第4話 彼…彼女の選択…4
嘗ての歌姫マリアの言葉を黙って待つ…歌姫
の騎士アイオーン…。
「…私は…」と…口を開いた…嘗ての…歌姫
は…語りだす…。
「…私は、皆…が…望む…奇跡を起こせる筈
だった…歌姫…。だから…私は…誰かに手を
差し伸べてきた。御母様に…貴女は…絶望か
ら…産まれた…奇跡を照らす娘よ。って…」
それは、先代の歌姫アリア アンコール…が
…娘に遺した…呪い…のようなもの…。今は
亡き…先代の歌姫も…また…自己満足な善良
を…振り撒いていた…。その背中を見ていた
マリアも、また…歌姫は!こうあるべき!!
と…自己満足な善良を振り撒いていた…。し
かし…今は…その大前提…が…崩れた…!!
「なんで…歌姫の中でも悲愛の人物と記録に
遺る…三代目の歌姫様…と、同じ名前…かは
分からないけど…私は…私なりに努力してき
た…つもり…だったよ…」
と…心情を語る…マリア。その瞳は…虚ろで
…嘗ての生気に溢れた瞳の輝きは…ない…。
「…奇跡を起こせなった歌姫は…四代目の歌
姫…再誕の地…帝都の中央広場で、処刑され
る事が…決まっている。今の話だけだと…、
刑に処されても…いい。と…聞こえるな…」
平静を保ちながらも…どこか?怒気を孕んだ
アイオーンの声…。マリアは…俯き、悲壮感
の中に沈むように頭を垂れた…。
「…奇跡…が…起こせないのが!!どうした
!!…少なくともとも、俺は…そんなこと…
知らない!!望み…もしない!!お前は…こ
こで…死を選ぶ!のか!?」
アイオーンの怒声に目を見開く…マリア…。
「…ちょ!!…オリン!!」
歌姫だから…奇跡を…起こして当然…。誰か
を救うのも必然と…思っていたマリア…。し
かし…その前提が崩れ去ろうとしている!!
「奇跡を起こせなった歌姫は、刑に処される
…が…それは…ここからお前を逃せば回避で
きる事だ!!だがな…今!ここを出てどうす
る!?反帝国組織群の内にも、奇跡の歌姫と
して、帝国に変わり…大陸の支配を望む組織
は、ある!!それらから逃れるためには!!
生きる覚悟が必要なんだ!!もう一度…聞く
!!お前は、生か死か!どちらを選ぶ!!」
アイオーンの怒声を聞き、再び生気を宿す…
マリアの瞳…。
「…ちょとぉ〜…怒らなくてもいいでしょ」
「…悪い…熱くなりすぎた…」
いつもの2人は、仲睦まじぐ微笑み合う…。
「私の為に…怒ってくれて、ありがとう…。
私は…なにをなせるか…分からないけど…
生きたい!!と、思うよ…」
「それが…お前の答えか?」
アイオーンの問いに笑顔で頷くマリア…。
「死刑の日よりは…今から数日後…反帝国
組織群 銀狼…の動きに合わせ日にちは…、
前後するが…今の俺じゃあ…お前を真の意味
で…救えない!!だから…待っててくれ!!
必ず!!お前を救う!!」
確たる意思の表示…。アイオーンは、マリア
に、背を向けて歩きだす。
「…信じてるよ…」
と…言う、マリアの声を背に……。
これ以上の会話は、必要ない。アイオーンの
心は…とうの昔に決まっている。自分は…、
真の歌姫の騎士になると謂う覚悟が、今の…
アイオーンを突き動かしていた…。
アイオーンの心象風景に…在りし日が廻る…
あの時から、アイオーンにとって奇跡の象徴
は…マリアと…謂う…少女であり、自分は…
マリアを護る!!と、誓った…。
(今こそ…その役目を果たすべきときだ!)
アイオーンは、拳を強く握り締めた…。己の
覚悟を確かめるように…。




