声に目を見

張るアイオーン…。


「また、勝手に出てきたのか?シルフ…」


と、アイオーンは、黒髪の少女に聞く…少女

は、どこか…満足気な表情を浮かべる。


「長期戦は…不味い。一気に決める!!」


アイオーンの判断に微笑む風の精霊…シルフ

……。


先ずは、風の精霊が、アイオーンの身体に、

憑依する。そして、「ノーム イフリート ヴ

ンディネ…」と、風 地 火 水 の四大精

霊…、全てが…アイオーンの身体に憑依する

……。全ての精霊を召喚し終えた虎の威を

借る狐である、アイオーンは、魔眼の色を、

混血の証である、薄紫色から、一般的な帝国

国民と同等の碧眼に変え、現在は、白銀の魔

眼へと進化していた!!!


アイオーンの変化を観察する、白銀の者…。


アイオーンは、相手の間合いギリギリで立ち

止まり……、「暁の精霊王。その真髄をみせよ

う…」と、静かに宣言した。


遠く離れた場所からも観測できる光の柱…。

闇夜を煌々と照らす、光の柱の下には、歌姫

の騎士アイオーンが居た…。


昼間が来たのか!?と、思わせる光量に目を

眩ませる白銀の領主。光が収縮し、闇夜が再

び、黒くなる所で、白銀の領主は、目を見張

った…。


光の巨神がアイオーンの背に立ち、煌々と、

輝くアイオーンの身体…。そして…最も注視

すべきは、薄紫色から碧眼へそして…白銀へ

更に上位の魔眼…、賢人のみが有するとされ

る虹色掛かった黄金の瞳へと、アイオーンが

変化していた事…。


歌姫の騎士アイオーンの道り名は、暁の精霊

王。それは、アイオーンの薄紫色の瞳が…、

夜明け前の空の色に酷似していたから。だが

…、四大精霊を使役するアイオーンは、僅か

数分程だが…帝国の最大戦力…、黄金の焔と

互角に渡り合える。


僅か数分と謂う期限付きでは、あるが…、今

を凌げればいい。と言うアイオーンの判断。


(さて…どうでる?)


と、白銀の領主の出方を伺う、アイオーン。


白銀の領主は、顎を擦り、アイオーンに背中

を見せる。


「連れて行け…。」

と、言葉を短く…、アイオーンに背を見せ屋

敷へと、入る白銀の領主…。


それと、入れ違う様に幼い売春婦は、玄関か

ら、飛び出しアイオーンの眼前に踊りでる。


「どうして…!!」と問う、幼い売春婦に

アイオーンは、膝を付き答える…。


「我が主…歌姫 マリア アンコール の命

により、貴女をお迎えにまいりました。」


ただの一撃でボロボロのアイオーンだが…、

先ずは…、歌姫の命を全う出来た事に納得

できた…。


(本当…毎回、ずだボロだな…)

と、己の非力差を悔いつつ、差し伸べた手を

握り返した、幼き売春婦の手を取り、アイオ

ーンは、帰路に立つ…。


そして…事の顛末…。


幼き売春婦は、歌姫の屋敷に使用人として、

奉仕する事に決まったが…それ以来の便りは

ない。歌姫もアイオーンも、敢えて会話には

ださない…。しかし…ながら、風の噂で聞く

と、幼き売春婦は、百合の君 と、云われて

いるらしい。確かに、スラムと言う過酷な環

境で、凛としていた、彼女は、たくましいが

……。


と、朝の禊に向うアイオーンの姿を捉え、駆

け寄ってくる百合の君…。


「アイオーン…様!!」

と、久方ぶりの再会に、百合の君は、息を切

らし、駆け寄ってきた。


「元気にやってるか?」と、言う問いに百合

の君は、「はい!」と、笑みを浮かべる…。


「これ!歌姫様に!!」と、百合の花束を差

しだす百合の君…。


(百合…。百合ねぇ……、……)と、頭を捻

ったアイオーンは、まかさ!!と、百合の姫

に、聞く…。


「お前…。喰ったのか??」

元 売春婦の百合の君は、環境に応じて対応

したらしい…。陰ながら歌姫を護衛する猛者

達から、軽くわざとらしい咳払いを聴きなが

ら、アイオーンは、(適応率!高すぎ!!)と

百合の君のたくましさに舌を巻いた…。


恐らくは、男女問わずにゆけるのだろう…。


「では、歌姫様に、よろしくお願いします」

と、大輪の笑顔を咲かせ、その場を離れる百

合の君…。「はははのは…」と、笑い…、

今日も、1日が始まるなぁ。と思うアイオー

ン……。



だが…誰も予想しないだろう。この少年、アイオーンが…現政権を崩壊させ、伝承の時代

より、続く支配より大陸を解放する事など…

……。


大陸歴ーーーー年 冬 新時代の幕開けは、

確かに始まりを告げていた……。




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