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暁の少年  作者: 川里麗ニ
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第6話 暁の少年2

武芸とは…常に…二段構えであり…常に…、

二手先…三手先を見据え…繰り出されるもの

である…。しかし…黄金の焔に…武芸の定石

は…通用しない…。鋭く洗練されながらも、

荒々しい…黄金の焔の剣は…二手先…三手先

に思考を働かせるアイオーンの一手を豪快に

弾き、あらかじめ…二手先…三手先の定石を

打ち砕いていた…。


(…流石に、現状維持で、相手にするのは…

厳しいか!!)


砕けそうな剣を捨て…アイオーンは…現状の

自分の最大速力で…黄金の焔の視線を撹乱さ

せる…。しかし…黄金の焔は…下手に動かず

視線でアイオーンの姿を捉えていた…。


(…あの頃よりは、少し速くなったか…だが

…それだけだ!!)


撹乱から…攻撃に移る…動…の反応を…黄金

の焔は…逃さない!!


撹乱から…攻撃に転じる線となり…拳を繰り

出す…アイオーンを黄金の焔は…返り討ちに

した…。


黄金の焔の拳の直撃により、ゴムボールのよ

うに、弾み…転がる…アイオーンの身体…。


二転三転し、直ぐ様…態勢を立て直すアイオ

ーン…は…疲弊しきった顔で黄金の焔を見据

える…。


(…参ったな…魔法を使わずに…純粋な身体

能力のみで…この差…勝てる気がしない…)


歴然とした…戦力差に絶望する…アイオーン

は…ひとつの賭けをしてみることにした…。


「…先生…」


「泣き事なら…聞かねーぞ…」


「…お互い…本気で勝負しませんか??」


アイオーンの言葉に…、黄金の焔は…思考を

回転させる…。


(…真っ向勝負…か…コイツと…真っ向勝負

したのは、卒業記念…以来だな…。精霊の王

も…召喚せずに…俺の本気に…どう応える…

…??)


僅か…数分の戦闘で…ボロ雑巾のような有様

を晒す…アイオーンを眺める…黄金の焔…。


(…ここで…死ぬ気か…起死回生を狙うか?

何を求めてるかは…知らねーが…)


「まぁ…いいだろ…手向けだ…持ってけ!」


黄金の焔は、水平に手を夜空に…翳す……。

ただ、それだけで夜空を覆う曇が消失し…、

黄金の焔の周りで、燃えていた黄金の炎が…

黄金の焔の利き腕に収縮した。その刹那…!


黄金の焔が…敵!と認識したもののみを焼く

炎が巨大な火柱を上げ…月明かりさえも吹き

飛ばし、夜の闇を、煌々と照らす…。


不思議と…熱は感じられない…恐怖もない…

ただ…ただ…美しい…と、感じる黄金の炎。


黄金の焔は、嘗て…「俺の…魔法はな…俺…

個人…が…小規模な太陽みたいなもんだ…」

と、弟子に…語っていた。


(…一瞬だ!先生…が…本気をだした…一瞬

だけが…付け入る隙になる…)


僅かな勝機を待つ…アイオーン…。「行くぜ」

と、黄金の焔は…呟く…それが…合図のよう

に…アイオーンと…黄金の焔…が…動く!!


利き腕を振り翳す…黄金の焔…それと同時に

一閃に凝縮された、炎の閃が走り…爆炎が…

遅れて立ち登る!!摂氏数万度の炎に…、

身を晒し、ほんの一瞬だけ…精霊王を召喚す

るアイオーン!!黄金の焔は、(直撃か!)と

気を緩めた瞬間!!爆炎の中から、アイオー

ン…が…消えた!!(燃え尽きた!?いや…

違う!!)と、黄金の焔…が…気付いた時に

は、爆炎で焦げたアイオーンが…黄金の焔の

背中を取り…魔力を凝縮させた、拳を炸裂さ

さていた!!


全ては…ほんの一瞬の出来事。黄金の焔は…

賢人達の中でも規格外の戦力だが…それ故に

本気で闘った機会が少ない…。本気を出す事

に慣れていない…。そこに一瞬の油断や隙が

産まれる。アイオーンは…黄金の焔のしごき

に耐え、見事に、歌姫の騎士の座に就いた時

…卒業記念として、本気の黄金の焔と闘った

記憶がある。その時の経験より一瞬の勝機を

見出す事が…出来た…。


(感触は!確かに…あった!!これで…!)


アイオーンは、黄金の焔…が…転がった先を

見据える…。微動だにしない黄金の焔…(や

ったか!?)と、安堵するアイオーン…しか

し…次の瞬間!!ガバリと…上半身を起す…

黄金の焔!!(ただの拳なら、いざ知らず!

魔力を込めた拳で無傷!!化け物かよ!!)

と、驚愕するアイオーンの視線を受けつつ…

立ち上がる…黄金の焔は…「俺の負けだ!」

と、高々に宣言する…。


「…まだ、余力は…あるでしょうに…」


と…言う…三賢人の筆頭の言葉に黄金の焔は

「本気を出して負けたんだ…!三賢人の拒否

権を行使する…俺の負けだ…」と…軽く抗議

した…。


「まぁ…ただ…負けるのも…なんだしな…歌

姫…が…逃げないように、監視はするさ…」


黄金の焔は…一服を吹かし…その場にへたり

込む…嘗ての歌姫マリアの脇に腰を下ろした

…「あとは…好きにしろ」と謂うように…。


(自由奔放だな…)と…呆れ顔で…黄金の焔

を見据える…アイオーン…。その刹那…!!

鋭い殺気…が…アイオーンの背筋を奔る!!


殺気の方へ振り向く…アイオーン…そこには

賢人の最大戦力…黄金の焔の魔術さえも停止

させるアンチマジックの使い手…、三賢人の

1人 氷結の使者 が…アイオーンを見つめ

ていた…。


(マズイ!!氷結の使者は…対…黄金の焔…

専門に三賢人に登り詰めた暗殺者!魔力を封

殺されたら…勝ち目は…ない…!!)


焦るアイオーンを他所に…氷結の使者の唇に

不敵な笑み…が…浮かぶ…そして…月明かり

が…消えた!!上空が…急に暗転し、夜空を

仰ぐ…アイオーン…そこには、(氷塊!!)と

夜空を覆う蓋のように巨大な氷塊が…、造り

出されていた!!


(単なる氷塊…程度は…破壊出来る!だが…

この氷塊は…どれだけ砕いてもその飛礫が…

襲ってくる!!)


氷結の使者…が…創り出した氷塊を防ぐには

氷塊を形づくる魔術そのものを無効化しなけ

ればならない…(魔術の無効化や…獅子の拳

を持つ淑女…のような…アンチマジックは…

極稀に産まれる稀少な存在…!どうする!)


氷塊の重みで…圧死するか!飛礫で…全身を

切り刻まれるか!?四面楚歌の状態で判断を

迫られる…アイオーン!!


その…刹那だった…!!闇夜に躍り出る白銀

の影…が…氷塊と、衝突した!!状況を飲み

込めないアイオーンは、(魔術の無効化!?)

と、驚愕!!そして…砕かれた氷塊の飛礫が

月明かりに照らされ…煌めく…その中を…、

一本の聖槍を手にした…反帝国政府群…銀狼

の巫女見習い…ユフィ アスタロスが戦場に

降り立ってきた…。


聖槍を構えるユフィ アスタロス…それに…

続き…観衆を掻き分け現れたのは…マリアの

学友…通称…落ちこぼれ組の面々…。


「反帝国政府群 銀狼 学徒遊撃隊 参上」


学生服から…銀狼の軍服に袖をとうした学生

集団は、戦場に集結し…高らかに宣言した!







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