009 予想外の出来事
『――――モンスターハウスです。四方をモンスターに囲まれています!』
いつもとは異なる、異様な雰囲気の2階層。ナビちゃんのこのアナウンスで、一気に冷や汗が出た。
モンスターハウス、全てのモンスターが同じ場所に集結している異常事態……俺が昔やったゲームでは、そんな感じのイベントだった。今回もまさにその通りで、2階層に登場するモンスターが全員集結していて、四方を取り囲んで居た。
「ッ!!」
真っ先に思ったのは、ゆでたまコッコを始末しなければという危機感だった。瞬時に周囲を見回し、ゆでたまコッコの位置を確認する。その時には既に、ゆでたまコッコはゆでたまごボンバーを蹴り出す体勢になっていた。
「間に合えッ!!」
『コケーッ!!』
「えっ……!」
蹴り出されたゆでたまごボンバーに、俺の投石が見事に着弾する。だが、それはあまりにも遅い行動だった。ルシカが近くに居たために、爆風がルシカを襲った。
「きゃっ……! イ、イルジオン!!」
爆煙に飲み込まれ、土埃が舞って視界が潰れた。ルシカが無事だったのは、先程渡したブローチのおかげだったのだろう。この時、心の底からルシカの無事に安心した。そして次に――――殺意。
「んのぉ……!!」
ゆでたまコッコは移動することを嫌う。どうせ元の位置から動かず、次のゆでたまごボンバーを用意しているに決まっている。元居た場所は大体覚えている。ダメ押しに投石を3連続、狙うのはもちろん……この煙の先に居るゆでたまコッコの足元だ!!
『コケェーー!?』
『ゆでたまコッコ、撃破。特殊撃破、600UMP』
「ファイアソード!!」
『ネギッポォ!?』
『長ネギンバト、撃破。特殊撃破、300UMP』
囲まれている状態で、遠距離攻撃を持っている相手を倒すのはなによりも優先すべきことだ。特に攻撃力と範囲が恐ろしいゆでたまコッコ、攻撃速度が凄まじい長ネギンバト、この2匹は真っ先に潰したかった。あとは、狙いが甘すぎるちくわんこと、動きが遅いうどんぶりスライムだけだ!
『ピュィ……!?』
「おらおらっ!!」
「ファイアボール!!」
『うどんぶりスライム、2体撃破。ボーナス、合計400UMP』
『チクワァン!!』
さあ、残ってるのはちくわんこ、お前だけだぜ!! ああ!? ルシカ!!
「残念ね、そいつは私の幻影よ。ファイアソード!!」
『チク、ワァ……』
『ちくわんこ、撃破。ボーナス、150UMP。全モンスターの撃破を確認、2階層は安全地帯となりました』
ああ、幻影か……。俺が騙されてどうするんだよ~……。いやぁでも、さっき出たばっかりのブローチがなかったら、ルシカは大怪我では済まなかっただろうな。ああ、そうだ!!
「ルシカ、怪我してないか!? 大丈夫か!?」
「ええ、さっきのブローチが守ってくれたわ! 怪我は……あっ……」
「足を怪我してるじゃないか! 帰って消毒をして、手当てを……」
やっぱり怪我してた!! あ~あ、ルシカの綺麗な脚に傷が……。
「大丈夫よ、このぐらい。ヒーリング!」
「…………えっ! 今の、回復魔法!?」
「そうよ~。森で使えたのは、私ともう1人ぐらいしか居なかったわ。攻撃魔法まで使えたとなると、私だけね!」
か、回復魔法まで使えたのか!? もしかしてこれが、光魔法を使えるのを黙ってた理由? 回復は、光魔法の部類なのかな……。え、もしかしてなんだけど……?
「もしかしてルシカ……森の守り人の中で、かなり強い方だったんじゃ……」
「私が一番強かったわ!」
「ほげーっ!!」
だよな、森の守り人が全員このクラスで強いのかと思って!! 最後まで生き残ってたのもルシカだったし、一番強いってのも納得……。囲まれても一切焦らなかったし、倒すモンスターも的確だった。一番強かったって言われて、納得だよ。
『ボーナスチェスト、モンスターハウスチェスト、出現』
「おお、ボーナスチェストとモンスターハウスチェスト!? 2個も出たぞ!!」
「片方は、いつもとは違う色の宝箱ね。銀色だわ」
おお~! 異常事態解決のご褒美だ~! なにげに全員ボーナス込みで倒せてたし、これはかなりラッキーだな!
「ケント、色が違う方を開けてよ。私はいつもの方を開けるから!」
「おう! じゃあ、一緒にあけるぞ! せ~のっ!!」
「「じゃじゃ~ん!!」」
さて、今回は何が入ってたんでしょうか!! うーん、これは~……?
『【マテリアル・もっちりーチーズ】を獲得しました』
『【マテリアル・こってりー卵】を獲得しました』
「マテリアル……ああ、トッピングとかの開発が出来るっていう素材の……」
「これは何? どうやって使うのかしら?」
なんだよ、なんか期待してたものじゃないなぁ~……。まあでも、とりあえずは嬉しいとする……かっ……!? いや、なんだ、今の閃きは……!?
「ルシカ、帰ろう。オールリセットで残り1周あるんだけど、今すぐ帰ろう!」
「え、え? どうしたのよ~!!」
この思いつき、今すぐ実行したい。やりたい、そうしたいっ!!
「拠点に戻してくれ!」
『0階層へ転移します』
「きゃっ……あ! こうやって戻ってこられるの! 昨日もこれで戻ったのね!!」
「そう、そして俺は今から……晩飯を作るぞ!!」
「……随分と急ね?」
思いついちゃったんだから仕方ないだろ? それにさっきの戦闘でかなり疲れたし、またモンスターハウスになる可能性も否定出来ない。5分経過させてシールドを復活させてからでも、バチは当たらないって。
「シールドの復活も待ちたいしさ、それはまあ理由のひとつだけど……。今手に入れたマテリアルでさ、作ってみたいものがあるんだよ!」
「なるほどね。シールドは正直助かったわ。あれがなかったら、ケントが私に優先してくれたから、あの一撃を受けずに済んだのだし……」
「あれさ、もう1個欲しいな~! あんなの俺も初めてだったからさ、今後のために俺にもあっても良いよな!」
「私の、使う?」
「いやいや、それは絶対にルシカが使ってくれ。絶対に後悔することになると思うから!!」
「そ、そう……」
うんうん、あのブローチは今後もルシカが使ったほうが良い。もう1個出たら、俺もすぐ着用しよう! そんでそんで、マテリアルの使い方は~……ま、こういう時は大体ダンジョン管理だろ! ほら、あった!
「もっちりーチーズと、こってりー卵を組み合わせて、うどんをつゆ抜きオプションで選択! これを組み合わせれば~……」
『【マテリアル・もっちりーチーズ】【マテリアル・こってりー卵】【うどん・つゆ抜き】を合成……。ダンジョンマスターの閃きを参考に、【試作型カルボナーラうどん】が完成しました』
「どうだ!! カルボナーラうどん、完成だ!! うげっ、300UMPもするのか!? 試作型なのに!?」
ええ~カルボナーラうどんが完成したけど、高くないか~!? 300UMPもするのかよ~……あれ? 待てよ、もしかしてこれって……。
『ベースのうどんメニューですので、うドーピン具アイテムとは異なり、割引が適用されています』
「つまり、元は3000UMPもするのか!?」
『はい。非常にリーズナブルな値段と言えます』
「凄い! 昨日のうどんに、新しいメニューが誕生したのね!!」
「うん! 本当はパスタでやるメニューなんだけどさ、うどんでも出来るかな~って!」
割引されまくりで、2700UMPも引かれて300UMPなのか。こりゃあ、メチャクチャお得だ!! でも、試作型ってある通り……まあ、足りてないものがあるんだよな。
「でも、試作型? 完成品じゃないのね」
「ああ~……。本当はさ、黒コショウとベーコンが欲しいところなんだよな……」
「どっちも高級品ね!」
「いや、冷蔵庫に入ってるぞ? ほら、ベーコンと……あとこれ、黒コショウ」
「…………こっちの世界だともしかして、結構リーズナブルなのかしら?」
「庶民の味方ってほどじゃないが、庶民でも食べられるな!」
「ほわ~……」
あ、この感じもしかして、黒コショウもベーコンも食べたことないって顔か!? うっひっひ、ルシカの黒コショウとベーコンデビュー、俺が頂きだぜ!!
『……ご注文を承りました。【試作型カルボナーラうどん・2人前】お待ちどうさまです』
「はいよ、ルシカ! ベーコンと黒コショウは後のせで補おう。チャチャッとベーコンに火を通して……完成だ!」
『通常の食材を後のせしても、うどんジョン産のうどんの効果に変化はありません』
「味の変化はあるだろ? ダンジョンでベーコンと黒コショウが手に入るまでは、この方法だな~」
「…………」
「ど、どうした? ルシカ!?」
あ、あれ? ルシカが固まっちゃってる……。もうちょっとベーコン、欲しいか……?
「たた、食べて、良いのよね……? 良いのよね!?」
まだ高級品っていう感覚が抜けないか~。良いんだぞ~ルシカ、いっぱい食ってくれ~?
「大丈夫だよ、今日の買い物から比べれば全然安いものだから!」
「い、いただきます! んっ……んっ……!? おいひぃい~!!」
「おお、そんなに? じゃあ俺も。いただきま~す……」
こ、これは……。濃厚なチーズの風味と、ねっとり絡みつく卵のこってり感……。ソースとどっぷり絡み合ううどんが口の中で混ざりあって、ベーコンと黒コショウの香ばしさが癖になる!!
これはヤバい、止まらん。我ながら恐ろしい思いつきをしてしまった……。マテリアルは1度使用するとなくなってしまうみたいだけど、後悔はない。これは……おかわりが必要だな。ベーコンも焼こう、もっと焼こう。下品なぐらい乗せちゃお~!!
「ルシカ、俺はおかわりするが……。どうする!? ベーコンも焼くぞ!?」
「おひゃわひ!!」
「そうかそうか! うん、よし!! じゃあナビちゃん、もう2人前頼むわ!」
『……【試作型カルボナーラうどん・2人前】お待ちどうさまです』
おお~!! こいつに焼きたての刻みベーコンを大盛り、そして黒コショウもかけて~……ルシカ、目がキラキラしてるじゃないか。内なる小学5年生が顔に出てるぞ!! まあ、俺もだけど!!
「よし、出来たぞ! さあ食べよう!!」
「んっ!! ありがとっ!! んん~……私、普通のうどんも凄く好きだけど、これはもっと好きかも……」
ルシカの住んでた世界的には、さっぱりとした普通のうどんより、こういうこってりしたアレンジうどんのほうが口に合うのかな? これからもこっち方面でうどんを作るか……? いやいや、普通のうどんの良さも開拓して、味わって欲しいしなぁ。
「ご、ごちそうさま~……」
「ごちそうさま! うふふ、良い言葉よね、いただきますとごちそうさま。あ、器が消えちゃったわ……」
「食べ終わると自動で片付けて貰えるんだよ。ナビちゃん、ありがとう~」
「ナビさん、ありがとう!」
『…………わ、私がやっているわけではありませんので。全てはうどんジョンの力によるもの、勘違いなさらないでください。別に、嬉しくなんてありませんよ? 感謝されても』
「…………ぷっ」
「ふふっ」
『…………』
あ~あ、なんか照れてるのをからかったら拗ねちゃった。まあ、ナビちゃんの珍しい一面が見られたからよしとするか! それより、これも体力とかMP、状態異常の回復効果ってあるんだよな? ないと、その……困るんだけど。
「悪かったよナビちゃん、あとさ、これも体力回復効果があるんだよね?」
『あります。それどころか、デフォルトでうドーピン具の効果が発揮されています。体力、魔力が1ずつ上昇。2杯で2上昇しています』
「え!? ちょっと、これでステータスが増えるってこと!? 一時的……よね!?」
『永続効果です』
永続なんだよね~。あはは、慌ててステータスを開いてるわ。俺も確認してみるかな~?
「ねえねえ、ステータスどんなもん? 俺のはこんなもんだけど」
「え、あ……良いわよ、見せても! 普通は見せちゃ駄目なのよ?」
「そうなんだ? こっちの世界じゃ、15歳で強制的に政府が確認するって制度があるんだぜ」
「なにそれ、酷いわね……ケントのステータスは~……」
どれどれ、俺とルシカのステータスは~……?
◆◆ステータス◆◆
【名前】稲庭 犬人
【レベル】8 【性別】男性
【職業】かけ出汁うどんマイスター
【EXP】50/220 【MP】36/36
【STR】11+2 【VIT】11+4
【AGI】12+3 【TEC】11+4
【MAG】7+2 【MND】9
【ダンジョンマスター】
・うどんジョン
┣UMP:13100
┗全2階層
【ユニークスキル】
・うどんマスタリー
・ダンジョン管理
┣基本管理スキル
┣3階層拡張【4000pt】
┣モンスターガチャ【500pt】
┗クルーガチャ【使用済み】
【スキル】
・武器投擲:レベル2
・剣術:レベル2
・判断:レベル1
◆◆◆◆◆
おお~なんか結構上がってるな! じゃあ、ルシカのステータスのほうも見せて貰おう!
◆◆ステータス◆◆
【名前】メリューシカ
【レベル】5 【性別】女性
【職業】マジカルうどんクルー
【EXP】96/100 【MP】330/330
【STR】5 【VIT】5+2
【AGI】5 【TEC】15
【MAG】20+2 【MND】8
【ユニークスキル】
・幻影魔法:イルジオン
・ダンジョン管理
┗基本管理スキル
【スキル】
・火魔法:レベル4
・光魔法:レベル3
【装備スキル】
・うどんぶりシールド
◆◆◆◆◆
「「なにこれすごぉい!?」」
どうやらお互いに同じことを思ったらしいな。いや、なんだよその魔力……。MP切れがこないなーとは思ってたが、こんなに高かったのかよ。というかレベル5でこれだから、元からメチャクチャ高かったってことか……。というか、技術力も高いなおい。
「凄いわ……。私、どうやっても体力が5から上がらなかったし、元はレベル10だったんだけど、今ほうがステータス的には優秀かも……!?」
「凄いなぁ~。俺も魔法、使えるようになりたいなぁ……」
「…………出来ると思うけど、学んでみる?」
え、魔法ってそんなに簡単に使えるようになるもの? いやあ、でも、魔力をやっとこさっとこ感じられるようになっただけの俺が、そんな簡単には……。
「いや、うーん……」
「迷ってるぐらいなら、覚えちゃいなさいよ! まずは属性の適正を調べるところからよ!!」
そんな急に、属性の適正って言われてもなぁ~。何をどうすれば良いんですかねぇ……。
「まずは火よ。私の手に触れてみて」
「うん……」
「魔力放出のやり方はわかる?」
「ああ~……わかるよ」
はい、えっと、口にするのは躊躇われるので、わかるとだけお答えしますね。
「じゃあ、私に向かって魔力を流してみて」
「うん……うぬぬぬぬ……」
これで何かわかるのか~い? あ、魔力出ました。いまこう、モリッと。
「火の適正はないわね。私の火の魔力と反応しないもの。次は簡単よ、水に触れながら魔力を流すの」
「コップに水を汲めば良いかな?」
「適性があったら水が増えるから、気をつけるのよ」
火は駄目、水は~……。モリッ。
「……増えないわね。水も適正なしよ」
「なんか自信がなくなってきたんですけど」
「次は風ね。空気を溜めた袋に魔力を流すのだけど~……」
「ああ、ビニール袋とかでいいか?」
「……それ、凄い素材ね。空気が漏れない布? 布、ではなさそうね。何かの皮?」
「ん~……こっちの世界の人達の、凄い発明品って感じ?」
「なるほど? まあいいわ、とりあえず魔力を」
はい次、空気を入れたビニール袋は~……!?
「膨らんだ!! 膨らんだよ!!」
「一応扱えるって程度ね。適正があったら、もっと爆発する勢いで膨らむはずよ」
「ええ~……」
風属性、いけたと思ったのに。じゃあ俺って魔法適性ないの?
「最後は地属性だけど……木製の家だから多分、木に触れて成長するとか大きくなるとか、そういう傾向があれば適正ありよ」
「ふんぬ~……」
「あ~……」
はい、地属性も適正なさそうですね~。あは、あはははは……。
「良いんだ良いんだ、俺は魔法使えないんだ……」
「ケント! その、最後に1つだけ……確認したいことがあるわ」
「え?」
「お布団に籠もって、魔力を流してみて!」
なんすかそれ、惨めな様子を演出する感じっすか? なんか悲しくなる光景っすね……。はいはい、やります。やらせて頂きます~……。
「はい、じゃあやりまーす……」
「……ケント、ケント!! ちょっとストップ!! 止めて!!」
「ええ~?」
はいはいなんですか、惨め過ぎて見ていられないってです……って!? なんか暗い!! 部屋が薄っすら暗いよ!? 照明はオンなのに!!
「何も見えないわ、ケント! 魔力を流すの、やめられそう!?」
「もう流してないんだけど……。ちょっと薄暗いな、なんだこれ?」
「やっぱり、ケントには闇属性の適正があるみたい!!」
「闇属性!?」
うお、封じられた右目が疼く……!! あれ、封じられた右腕だっけ? どっちでも良いけど、かなり厨二病を感じるワードだよ!? あるんだ、闇属性の適正!!
「あ、明るくなってきたわ……。凄いわね、ちょっとの魔力で闇を広げられるなんて。しっかり魔法として発動したら、間違いなくケントの役に立つ魔法になるわよ!」
「本当!? おお、なんか凄く嬉しいな!!」
これ、俺が広げた闇の空間だったってことか。おお、元に戻った……。おもしれぇ~闇魔法!! なんかこうさ、闇を纏った暗殺者スタイルみたいなの、いけそうじゃん!?
「相手の視界を遮ったり、音を消したり、さっきみたいに周囲を暗くしたり、強い光への耐性も獲得出来るわ!」
「あ、そうだ! フラッシュがちょっと明るいなーぐらいで済んでたんだよ」
「ええ!? あれを直視してしまっていたの!? それで、ちょっと明るいな~って……。私はてっきり、ちょっとだけ見ちゃった~ぐらいの話だと思って……」
あれって、パーティメンバーだから効かなかったとかいう話じゃないのかよ!! 直視してたら、普通は目が潰れるってこと!? こ、怖え~……危なかった~!!
「魔力を送って貰った時に、なんとなく私の魔力と反発した感覚があったのよ。やっぱり、闇属性に適正があったのね!」
「じゃあ、光属性はダメそうなんだ」
「光と闇の適正は反発するの。だから、光のほうはダメね」
「そっか~……光と闇が合わさり最強に見えそうになるアサシンとか、格好いいかもって思ったのに……」
「あはは、なによそれ!!」
良いじゃん良いじゃん、厨二病の世界が向こうからきたんだから、俺だって厨二病の世界に近づきたいの!! 男の子のさ、ロマンなわ~け!!
「どうする? ダンジョンは残り1周あるのよね?」
「ん~……いや、サボらずにいこう! こういうのをサボると、明日以降にも響くからさ」
「わかるわ、その気持ち! 魔法の練習は明日~って1度やらずに放置してしまうと、また明日~また明日~ってなっちゃうのよ」
「うんうん……。日課にするんじゃなくて、それを守るのって大事だよなぁ」
――――結果。ボーナスチェストはハズレだった。ルシカがレベル6に上がったから、よしとします……。




