第5話 決戦前日譚3
反帝国組織群 銀狼…の…巫女代理を務め…
反帝国組織群の最高戦力と…謳われる…獅子
の拳を持つ淑女…の…突然の告白に、アイオ
ーンは…他人事のように…首を傾げた…。
確かに…アイオーンは…戦災孤児が集まる…
帝都の中層都市の孤児院に預けられた過去が
あるが…獅子の拳を持つ淑女…が…母親だ!
と…謂われても…実感…が…湧かない…。
「貴方は…ね…。不屈の精神を持っていた…
傭兵と…私の間にできた子よ…」
と…、獅子の拳を持つ淑女…は…語り出す。
アイオーンは…不屈の精神を持っていた傭兵
と…淑女が…まだ…乙女だった頃に、戦場で
出逢った…淑女と傭兵の間に産まれた混血児
であった。まだ…反帝国組織群 銀狼と帝国
が…激しくぶつかり合う乱世の世で出産後も
前線を駆け抜けていた…傭兵と淑女であった
が…ある日…傭兵は…戦地で右脚をなくした
……。それからの傭兵は、戦士としての誇り
を失い…酒に溺れた…。
「まだ…誇りを失っても…酒に溺れても良か
った…。でもね…酒に溺れた勢いで…貴方を
手に掛けようとしたのは…見過ごせなかった
…だから…貴方の父親は…私が…殺した…」
それは…アイオーンの預かり知らぬ事だ…。
幼少期…アイオーンは…物心が付いた頃には
孤児院で生活していた…。混血児と蔑まれな
がら…。
「…あの当時は…本当に各地で激戦でね…。
私の手元に貴方を置けなかった。だから…単
身で…私は…帝都に忍び込み…戦場を静観す
る…帝国内部に、貴方を預けた…。それが…
当時の…私の…限界だった…」
(…こんな時に…冗談を謂う…とは、思えな
いし…事実なんだろうなぁ?でもなぁ〜…)
と、アイオーンは、疑問を口にする…。
「俺達…何度も衝突して…死にかけたよね!
初見なんか…真面目に殺す気してたよね!」
「…アレは…本当に!ごめなさい!!私は…
貴方は…預けた孤児院で暮らしてるって…思
ってて…!!貴方が…先代の歌姫に引き取ら
れた…とか!?黄金の焔を師に持ち…若干…
3歳で…歌姫の騎士に就いてた!?って…知
らずにいて…!!貴方の事を…知ったのは…
激戦の夜を超えてからだったの!!」
(激戦の夜…?あの時の事か…?)
アイオーンの在りし日の記憶…。アイオーン
は…若干3歳で歌姫の騎士となり、精霊の威
を借り…無双していた…時代…が…あった。
獅子の拳を持つ淑女…との初見…絶対破壊の
能力を前に、アイオーンは…歌姫を負傷させ
る!!と謂う、事件を起こし…一度は、歌姫
騎士の座を追われた事があった…。激戦の夜
とは、その後…黄金の焔とマリアの計らいで
一時的に、歌姫の騎士の座を任せられた名誉
挽回のチャンスだった…。辛うじて…歌姫の
屋敷に…直接…襲来した…獅子の拳を持つ淑
女…と、痛み分けになった…激戦の夜を越え
て…現在のアイオーン…が…居る…。
「あの夜は…いいけど…名乗り出るなら機会
は…幾らでもあった筈…だが??」
「獅子は…己の子に…厳しいのよ!!」
獅子の拳を持つ淑女…の家庭は…スパルタで
あった…。
「なら…質問を変えよう…空間の狭間まで…
侵入してきたのは…告白しにきた訳じゃない
だろう??」
「…ご明察…♥…飲み込み早くて助かる♥♥」
と…獅子の拳を持つ淑女…は、語り始める…
「12月24日…に歌姫は…刑に処される。
せっかく…歌姫の儀…が…失敗して…大陸の
戦力図…は…反帝国組織群に傾いたのに…、
ここでまた、新たな歌姫を担ぎ挙げられても
反帝国組織群を囲う勢力…が…また帝国側に
傾くの…。私達 銀狼の本丸は、奇跡として
ではなく…1人の少女として…嘗ての歌姫を
出迎える用意を済ませているの…だからね…
独りで…抱え込まないで…私達 大人を…
信じなさい!!」
孤立無援 四面楚歌 で、現体制の支配者に
喧嘩を仕掛けようとした…アイオーン…は…
(行動…読まれてるなぁ〜)と…愛想笑いを
し…、思考を巡らせた…。
(…銀狼の本丸を味方に付けたとしても…、
現体制の最強の魔法使い集団…十二賢者には
届かない…。さて…なにか決まり手になる…
方法は…ないものかな…)
と…、アイオーンは…真っ白な空間の狭間を
眺めながら…施策を開始する…。
最後にして…最高 最大の切り札は…ないも
のか…と…。




